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「失われた20年」の激変ぶりを見失うな!


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 我が国ではこの間の20年間を失われた20年と呼んでいるわけですが、この20年とは実際にはどのような時代だったのでしょうか。

 パソコンが急激に普及するとともに、インターネットを通じてパソコン同士がつながる時代になりました。銀塩フィルムのカメラがデジカメにとってかわられ、カメラ屋に出掛けなくても自宅のプリンタからきれいな写真を出力できるようにもなりました。携帯電話が爆発的に普及し、携帯でインターネットを見られることすら当たり前になりました。さらにはカメラ機能が搭載されただけでなく、動画すら撮ることができるようになり、撮った写真や動画を他の人のもとに送ることさえできるようになりました。そして携帯はさらに進化して、スマホが広がる時代になっています。そして昨今は3Dプリンターなるものまで考案されるようになり、物づくりに新たな世界が広がろうとしています。郊外型の大規模店舗が急速に広がるとともに、インターネットを中心として通販が普及して、買い物行動にも大きな影響が出ています。それは、生活の中での人間行動自体にまで大きな変化が生まれたことを意味するはずです。

 私が何が言いたいかというと、この20年は動きのない20年などではなかったということです。めまぐるしく変化した20年だったわけです。この間、確かに日本は経済規模ではほとんど成長していないわけですが、それは生活を根底から変化させてしまうような画期的なイノベーションが生まれなかったからでは断じてないのです。

 この20年間、今までの社会のあり方を「既得権益」の一言で潰していくことを私たちはやり続けてきました。例えば、大規模店舗の出店規制をなくすことで、消費者の選択肢が広がることが強調されました。その結果、地域の商店街はすっかりと廃れて、シャッター街になりました。

 もっとも、これは時代の変化であり、仕方がなかったと考える立場もあるでしょう。確かに、地域経済に大きな痛みを与えることになったとしても、日本経済全体にとってはプラスであったならば、やむを得ない変化として受け入れるべきかもしれません。しかしながら、実態を見るならば、ここまで痛みを伴う大きな変化が日本の経済成長にさえ全くつながっていなかったわけです。

 それどころか、そうした劇的な改革によって、伝統的な日本のあり方を支えてきた様々な仕組みが解体され、却って日本としての強みを失うことにさえつながっているように思います。キャッシュがなくても企業買収のできる三角合併を認めることで、外資が株価の低迷している日本企業をやすやすと買収できる道を開いたり、従業員の首切りを容易にすることで、社員の一体感や会社への忠誠心を失わせることもやってきました。つまり、安定性がどんどんと不安定性にとって代わられる施策を打ち続けてきたのがこの20年間であり、日本の力がこの間に落ちていったのは必然だともいえるわけです。

 こういう事実に気付いた時に、産業競争力会議などで話されている「成長戦略」なるものに、ろくに期待など向けるものではないことがより一層明確になるのではないでしょうか。彼らの認識は、時代の流れに逆らって改革を阻止しようとする抵抗勢力が強いために、必要な構造改革が遅々として進んでいないというものでしょうが、これが現実を反映している認識だとは、私にはとても思えません。何せ現実を見れば、恐ろしいほどの勢いで恐ろしいほどの規模で、人間の生活のあり方を大きく変容させるだけの変化が押し寄せてきたわけですから。従って、今以上に社会をドラスティックに壊していけば、日本の強みはさらに一段と失われていくことの方が必然だと思うわけです。我々は「規制改革病」とか「成長戦略病」から抜け出すべき時に来ています。

 こうした一般に埋もれやすい意見こそしっかり拾い上げて世の中に広げていくのがマスコミの社会的使命であるはずなのに、主流になっている意見しかマスコミが採り上げようとしないのは、この日本での悲しむべき現実です。マスコミに良識を求めるのは無駄なのでしょうか。悲しい世の中だと思います。


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コメント

1. なるほど

この記事に書かれているようなことは個別の事象としては何となく知っていてもこうやって整理されてみると本当になるほど、目から鱗です。
イノベーションは生まれていないどころかますますスピードを上げていますよね。
にも関わらずなんとなく「成長にはイノベーションが不可欠」というスローガンがまかり通ってしまうのは人はどうしても観念論やイメージにとらわれやすいということなんでしょうね。

2. Re:なるほど

>名前はまだないさん
「目から鱗」だと褒めていただいて、とても嬉しいです。ありがとうございました。

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