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アメリカは断じて私たちが真似すべき国ではない!(2)


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 デトロイト市が財政破綻したというニュースが流れました。長期債務の総額は185億ドル(約2兆円)という途方もない額です。「財政悪化に対して積極的な手を打たなかったからだ。このままでは日本も危ない!」というような、訳知り顔のいい加減な解説が恐らく飛ぶのではないかと心配しています。

 デトロイトはかつては自動車産業の中心地として大いに栄えた町で、180万人の人口を抱えていたこともありました。ところが、自動車産業の衰退とともに産業力が失われ、今や70万人まで人口は減少しました。財政状況もだんだん悪化し、管理費用の節減から市営の公園の半数以上が閉鎖され、壊れた街灯の修理すら行わなくなりました。残っていた使える街灯も、点灯するお金がもったいないということで、使用する街灯を減らしました。こんなことを行っていけば、治安の悪化によって犯罪率が上昇するのは当たり前でしょうが、財政が厳しいからと警察官はむしろ削減されてしまいました。危険を感じ引っ越す余裕のある家庭はデトロイトからどんどん離れていき、デトロイトは貧困家庭が圧倒的な割合を占める都市になってしまったのです。

 公教育に競争原理が働かないのはけしからんという議論が盛んになり、公教育に対する補助金が生徒のテストの平均点で上下するシステムが採用されてから、貧困家庭の多いデトロイトのテスト結果は平均を大きく下回った結果、補助金は大きく削減されました。この結果「非効率」な公立学校は次々と民営化されました。民営化された学校は私立ですから、当然授業料も高くなるのですが、公教育の一端を担うものだということで、政府から運営費用の補助を受けています。実はこの公教育分野は、7年で元が取れる優良投資だということで、ビジネス界の熱い注目が注がれている分野です。デトロイト市民と自治体としてのデトロイト市に負担をかけながら、簡単に利益の上がるビジネスモデルとなっているというのは、実に皮肉な話です。

 このように、従来は公的な責任として行われていた公共サービスの提供が、「非効率」を理由として廃止され、優良な投資案件として投資家に提供されるということが行われているわけです。そして、こうした公共サービスの解体によって都市の生活環境の悪化が進んだとしても、それはその都市の「自己責任」だということになるわけです。

 以下はデトロイト警察が配布したチラシです。




 「注意:デトロイトに入るのは自己責任で」と題したチラシには、「デトロイトは全米一危険な町」であり、「デトロイトの殺人事件発生率は全米一」であるのに、「デトロイト警察は大変な人手不足」だということが書かれています。そのくせ警察官は12時間交代制の過酷労働にさらされ、かつ低賃金なのに、さらに10%の賃金カットがなされようとしているのはどういうことだ、というわけです。財政赤字を理由とした公共サービスの削減政策のあおりをデトロイト警察ももろに受けた結果が、よくわかると思います。

 デトロイトのあるミシガン州は「非常事態管理法」を制定しました。財政難にあえぐ自治体に対して、州知事が選定した「緊急事態管理人」(Emergency Manager)が財政健全化の指揮権を発揮できるようにしたものです。念のために言っておきますが、この緊急事態管理人は州知事個人の判断によって選ばれるだけで、選挙によって選ばれるわけではありません。それなのに、自治体の資産の売却にせよ、公務員の解雇にせよ、公共サービスの民営化にせよ、この緊急事態管理人の判断一つで動かすことができるようになったのです。ちなみに、デトロイトの緊急事態管理人のオア氏は、退職後の市職員の年金基金が購入している市債の価値を1/100に切り下げる案を提起し、緊急事態管理人の権限で実行に移そうとしています。これが「民主主義」国家であるアメリカの実態です。

 「財政赤字」を理由として「非効率」な公共サービスを民営化した方がいいと言って、公共サービスを民間企業の優良な投資案件として提供しつつ解体していったのがデトロイトの姿です。全体としての公益性を考慮しないで進めていったこのようなあり方が、「民間活力の活用」の真の姿なのだということを、私たちは見据えておくべきではないかと思います。

 コンセッション方式だのPFIだのPPPだの、聞き慣れない新しい言葉が飛び交い、さも時代の最先端を走る新しいビジネススタイルのような感じを醸し出していますが、これらは公共性を考えない民間企業によって、公共サービスが食い物にされてしまうというのが、その本質だと思った方がよいのではないかと思います。このことが、今回のデトロイトの破綻によって明確にされたのではないでしょうか。

 こんな公共サービス解体モデルがアメリカの最先端ではやっているからといって、日本が真似する必要など微塵もないと思われる方は、ブログランキングへの投票をお願いいたします。


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コメント

1. 無題

こんな犯罪まみれの国家の何を学ぶのかがよくわかりませんね。日本人でアメリカに留学した人や、永く住んでいた人には、日本人に『どれだけアメリカがクソか』を語る義務があります。自虐史観から『日本の方が遥かに素晴らしい国だ。アメリカファ○ク』と素直に言えないんですよね。本当にこのアメリカ押しの風潮止めて欲しいです。ビルゲイツ?スティーブジョブズ?
なんで、アメリカ人のハゲたちだけが『凄い人』みたいな扱いになる意味がわかりません。

2. Re:無題

>宝船さん
フレンドリーに接してもらった個人的な体験の方が、社会全体で何が起こっているかよりも、意味が大きいということなんでしょうね。アメリカに対する批判がアメリカで仲良くしてもらった友だちの批判に重なるように感じられてしまう心理というものもあるのだろうと思います。教えてもらったことを素直に信じてしまうということも普通にあることだと思います。人間の心理は真実をゆがめて捉えるようにできているんだろうと思います。

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