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消費税増税は絶対にやってはならない!


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 内閣府と財務省は、1997年に消費税率を3%から5%に引き上げた後の深刻な不況は「増税が主因ではなかった」と分析した資料を、22日の公明党の会議で配ったとの報道を、朝日新聞で見つけました。またこんな話が蒸し返されているのかと、怒りを覚えました。

 確かに平成9年(1997年)は、4月に消費税増税が行われただけでなく、7月にアジア通貨危機(タイバーツを初めとする、東アジア・東南アジア諸国における通貨暴落)があり、11月に国内金融危機(三洋証券、山一証券、北海道拓殖銀行の相次ぐ破綻)もありました。当時の景気の落ち込みを消費税増税だけのせいにするのは正しくないという議論は、一見ではそれなりにもっともそうにも思えます。

 しかしながら、例えば、四半期季節調整済み実質GDP統計で消費税増税後の住宅投資の変化を見てみると、前期比で平成9年(1997年)4~6月期が11.2%減7~9月期7.2%減10~12月期4.7%減平成10年(1998年)1~3月期が0.6%減となっており、消費税増税後の反動減が時間の経過とともに徐々に緩和していく自然な流れになっていて、7月のアジア通貨危機の発生の影響とか11月の国内金融危機の影響が如実に表れているとは全くいえないのです。

 11月の国内金融危機が発生してから金融機関の貸出態度が慎重になるのは当然のことで、実際貸出態度の指標となる貸出態度DIはどれを見てもこの時期から悪化していますが、しかしながら金融機関が貸出態度を慎重化させたから住宅投資が減ったのではなく、住宅投資の減少が発生した後に国内金融危機の発生を受けて貸出態度が悪化したという流れにしかなっていません。つまり、金融機関の貸出態度の悪化が住宅投資の減少を呼び込んだわけではないのです。

 さらにいえば、金融危機の落ち着きによって平成11年(1999年)半ばには貸出態度DIは急激に改善しているわけですが、しかしその後も住宅投資の回復は見られませんでした。平成13年(2001年)3月からは量的緩和政策が始まりましたので、住宅融資に向けられるお金はさらに潤沢になったはずですが、その後も住宅投資は回復していないわけです。



 平成13年以降も住宅投資が回復していないのは、2%分の消費税増税によって、5~6兆円ほどの民間最終消費需要を税金が奪っていった影響が大きいからです。四輪自動車の国内販売台数においても、同じ傾向がはっきりと見て取れます。



 需要不足によってデフレが生まれている中で、さらに国民の消費需要を8~9兆円ほど奪い去る消費増税を実施して、経済がまともであるはずがありません。今回の消費税増税がさらなる苦しみを日本経済に与えるのは確実ですが、内閣府と財務省は今度は中国バブルがはじけたためだという強弁を行うつもりなんでしょうか。

 消費税増税の話が出ると、その反動減ばかりが強調されますが、実際にはその数年後から本格化する長期的影響の方がずっと問題です。国民は思ったほど貯金ができていないといった現実に気がつく中で徐々に生活態度を変えていくのであって、消費税増税の本格的な影響は長期的なものだと考えるべきです。そして実際、毎年国民の消費需要をそれだけ奪っていくわけですから、短期的な影響だけですむわけがないのです。従って、バブルに酔いしれているような景気の過熱状況を冷ます場合には消費税増税は政策的な選択肢になりえるでしょうが、需要不足が明らかな時に、需要不足を加速させるような消費増税を行うなど、まさに論外だといえます。今考えるべきはむしろ消費税減税の方でしょう。

 内閣府と財務省が何と言おうとも、消費税増税は断固として避けなければならないという意見にご賛同いただける方は、ブログランキングへの投票をお願いいたします。


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PS 昨今はこういう内政に関わる事項に対して、マスコミが元号を使わなくなっているのが非常に気になります。無駄な抵抗かもしれませんが、敢えて元号を使ってブログを書いています。


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※今回の記事には Turedure Keizai の記事とグラフを参考にさせていただきました。
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コメント

1. 消費税

はじめまして。経済ど素人の者です。

一つ疑問に思ったのですが、1990年代と現在では
日本にある全ての富(国、企業、個人)はどのように
変化しているのでしょうか?

日本はずっと経常黒字だったと思うのですが、もしそうで
あれば1990年代よりは今の方が日本全体の富が増えて
いると思います。それで国の借金が増えているという事は
その分企業や個人の富が増えているという事になります。

しかし公務員の給与を減らそうとすると優秀な人間が来なく
なると言い訳を言われ、年寄りの負担を増やそうとすれば
選挙で不利になるぞと言われ、富裕層の所得税や企業の
税金を増やそうとすれば海外に逃げるぞと脅され、結局発言力の
弱い庶民が犠牲になっているという認識で宜しいでしょうか?

そもそも何で消費税なんですかね? 日本は借金が沢山ある、
それを返済するには消費税増税以外には方法がない、と
誘導されてしまっていますよね。

若者世代、低所得者層が選挙に影響を与えられるぐらいの
組織が出来れば変わるのかもしれませんが、そうでなければ
増税を受け入れるしかないのでしょうか。

2. Re:消費税

>ど素人さん
「ど素人」を名乗りながら、経済の見方がしっかりされているのに驚きました。
疑問にもたれていることに沿った内容に関して、グラフとして比較的わかりやすくまとめられているものはないかと捜してみました。
民間非金融法人企業の現金・預金残高推移
http://www.03trade.com/mailmaga/timelyhit/img/th_120713_01_01.gif
日本の家計(個人)・正味金融資産残高
http://img5.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/30/eb/yada7215/folder/1739728/img_1739728_65953481_0
対外純資産残高推移
http://blog-imgs-56.fc2.com/s/t/o/stockbondcurrency/20130330180519dc5.gif
一般政府負債残高推移
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/Takemura091013.JPG
全体概略1
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/shavetail1/20121012/20121012194430.jpg
全体概略2
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/masa_cbl/20130511/20130511220534.png

3. Re:Re:消費税

>ど素人さん
(続きです)
お金の貸し借りは、貸している金額と借りている金額は常に等しいはずですね。高度経済成長期は個人が貯めた貯金は企業が設備投資で全部使ってくれていたので、政府の借金はなかったわけです。単純に書けば、個人がプラス、企業がマイナス、政府がプラマイゼロという感じです。
現在はデフレ不況下にあって、企業が設備投資をしようとしないですから、むしろ借金をどんどん減らす状況にあります。上場企業の半数以上が事実上無借金経営だというのは、さすがに設備投資をやらなさすぎだと思いますが、デフレ不況下ではやむでしょう。ともあれ、借金を減らせばその分貯金をしたのと同じですから、個人がプラス、企業もプラスという状態になり、結果的には政府が大きなマイナスにならないとバランスがとれない状態になっています。これが、政府債務の増大につながっています。
このマクロ環境に目を向ければ、企業が積極的にマイナスになるような政策こそが最も大切な政策だということがわかります。行動経済成長期と同じように企業が設備投資をやりたくなる環境ということですが、需要不足のデフレ不況下では民間の設備投資が勝手に盛り上がることはありませんから、需要の創出を政府が自ら作り出すことがどうしても必要になります。
マクロでみればこの点は明らかですが、政府の赤字だけを見れば、赤字を減らすには収入を増やして支出を減らすのがよいと単純に考えるのはわかりやすいですね。それで収入の増やし方の一つとして消費税がでてくるわけですが、これをやってしまうとマクロ的にはバランスがかえって悪くなります。すなわち、民間需要をさらに減退させて需要不足がさらに深刻になり、企業の設備投資意欲をさらに減退させてしまうからです。
マクロバランスの視点に切り替えることができるかできないかで、状況は大きく変わると思っています。

4. Re:

朝香様
詳しい説明ありがとうございました。
消費増税点検会合がはじまったようですが、もう増税はほぼ決定で、
あとは3%上げるか1%ずつ上げるかが議論されているようですね。
この会合も国民を納得させる為の誘導なんでしょうか。

5. Re:Re:

>ど素人さん
「いろんな立場の方々の意見を聞いて決めました」というポーズのために開かれているものだと捉えるのが、常識的な見方になるだろうと思っています。ところで本気で財政赤字を心配しているなら、高額所得者の税率はもっと引き上げるべきでしょうし、法人税率もむしろ引き上げるべきでしょう。それで逃げて行く個人・法人なら、逃げていってもらえばよいと思います。国民や法人企業にはその分「えこひいき」に見えるくらいの政策を展開するというのが、むしろものの道理に適った道だと考えています。(脱線しました。すみません。)

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