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NHKスペシャル「日本国債」は、大きな誤解に基づいて作られたものだ!(4)


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 引き続き、NHKスペシャル「日本国債」の話を続けます。

 本日は前回の流れをついで、なぜ日本国債はこれほどまでに大量に発行されながら、低金利で全額売却できてしまうのかの謎解きです。

 この部分を理解するためには、ちょっと前提知識が必要です。社会全体で見れば、貸し出している金額と借り入れている金額は常に等しくなるということを理解してもらいたいのです。

 AさんがBさんに100万円貸したとしましょう。この時、AさんはBさんに対して100万円の債権を持ち、BさんはAさんに対して100万円の債務を持ち、債権の額(100万円)と債務の額(100万円)は等しいはずですね。今の例ではAさんとBさんしか存在しませんが、社会全体ではもっと多くの貸し手がいて、もっと多くの借り手がいますが、どれだけ複雑な貸し借りが行われようと、貸し手の持つ債権の合計金額と借り手の持つ債務の合計金額は、やはり同じになるはずです。

 では、世の中に「国民」「企業」「政府」の三者しか存在しないとしましょう。そしてこの三者の間でお金の貸し借りを行っているとします。そうすると、「国民」が将来の不安に備えて貯蓄を行い、「企業」がそれと同額の借入を行って設備投資に回しているとすれば、「政府」は必然的に貯蓄も借り入れもない状態になります。「国民」がたくさん貯蓄を行いながらも、「企業」が全然お金を借りてくれないとすれば、「国民」が貯蓄した分を全額「政府」が借り入れしなければ、バランスが取れない状態になります。

 ここからわかるのは、「政府」が財政赤字であるというのは、「政府」が無駄遣いをしているからだとは単純にはいえないということです。「国民」がせっせと貯蓄をしながらも、「企業」がそれと見合った金額を借り受けて設備投資に使ってくれなければ、「政府」が結果的に財政赤字になるのは必然なわけです。

 高度成長期には、「国民」の貯蓄と「企業」の借入とのバランスが取れていたために、「政府」の財政も均衡が取れていました。しかし高度成長が終焉し、「企業」の借入が減少すると、「政府」の財政は赤字にならざるをえなかったのです。

 さて、総需要の絶対量が不足してデフレ不況に陥ってしまっている時に、「政府」の財政が赤字だからということで、さらに歳出を切り詰めたり増税したりするとどうなるでしょうか。政府歳出の切り詰めによって、「政府」の需要が減ります。増税によって「国民」や「企業」の需要も減ります。その結果としてさらに総需要を減少させてしまいますから、デフレ不況をさらに深刻化させてしまいます。そのデフレ不況の深刻化によって、「国民」は将来への不安から財布のひもをさらに固くしようとし、「企業」は需要の減退に直面してさらに設備投資を控えようとします。「政府」の需要も減退し、「国民」の消費需要も減退し、「企業」の投資需要も減退するわけですから、総需要の不足によるデフレ不況はさらにさらに深刻化するという悪循環にはまり込みます。

 このような状態を15年以上も放置してきた結果として、「国民」の貯蓄と「企業」の借入のバランスがさらに大きく崩れ、結果として膨大な「政府」の財政赤字が生み出されてきたわけです。

 デフレ不況が深刻化すれば、「企業」は新たな借入を望まないどころか、過去に借り入れた借入金を減らそうとします。つまり、「企業」の資金需要が全くなくなってしまうわけです。そうすると「政府」が借り入れしようとしても、競合する相手がいなくなります。

 「国民」の貯蓄を受け入れる銀行としては、ごくわずかとはいえ、預金の利息をつけなくてはいけません。従って、1%を割るような低利回りであっても、国債を買わないわけにはいかなくなるわけです。

 つまり、この国債の低金利は、デフレ不況が深刻化して企業の資金需要がなくなってしまったことを映し出している鏡でもあるということが理解できましたら、クリックをお願いします。


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コメント

1. お疲れ様です

とにかく、デフレ脱却が重要なんですよね。
何とか頑張ってもらいたいです。

2. Re:お疲れ様です

>syo-tenさん
デフレ不況のために、膨大な人材などが使われない資源として余っていますね。これをしっかり活用して国を発展させることが最も大切ですね。

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朝香豊AY

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