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アメリカは断じて私たちが真似すべき国ではない!(1)


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 2010年の年初に、アメリカで凄まじい判決が出ました。企業などの法人が選挙運動に関する金銭支出を行う範囲を法律によって規制することが憲法違反かどうかについて、規制を行うことは違憲であるとの判決が、アメリカ連邦最高裁判所で下されたのです。

 一応建前としては、政治資金を無制限に政党や候補者に献金してよいということではありません。政党や候補者とは直接関わりを持たずに、法人が自由に政治に関する意見を表明したっていいじゃないか、またそのために自由にお金を使ったっていいじゃないかというのが、一応の建前です。

 その結果、特定の主張を訴えるスーパーPAC(特別政治活動委員会)という政治団体に対して、法人は無制限に資金提供することができるとしたわけです。そして、この政治団体はテレビCMなどで大々的なキャンペーンを張ることを実際に行っています。当然ながら、共和党寄りの主張を行うスーパーPACは、民主党のこき下ろしを行い、民主党寄りの主張を行うスーパーPACは、共和党のこき下ろしを行うわけです。これらのスーパーPACが実質的には支持政党と密接な関係があるのは明らかですが、建前としては政党や候補者とは無関係とされ、無関係なら無制限に活動を認めていいだろうというわけです。しかも、政党や候補者とは無関係なのだから、スーパーPACに資金提供している企業・団体は、その名前も提供している資金量も、世間には知らせる必要はないとされているわけです。このため、多国籍企業や業界団体は合法的にこうした政治運動に莫大な資金を提供でき、そしてその資金提供に見合った政治力を獲得することに成功しているわけです。

 ところが、このスーパーPACを使っての政治キャンペーンについて、どうも米国民でその仕組みを理解している人自体が、かなり少数派らしいです。一般にこのような不道徳な話は、マスコミの格好のネタになりそうなものですが、実はマスコミがこの問題をほとんど報道してこなかったようなのです。この違憲判決で最も潤った業界がマスコミ業界だということと関わっているのでしょう。



 上記のグラフはアメリカ中間選挙において使われた政治資金額の推移です。年初にこの判決が出た2010年の中間選挙の金額が、4年前の中間選挙の2006年と比して急膨張していることがわかります。そしてこの政治資金額の大半がマスコミを通じた宣伝戦に利用されたわけです。

 巨大企業は民主党の側にも共和党の側にも莫大な資金提供を行います。どっちが勝ったとしても、政治を味方につけて有利にビジネスを展開するためです。そして膨大な資金を集めなければ、当然選挙で勝つことはできません。従って、民主党の候補であれ、共和党の候補であれ、当選してからは巨大企業のために仕事をすることになります。

 2008年の大統領選挙で、オバマはNAFTA(北米自由貿易協定)の見直しに言及していました。9.11後に成立した愛国者法の行き過ぎを批判し、また遺伝子組み換え作物の入った食品へのラベル表示を義務化することも主張していました。ところがオバマはNAFTAの見直しなどどこ吹く風で、NAFTAの拡大版のようなTPPまでさらに進めています。期限切れになるはずだった愛国者法はオバマの在任中に更新され、遺伝子組み換え作物のラベル表示の義務づけも実行されずとなりました。オバマは公約を破り、米国民が求めたチェンジに背を向けたと言ってよいでしょう。

 そしてこの動きが認められることによって、アメリカの企業や団体は当然腐敗します。競争に打ち勝つために新たな技術開発をどんどん押し進めることに真剣に努力するよりも、政治に働きかけて自社にとって有利になるようにルールそのものを変えてしまう方が、楽に収益を増やせることになるからです。

 そしてこのような立場に立つ人たちが、規制を撤廃して企業活動をもっと自由にした方がよいとか、企業の投資を促進するために法人税の減税を行うべきであるとか、公的部門は非効率だから民間に移管させた方がいいとか主張しているわけです。こうしたメッセージはもちろん論理的におかしさを浮き上がらせるべきものですが、私たちはこの構図からこうした主張の危険性に対して本能的に警戒心を持つべきものだとも思うのです。

 アメリカを見習うべき手本であるかのように考える見方がありますが、果たしてアメリカは私たちが真似すべき見本なのでしょうか。私にはとてもそうだとは思えません。

 アメリカなんて断じて私たちが真似すべき国ではないという主張にご賛同いただける方は、ブログランキングへの投票をお願いいたします。


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コメント

1. おはようございます(*^.^*)

見本になる国でないことは、ハッキリしてますよね!
すでに、グラついてますもんね。

2. Re:おはようございます(*^.^*)

>初護ちゃまさん
コメントありがとうございます。こんな国の流行の最先端を追いかけたがる人たちが多いのが、本当に困った話です。

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