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尖閣諸島を守るためにも、日本は主体的な姿勢へ脱皮せよ!


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 チャンネル桜の水島社長が凄い話を明らかにしました。水島社長ら80名が尖閣諸島周辺の海域で漁師見習いとして漁業活動に従事しに出かけた際、事前の予定では、在沖縄海兵隊の外交政策部次長のロバート・エルドリッヂ氏も同行することになっていたそうです。エルドリッヂ氏は休暇をとって個人として参加したいと申し出てくれていたのだそうです。ところが乗員名簿を事前に海上保安庁に提出し、そこにエルドリッヂ氏の名前も記載しておいたところ、日本政府側から米軍にエルドリッヂ氏の参加を取りやめさせたいとの要請があり、この要請を受けて米軍はエルドリッヂ氏に参加をやめるよう軍命を出したのだそうです。(但し、官邸の判断ではないようです。)



 さらに海上保安庁も、水島社長らの漁業活動を阻止しようとして入って来た中国の公船8隻に対して、体を張って止めようとする行動をとりませんでした。漁船に対して漁業活動を放棄して、全速力で逃げるように指示したわけです。事前に海上保安庁の安全命令に従うことを約束して出漁していたために、水島社長らもこの指示に従わざるを得ず、漁業活動ができないまま退散しました。



 この結果は、尖閣周辺の海域は、事実上日本の領海ではなくなったことを意味します。自国の領海内で自国民が当然享受できるはずの経済的利益が、外国公船が求める秩序と対立した際に、外国公船が求める秩序の方を優先させるという事態を現出させてしまったからです。端的に言って、中国側の勝利です。

 ここで私たちが確認すべきは、エルドリッヂ氏の漁業活動参加の取りやめの働きかけを行い、中国公船からの圧力に対しても弱腰で対応する日本政府の有様は、まさに戦後の日本を象徴するような出来事ではないかということです。すなわち常に目先の「危険」をなるべく排除し、目先の「安全」を優先していくことが善であるとの行動原理で動いているということです。後ろ指を指されないようにすることを真っ先に考えると言った方がわかりやすいかもしれません。

 目先の「危険」を排除する観点から、エルドリッヂ氏に万が一のことがあったらまずいとか、米軍人が参加するのは中国を刺激するから避けるべきだとか、中国公船との実力の衝突は何があっても避けなければならないとの判断が優先され、日本の領海である状態を断固として守るという、本来最も優先されるべき価値が逆におざなりになってしまったわけです。はっきり言えば、こうした日本側の行動原理は既に中国側に読まれており、その弱点を衝く行動に中国側は出ていると考えるべきでしょう。

 かつて元米国国務副長官のリチャード・アーミテージ氏「日本は一流国家を目指すのか、二流国家に甘んじるのか」との問いかけをしたことがあります。この時アーミテージ氏は次のようにも語っています。

 「日本は現在、GDP(国内総生産)で世界で3番目の経済大国で、徐々に衰退しながら安定した生活を維持する。これが二流の考え方だ。不透明さを増している中国が存在しているにも関わらず、日本の防衛予算は10年間、減少し続けている。米国の願望は、こうした非現実的な軌道を変えてほしいということだ。軍事費のGDP比からすると、日本はパナマより下位に位置する。これでいいのか。一流国とは言えない。軍事費そのものの金額は大きいかも知れないが、自衛隊の能力を増強させるには不十分だ。」

 アーミテージ氏の発言には、アメリカの兵器をもっと買えという意図も当然あったことでしょうが、そのレベルだけで理解するのは適切だとは思いません。目先の「危険」を常に避けようとすることを第一原理として考える日本に対して、アメリカは信頼を持ちきれないというのは、当然ある話だと思います。日本はアメリカに危険な存在だと少しでも思われないようにすることが日米関係にとってもっとも大切だと思っているけれども、アメリカはいつまでも主体的なプレイヤーとして振る舞おうとしない日本に対して、却って不信感を持っているのでしょう。

 アメリカの対中接近には、アメリカ自身の国益と絡む部分もありますし、潤沢なマネーを背景にして中国からの強力なロビー活動や広告作戦などが展開されている側面もあるでしょう。しかしながら、それすら、主体的なプレーヤーとして中国の活動に適切に対抗しようとしない日本自身の姿勢が影響を及ぼしている側面が強いのではないかと思います。

 日本は安全保障をアメリカだけに依存するのではなく、フィリピン・ベトナム・インドネシア・インドといった親日国家と軍事的な同盟関係を積極的に結んでいこうとする姿勢まで明確に示して、中国の膨張を許さない確固とした意志を明らかにすべきです。尖閣諸島の領有権の正当性を、様々な媒体を利用しながら、全世界に向かって明確な証拠付きでどんどんとアピールすべきです。

 主体的な行動が引き起こす摩擦を「危険」と捉え、これを避けようとする態度から日本は脱却すべきだという意見にご賛同いただける方は、ブログランキングへの投票をお願いいたします。


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 なお、今回乗船できなかったエルドリッヂ氏は元来は政治学者で、2009年までは大阪大学の准教授を務められ、戦後の沖縄の扱いに関しても日本語で専門書を出版されているほどの知日・親日家です。福島原発事故に際して米軍が展開した「トモダチ作戦」の基盤を作るのにも多大な貢献をされました。このようなエルドリッヂ氏に傍若無人な中国公船の活動を見てもらい、その様子を米軍内で語ってもらうという機会を失ったのは、我が国の国益の観点からみて大きな損失だったのは言うまでもありません。


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