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風力発電について考える

 タワーの高さが80メートルほど、羽根の直径が90メートルほどにもなる風力発電の風車を頭に思い浮かべてみて下さい。25階から30階建てのビルくらいの高さになると考えると、頭に浮かびやすいかもしれません。すさまじく大型のものであることが実感できると思います。

 ではこのような超巨大な風力発電の風車1基が生み出す電力はどのくらいでしょうか。定格出力で3000キロワットとされています。定格出力というのは、最も理想的な風が吹いたときに生まれる発電量のことでして、風はいつも一定ではないですから、当然これほどの電力が常に生み出されるわけではありません。一般的には設備利用率は20%程度とみなされています。すなわち、定格出力3000キロワットの風力発電というのは、実質的には600キロワット程度の出力だと考えた方が現実的なわけです。
 
 火力発電でも、比較的小型でできるガスタービン発電の場合、100メートル四方くらいの面積で1基分まかなえ、出力は45万キロワット程度は確保できるようです。能力の80%で操業するとすれば、36万キロワットになるでしょうか。

 以上から、風力発電の風車1基と小型火力発電1基が必要とする面積・体積は大差はないものの、その大差ない面積・体積のもとで生み出される発電量には600倍くらいの差があるというわけです。

 そして、小型火力発電1基が生み出す電力を大型の風力発電の風車でまかなおうとすれば、単純計算で600倍も広い面積が要求されるということになります。

 もっとも火力発電所も、騒音対策などから、発電基を納める建屋のみから成り立っているわけではなく、建屋の周りには広大な空き地があるのが普通ですから、上記の議論は単純に過ぎるともいえるでしょうが、そういう点を割り引いてみても、風力発電のポテンシャルは期待できないことが理解できると思います。

 しかもこれだけ巨大なものになると、メンテナンスも大変であることは当然理解できるはずです。製造にかかるエネルギー・メンテナンスにかかるエネルギーを考慮に入れると、果たして風力発電が生み出すエネルギーはこれらの消費エネルギーを上回るエネルギーを生み出してくれるのかにさえ、疑問符が付きます。

 風力発電は風に頼る発電ですから、出力の安定が期待できないのは、計画的な発電事業にとっては致命的な欠陥ともいえます。また、低周波騒音という公害問題もあり、立地にも困難が伴います。

 こうした構造的な問題を多くはらんでいるにもかかわらず、「未来型」の発電システムとして風力発電に脚光が集まっているところに、現在の日本の抱える問題が端的に表れているのではないでしょうか。イデオロギーやイメージをまずは脇に置いて、先入観を廃して事実を見つめるべきだというコンセンサスを確立することが、今の日本では大いに求められています。

 「何となく環境にやさしそう」というイメージだけに流されるのではなく、このような現実を取り巻く事実を丹念に捉えたうえで、風力発電を展開すべきかどうかをまじめに考えたいところです。
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