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青山繁晴氏の安倍総理擁護発言は間違っている!


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 先週水曜日(平成25年10月2日)のニュースアンカーを、遅ればせながら確認しました。この番組の中で青山繁晴氏は、平成9年(1997年)の消費税の3%から5%への増税によって日本がデフレ不況に入ったとするのは事実に反すると安倍総理は考えておられて、その考えに青山氏も同意すると話されていました。そして、海外の経済学者、特に日本経済を分析している経済学者はみなこの考えで一致していると話されていました。

 本当でしょうか。ノーベル経済学賞を受賞しているポール・クルーグマンは、「そして日本経済が世界の希望になる」(原題 The World Looks to Japan's Economy Again)の中で、これとは真逆のことを書いています。一部を引用します。

 「日本に対してIMFやOECDはしきりに消費増税の実施を要求しているが、いったい何を考えているのか、私には理解できない。日本人ならみな知っているように、日本は消費増税にトライし、失敗している。かつて ”1997” という映画があったではないか。私の記憶が間違っていなければ、そのストーリーは消費税を3%から5%に引き上げたら、それが「1998年リセッション」の引き金になった、というものだったはずだ。…(中略)…「OECDのアドバイスは無視すべき」。これが、日本に対する私のアドバイスだ。」

 クルーグマンに限らず、やはりノーベル経済学賞を受賞しているジョセフ・スティグリッツも、次期FRB議長候補として一時期取りあげられたローレンス・サマーズも、クリントン政権下で大統領経済諮問委員会委員長を務めたローラ・タイソンも、世界大恐慌の研究で世界の第一人者であるクリスティナ・ローマーも、この点に関してはクルーグマンと同じ見解でしょう。青山氏は安倍政権に傷をつけたくないとの思いから、事実とは違うことを言っていると言わざるをえません。

 そしてもし、安倍総理の耳にこうした世界的な経済学者たちの言っていることがほとんど入っていないというのであれば、安倍総理が活用しているインテリジェンスの精度にはかなり大きな疑問符がつくことになります。

 そもそも、世界中の緊縮財政を主導してきたIMFが、1年ほど前から自らが提唱してきた緊縮策が間違っていたと、公式に認めるようになっています。
IMFが緊縮策の誤りを認めたことを伝えるロイターの記事
IMFが緊縮策の誤りを認めたことを伝える朝日新聞の記事

 ではどのような政策を行うことで、この財政問題の解決ができるでしょうか。クルーグマンは次のように書いています。

 「イギリスの場合、(第二次世界大戦直後の)GDP比200%を越える借金が、1970年代には50%にまで下がった。イギリスは何をやったのか。彼らは決して借金を返済しようとはしなかった。穏やかなインフレと経済成長を両立させながら、少しずつ均衡策を実施していったのだ。即ち、年率で名目GDPは約7パーセント、実質GDPは約3パーセント、そしてインフレ率は約4パーセントほどの上昇を継続させた。ここに日本が参考にすべき手法がある。4パーセントのインフレ率がベストであることはいうまでもないが、2%のインフレ目標を達成し、そこで財政赤字がかなり減少するならば、たとえ借金が完済されることはなくとも、一定の割合で減っていくのは間違いない。名目金利が物価上昇率を下回る実質マイナス金利の状態になれば、様々な政策を打ち出せる可能性が生じてくる。」

 要するに、借金の返済など考えずに、名目で高い経済成長を実現させていけば、政府債務は対GDP比で自ずと下がっていくものだと考えているわけです。そしてこうした手法は歴史的にも効果が確認された、極めて真っ当な経済政策であると、私も思います。

 なお、青山繁晴氏は、消費税の増税を行わないと、中国・韓国からの、「日本は財政再建に後ろ向きの国だ」とするプロパガンダ攻勢が激しくなって、国債の利率が急上昇することにつながるので、それを避けるために行ったのだという、珍妙な説を解説されていました。私が珍妙だというのは、中国や韓国は日本の経済成長率が上がることの方に危機意識を持つはずで、消費税増税によって日本の総需要が減退して経済成長が抑制される事態は、むしろ彼らにとって喜ばしいからです。私には白を黒と言いくるめるような議論にしか感じられませんでした。

 いずれにせよ、私たちは安倍政権に幻想を持つことなく、おかしな政策にはノーを突きつけていくべきだと考えます。


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コメント

1. メタハイの予算頼むよ

朝香様。お疲れ様です。
青山の言いたいことはつまり

「メタハイに予算頼むよ安倍ちゃん」

これだけです。

以上

2. 同感です。

朝香豊様

いつもありがとうございます。

私も青山さんの発言に違和感を感じていましたので、
とても同意します。

拙ブログでは、安倍総理の目指す「所得税減税」について書きました。

●安倍総理が目指す「所得税減税」の行先は、
 竹中平蔵氏が目指す「人頭税」のことか??
http://kopiruakkun.blog.fc2.com/blog-entry-3914.html

3. Re:メタハイの予算頼むよ

>maomasamaoさん
青山さんは経済に関してはかなりとんちんかんなことを口にされることが多く、この分野はあまり理解されていないのでしょうね。メタハイも関係あるかもしれませんね。

4. Re:同感です。

>のびーさん
こちらこそ、いつもありがとうございます。
安倍総理の考える所得税減税は、のびーさんが考えられている通り、金持ち優遇系のもので間違いないでしょう。金持ち優遇にすることで、日本に投資しようという外国人投資家が集まってくると、彼は考えていますもんね。

5. 無題

安倍の政策を支持してるのか、安倍を支持してるのかをハッキリさせてほしいですね青山も。

まあ、後者なんでしょうが。保守ぽい人も青山系が多いです。『とにかく安倍さんを支持する』みたいな。気持ち悪い。
悪いことしたらキチンと『安倍ふざけんな!』と発言できるように日本人もなっていくべきだと思います。


信頼してる人物を易々否定するのは日本人のメンタルとしては不潔なのかもしれませんが、デジタルでいいと思います。

6. Re:Re:同感です。

>朝香豊さん

お返事ありがとうございます。

本日(2013/10/08)の『三橋貴明の「新」日本経済新聞』の記事で、
藤井聡先生が解説されてます。

こちら↓
〇【藤井聡】新自由主義は「消費税増税+法人税減税」を望む
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/10/08/fujii-58/

ご参考まで

7. 経済に関しては・・・。

このエントリーにも激しく同意いたします。
私もこの消費税増税の件は疑問を持ちました。

「日本の金融機関にも中韓の手が入っている」「自民党内にも足を引っ張る人間がいる」と仰っていますが、どういう理由があっても消費税増税は正当化できないと思います。

青山繁晴さんは、まさに身を削りながら行動しているので、とても尊敬していますし、参考にもしています。
ですが、経済に関する話には時々疑問を感じます。
中韓だろうが、何だろうが、日本国債の暴落させること等はできないと思います。「日銀が買って終わり」ではないでしょうか?

“良い影響力”も大きい方だけに、少し残念といいますか、困るといいますか・・・。

8. Re:無題

>大国男児さん
いい指摘ですね。経済問題は些末な問題だとして不当に小さく見ているのか、あるいは安倍総理個人を支持している感じがします。
安倍政権の「新自由主義+グローバリズム」の性質が明らかになった以上、幻想を見るべきではありませんよね。
安倍氏の本質が小泉氏と大差ないということに気付かない人たちが多いのは、本当に困ったものです。

9. Re:Re:Re:同感です。

>のびーさん
本当ですね。まさにタイミングよく藤井先生が解説されていますね!

10. Re:経済に関しては・・・。

>みさか明さん
青山氏は経済については恐らくよくわかっておられないのでしょうね。小泉政権期に竹中平蔵が進めた「不良債権」処理の加速化なんて、私にはとても支持できるものではありませんでしたが、青山氏はこれも高く評価していましたし。直観的に、経済が危機的状況に陥っている時に、「身を切る改革」とかってろくなことにはならないくらいは、感じられるようになってもらいたいものです。

11. 誤解じゃないですか?

青山さんは、安倍総理の考え方を解説しているだけで、ご自身は決して現在の消費税増税に賛成はしていません。ただ増税と決まった以上、ただ否定していても日本の利益にはならないので、考え方を解説しているだけでしょう。

それから今の政権が竹中平蔵氏の考え方を取り入れることには反対していたと思いますけど?

青山さんの思いが誤解されているのは非常に残念です。

メタンハイドレートうんぬんとおっしゃっている方は、メタはいには2種類あることをご存知なんでしょうか?

12. Re:誤解じゃないですか?

>カーチャさん
確かに青山氏はご自身は消費税増税に賛成の立場ではないとおっしゃっていましたね。しかし、前回の消費税増税が長期のデフレ不況の原因ではないということは、単に安倍総理がそう思っているということだけではなく、珍妙な「証拠」なるものまで持ち出した上で事実だと言っていたわけではないですか。そして、経済学者ならみな一致しているともおっしゃってもいましたよね。つまり視聴者には、専門の経済学の立場では争うことのない事実であるが、世間は素人考えで誤解した解説を信じているだけだという誘導を行っていたとは思いませんか。
ですから私は、クルーグマンの書いたものをそのまま引用して、クルーグマンは世界的に著名な経済学者だがどうなんだよと問いただしたわけです。そしてクルーグマンは例外だという言い訳を成り立たせないために、同様の考え方をしている著名な経済学者を列挙した上で、事実に反した安倍総理の擁護ではないのかと言ったわけです。これでも青山氏を私は誤解しているのでしょうか。
メタンハイドレートに関しては、春頃に、政府調査によって日本海側は有望ではないとの調査結果が出されましたが、なぜか青山氏はこれに対して小さな反論さえすることをしませんでした。ですので、いわゆる保守層の人たちの中にもこの調査結果は大きなニュースとしては受け止められていないと思いますが、従来の青山氏の動きからするとこれは不思議な行動だと思います。
青山氏が心の底で何を考えているのかはわかりません。ご自身のメタンハイドレート事業との絡みで、現政権に心理的な反発を受けたくないとの思いがあるからかもしれませんし、安倍政権に対する保守層の攻撃が生まれないようにしようという配慮からかもしれません。そのいずれでもないかもしれません。とにかくこの件に関しては、従来の青山氏とは異なった姿勢を見せていることについては、私自身も不思議に思っていた部分もあることを、一応付け加えておきます。
なお、以上の論の進め方でご理解いただけると思いますが、私は青山氏を全否定している立場ではありません。事実に基づかない安倍総理の擁護は間違っていると言っているだけです。そしてこのような間違った青山氏の解説は経済分野においてはしばしば見られ、これを従来から気にしてきたことを付け加えておきます。

13. 無題

独り言ですが

これだけ政治が腐敗していて、日本解体工作をガンガンされているのに、一般市民の殆どは『アマちゃんがー』『半澤がー』と花畑に花を咲かせている状態ですよね。本当に気持ち悪いです。クレイジー過ぎて吐きそうです。

14. Re:無題

>フナミさん
この現状を嫌ってみても、この現状から進まないと日本を変えることはできないわけですから、何とか多くの人に現状を理解してもらえるように力を尽くしていきたいと思っています。
今後とも、よろしくお願いいたします。

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