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NHKスペシャル「日本国債」は、大きな誤解に基づいて作られたものだ!(3)


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 引き続き、NHKスペシャル「日本国債」の話を続けます。

 前回扱ったドミノ倒しのシーンが終わった後に、以下のようなナレーションが入ります。

 ポイントは、価格と金利が逆の動きになっていること。国債を買いたいという人が増えると価格は上がり、金利が下がります。逆に売りたい人が増えると、価格が下がり、金利が上がります。国債の金利は住宅ローンや企業の借り入れなど、様々な金利に影響します。金利が急激に変動すると、暮らしから国の運営まで打撃を受けることになります。その例が信用不安の起こったヨーロッパの国々です。財政危機に陥った国は、国債が売られ、金利が急上昇しました。そのため、高い金利を払わないと、国の運営に必要な資金を調達できなくなりました。今、日本国債の金利は1%未満です。金利で見れば、世界のどの国よりも安全だと市場では見られています。しかし、日本の財政は先進国で最悪の水準。市場の中には日本国債の先行きに不安を感じる人たちも出始めています。

 そしてこの直後に、酒場のマスターからこんな言葉が飛び出します。

 日本の年間予算はおよそ90兆円。その半分が国債。つまり借金で賄われている。そんな国、世界にはほとんどない。お世辞にもうまいとはいえない。

 このような番組の流れに従っていると、現状の国債発行に対して恐怖心を感じるのが普通だと思います。年間予算の半分が国債発行で賄われているのは、いかにも不正常な事態だと感じられるものでしょう。また、700兆円を越える国債の膨大な累積残高が信用不安の引き金を引いてしまい、ギリシャみたいな事態に陥るんじゃないかと不安に駆られるのもやむをえないと思います。

 ただここで、逆転の物の見方をしてもらいたいのです。素人目から見れば、直感的に異常事態だと思われるこの状況にあって、なぜ日本の国債は世界で最も低金利で発行できるのかということです。素人でも直感的に見抜けてしまう程度のことを、プロの投資家たちは全く気がついていないのでしょうか。

 ちなみに日本の国債は近年発行額がどんどん増えているにも関わらず、買い手がいないために必要額の発行ができなかったということがありません。日銀が買おうとしたときに売り手が全くいなくて買えなかったということはありましたが、買い手がいないために日本国債が売れなかったということは一度もないのです。世界の国債マーケットにおいても、ここまで信用されているのは日本国債くらいのものでしょう。

 しかも、国債の発行残高がどんどん増えてくるに従って、驚くべきことに、国債の金利はどんどん低下してきました。つまり、低金利になっても国債を保有したいと考える人がどんどん増えているというわけです。ナレーションでは「日本国債の先行きに不安を感じる人たちも出始めています」となっていましたが、市場の動きを見ている限りは「日本国債の先行きに不安を感じる人はどんどんいなくなっています」ということになってしまいそうです。




 この謎解きは次回に解説しますが、NHKのナレーションと市場の実際の動きは逆向きになっているということが確認できたという方は、クリックをお願いいたします。


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コメント

1. 賢い

投資家の動きを見ていたら、解ると言うことですね?

日銀が買えなかったことがあったって、売れて売れて信用されてるって事ですよねー。

国営放送作るときがきたのですよ。
キチンと皇室のニュースをする放送局がなければ、ダメだと思います。

2. Re:賢い

>syo-tenさん
私も国営放送局を作るべきだと思います。中国のメディア戦略に対抗しないといけないときに、何をしているんだろうと思いますね。

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