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中国の世界戦略から目をそらしてはいけない!


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 ピーター・ナヴァロという人の書いた「チャイナ・ウォーズ」という本が、イーストプレスから出版されています。非常に面白い本ですので、ぜひ皆さんにも読んでもらいたいのですが、この本の中に、人民日報のある記事が取り上げられています。それをここに引用します。

 中国が中東やアフリカから輸入する石油は、昔も今もマラッカ海峡経由で運ばれる。だが、このルートだけに頼るのは、戦略的に大きなリスクがつきまとう。東南アジアの国々やアメリカと衝突した途端、石油の輸送は妨害されてしまうからだ。(人民日報)

 今、中国は、この問題を解決するために、様々な取り組みを行っています。その一つがインドとイランに挟まれたパキスタンとの関係を強化することです。パキスタン東部のグワダル港の運営権を中国が獲得しましたが、これはグワダル港からパキスタン国内を使ってパイプラインを通せば、新疆ウイグル自治区を通じて原油を中国に送れるめどが立つからです。なお、グワダル港は水深が深く、パキスタン国内で唯一大型船が出入りできる港です。




 中国が力を入れているのは、パキスタンのグワダル港だけではありません。インドを取り囲むように、スリランカのハンバントタ港とか、バングラデシュのチッタゴン港とかとも中国は深い関係を持つに至っています。東シナ海、南シナ海だけでなく、インド洋でも中国海軍が活躍できるようになることを、中国は構想しているわけです。このために、中国は海軍力を急激に強化しているのです。




 ところで、マラッカ海峡封鎖によるリスクは、中国だけが感じるべきものでしょうか。中東から日本に運ばれてくる原油・天然ガスは、単にマラッカ海峡を通るだけではありません。イランが押さえているペルシャ湾を航行し、イランが容易に封鎖できるホルムズ海峡を通過し、中国が管轄することになったグワダル港の前を通らなくてはなりません。インド洋を渡るには、スリランカの近海を通らざるをえず、ここにはやはり中国と関わりの深いハンバントタ港が控えています。無事にマラッカ海峡に達してこれを通過できたとしても、南シナ海を通り、台湾沖を通過してこなければなりません。中国の力が増大して、これに台湾が飲み込まれ、フィリピン・ベトナム・マレーシア・インドネシアといった国々も中国の言うことを聞かざるをえなくなったとしたら、日本に入ってくる石油や天然ガスは、いつでも中国の意のままに押さえられてしまうということになってしまうわけです。

 インドの両隣にある、パキスタンもバングラデシュも、中国の強い影響下に入ってきています。アメリカ一極支配のもとで、アメリカ側についていさえすれば安定的にエネルギーの確保ができた時代は、今や過ぎ去ろうとしています。この現実から、私たちは目をそらしてはならないのです。

 この現実に対処する形で、我が国の安全保障をどう構築すべきかが、私たちに問われているわけです。そしてそれは、我が国と同様の中国の圧力を感じている、フィリピン・ベトナム・マレーシア・インドネシア・ミャンマー・タイ・インドといった国々と、どのような形で協力関係を築いていくかということとも関わってきます。

 こうしたリアルな国際情勢を考えることを、日本は戦後一貫して避けてきましたが、そんなことは許されなくなってきました。集団安全保障を考える際には、こうした視点を持たなくてはいけないということにご賛同いただける方は、ブログランキングへの投票をお願い致します。


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コメント

1. お疲れ様です!

日本とパキスタンの関係はどうなんでしょうか?
日本は、どうしてこんなに長いこと眠っていたのでしょう。
マインドコントロールとは、本当に恐ろしいです。

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