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今こそ思い切った積極財政を行うべきだ!


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 1995年11月に、当時の武村正義蔵相が日本政府の「財政危機宣言」をされました。このままでは日本の政府財政は破綻すると、時の大蔵大臣が明言したわけです。そしてその後我が国は予算規模が大きくならないように緊縮財政に緊縮財政を重ね、消費税を増税し、国民に痛みを分かち合う政策を実施してきました。さて、その結果としてどうなったかは、以下のグラフをご覧ください。



 このグラフは政府純債務がGDP比で何パーセントになっているかの推移を表したものです。当然ながら、政府純債務の対GDP比が小さいほど財政は健全で、政府純債務の対GDP比が大きいほど財政は不健全だということになります。日本とイタリアが同じような青色で記されているので、ちょっとわかりにくいですが、1992年あたりを底にして、そこから急激に上がっている方の青色が、日本の推移ということになります。

 このグラフを見ると、実にいろんなことがわかります。まず、竹村蔵相が「財政危機宣言」を行った1995年段階での日本の政府純債務の対GDP比は、主要先進国の中では最低であったということです。即ち、当時の日本は実際には主要先進国の中で最も政府財政が健全な国であったということです。実際はそうなのに、政治家も国民もみな日本の財政状況に危機感を募らせ、このままではまずいと、緊縮財政と消費税増税の道へと舵を切ってしまったわけです。

 そして財政健全化に向けて緊縮財政と消費税増税の道を選択した後はどうなったのでしょうか。実はその後に上昇カーブが急激になっていることに気がつきませんか。特に消費税を増税した1997年以降の方が急激ですよね。増税と緊縮財政のせいで、民間企業が日本国内で投資を行っても儲からない状態が出現したため、投資を手控えるようになり、マクロの経済バランスがさらに悪化し、政府の負債が拡大しなければならなくなったためです。財政が危ないからということで、まじめに緊縮財政を行い、消費税増税まで進めた結果として、かえって日本の財政の悪化速度を速めてしまったのです。1995年段階で日本より財政状況がよくなかった諸外国が、日本とは違って緊縮財政に走らなかった結果として、財政悪化の速度がはるかにゆるかったということも、このグラフから見てとれます。緊縮財政と消費税増税に突っ走った日本だけが、財政悪化の速度を加速化させてしまったのです。

 ではどうすればよいのでしょうか。デフレ状況から脱却できる需要を政府の積極財政によって作り出し、これによって民間投資を回復させ、マクロの経済バランスを好転させればよいのです。日本の財政悪化を止めるためには、逆説的ですが、緊縮財政をやめて、思い切った財政出動をむしろ行うべきです。戦前においてデフレを脱却することに成功した高橋財政の時には、1932年(昭和7年)の予算では、対前年比22%増という大幅な財政出動でした。

 デフレ脱却のために効果が実証されている積極財政を避けた結果、財政悪化が亢進しているというのは、実にバカげた話だと思われないでしょうか。

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コメント

1. 無題

私も予算を見て危機感を持って居ます。
このままでは民主党時代と変わらず、
特亜およびドイツが言っているように
単に通貨安競争をやりだしただけじゃあないかと。
当初安倍さんがネットで支持されたのは積極財政も一つの理由だったはずで、悪く言えば政権さえ取れば味方をしてくれた人たちの意思を忘れているようにも見えます。
3本の矢にしたところで3本目は本来必要ではないものを、構造改革論者の顔を立てる方向でつけたしたように思っていたのですが、今やそうではないような雰囲気が漂いだしてますね。

2. Re:無題

>定点観測さん
コメントありがとうございます。私も定点観測さんと同じような思考を巡ってきました。マスコミ対策として、なるべく国内に敵を作らないで参議院選挙を乗り切るために、政治家として割り切った対応を取っているのだろうと、以前は思っていました。ところがそれにしてはつじつまが合わないことが多すぎて混乱してきました。希望的な観測を排して、事実を冷静に見るようにしたいです。

3. お疲れ様です

この後でしたか、証券会社や生保が潰れたのは?
火に油を注いだんですねー(*_*)

4. Re:お疲れ様です

>syo-tenさん
そうですね。「金融機関だからということで助けてはいけない。潰れるべきところは潰れなくてはいけない」との考え方に支配されて、めちゃくちゃなことがいろいろと行われ、本当に多くの企業が潰れました。しっかりとしたスキームに基づいて救済がなかなか行われず、世界経済にまで混乱を広げたことに対して、欧米からさえ非難を受けました。しかしながら、この破壊的な考え方が今なお日本では有力で、おまけにその考え方を体現している竹中平蔵という人物が今なお政界で力を持っていることには、大きな危機感を覚えます。

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