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NHKスペシャル「日本国債」は、大きな誤解に基づいて作られたものだ!(10)


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 引き続き、NHKスペシャル「日本国債」について考えていきましょう。今回は第10回です。

 幸田真音さんは引き続き次のような発言を行っています。

 「あのね、国債っていうのは、例えば、国債市場ではね、国債が売られて価格が下がるじゃない?そうすると金利が上がる。買われたら金利が下がるという、シーソーみたいなものなのね。もしガーンと売られて金利がワッと上がるじゃない?そうすると、ここ20年くらい日本ってずっと超低金利が続いているじゃない?だから企業はね、途端に資金繰りに困ったりとか、資金調達に困って、バタバタ倒れていっちゃうかもしれない。そしたらほら今だってね、雇用問題がなかなか改善しないって言っているでしょ。ますます悪化する可能性があるわよね。」

 今回はこの発言について考えてみましょう。

 日本が経常収支黒字国であり、膨大な対外純資産を抱えた債権大国であるということは既に確認しました。したがって国債はすべて国内のお金だけで賄うことができる状態にあることも確認済みですね。そして日本が経常収支黒字国であり続ける限り、「民間」(「国民」+「企業」)が新たに蓄える貯蓄の方が、「政府」が借り入れる借金よりも多い状態にあります。

  「民間」の貯金の増加分「政府」の借金の増加分

 「政府」の資金需要よりも多くのお金を「民間」が貯蓄していくとすれば、需要と供給の関係で考えれば、金利がバーンと上がる事態は考えられないということになるはずです。

 ではもし金利が上がるとしたら、どういう事態でしょうか。それは「民間」が新たに行う貯蓄が減って、「民間」の貯金の増加分と「政府」の借金の増加分の差が縮まっていく事態だということになります。

 ではどうなれば「民間」が新たに行う貯蓄は減っていくでしょうか。「国民」が消費を強めて貯蓄が弱くなれば、当然減っていくでしょう。借金を減らしてお金を貯め込むような行動をとってきた「企業」が、逆の行動をとるようになれば、当然減っていくでしょう。要するに、企業が積極的に設備投資を行うような状況になればよいというわけです。要するに、貯める一方だった「民間」が貯めないで使う方向に切り替われば、「民間」の貯蓄は減っていくということになります。

 これはどういう事態を意味しているのでしょうか。「国民」が消費を増やすようになり、「企業」が設備投資をどんどんと行うようになるということですから、日本がデフレ不況から脱却したという事態を表しているはずです。日本がデフレ不況から脱却して景気が強くなり、民間に資金需要が生まれた時に、金利が上がっていくのは当然でしょう。そしてそのような資金需要が生まれない限り、需給関係を考えれば、大幅な金利の上昇は考えにくいはずです。

 ここでよく考えてもらいたいのですが、民間に力強い資金需要が生まれて金利が上昇した時に、つまり日本がデフレ不況から脱却して力強い経済成長を見せた時に、企業がバタバタ倒れて、雇用問題がますます悪化するということが、果たして生じるのでしょうか。あるはずがないですよね。幸田さんは、金利というものがお金をめぐる需給関係によって決まってくるものだという理解を、どうやら欠いているようです。資金需要もないのに、金利が急激に高騰するということは、経常収支が黒字の債権大国では考えられません。

 そしてもう一方で考えてもらいたいのは、このように日本がデフレ不況から脱却して力強い経済成長を始めた時に、前回確認したように、税収は大幅に伸びるはずです。また、民間に力強い資金需要が生まれた結果、仮に完全雇用に達するところまで経済が伸びたとしたら、その段階で政府は悪性のインフレが起こることを警戒して、積極財政を緩めた方がよい状態に当然変化します。場合によっては景気の過熱感を抑えるために、増税を行った方がよい状態にもなります。税収が増え、積極財政を緩め、さらには増税までも行うとすれば、歳出は増やさず税金は増えるということですから、政府が借り入れる必要額がそれに応じて減っていくということになります。この状態をお金をめぐる需給関係を考えてみてください。「民間」の貯蓄が減っても、「政府」の借入必要額も減っていくとすれば、お金をめぐる需給関係は安定しているはずです。とすれば、需給関係の逼迫から金利の上昇が信じられないレベルにまで上がるということには、絶対にならないはずです。

 ギリシャが破綻したのは、「外国」からお金を借りていたからです。ギリシャが借りたいだけ「外国」がお金を貸してくれていた時には、資金をめぐる需給関係は落ち着いており、したがって金利も安定していたわけです。ところが、これ以上ギリシャにお金を貸してもお金が返ってこないのではないかという疑いの目を「外国」が向けた時に、状況は一変しました。ギリシャは「外国」からお金を借りないと回らない経済になっていて、強い資金需要が常にある状態でした。そんな状態にあるのに「外国」がお金を新たに貸してくれなくなった上に、さらに返済まで迫られたのです。つまり、資金需要はあるのに、資金供給が干上がってしまったわけです。こうなれば金利が高騰するのは当然でしょう。

 日本は世界最大の債権大国であり、巨額な対外純資産を背景に経常収支の黒字が今後も継続していける国です。このような日本においてギリシャのような金利の高騰という事態は生じえないものだということが理解できましたら、ブログランキングへの投票をお願いいたします。


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コメント

1. こんばんは!

ギリシャのようになったら大変だとか言うのを見かけましたけど、日本とギリシャでは全く状況が違うということですよね。
良く解りました。
ありがとうございます(*^^*)

2. Re:こんばんは!

>syo-tenさん
返信が遅くなりまして、失礼しました。
自国通貨で国債を発行しておらず、経常収支も赤字という国は本当にきついですね。日本はそういう国でなくてよかったです。

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