記事一覧

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ロボット競技会トップの東大発ベンチャーの裏事情を見逃すな!


政治 ブログランキングへ

 DARPA(米国防高等研究計画局 )の主催で開催された災害救助ロボット競技会『DARPA Robotics Challenge TRIALS 2013』で、日本からの参加チーム『SCHAFT』が予選をダントツのトップで通過したとのニュースがありました。そのこと自体は嬉しいニュースではありましたが、しかしながら手放しでは喜べないところがあります。

 スポニチは次のように報じています。(記事の一部のみを抜粋)

 米フロリダ州で21日まで開かれた災害対応ロボットの競技会の予選で、日本の東大発ベンチャーが開発した「SCHAFT(シャフト)」が参加16チーム中で得点トップとなり、来年末に開かれる決勝戦への進出を決めた。(中略)開発したベンチャーはインターネット検索大手グーグルに買収された。
「スポニチ」の記事

 なぜこのベンチャーは東大を飛び出し、さらに米企業のグーグルに身売りすることを考えたのでしょうか。どこかに理由が書かれていないかとネット上を探っていましたら、Wired News にこの謎の答が示されていました。記事の一部を抜粋します。

 DARPAの競技会開催の発表があった1カ月後、SCHAFTが設立された。当時、東京大学大学院情報理工学研究科・情報システム工学研究室で助教としてロボットの研究をしていた中西と浦田順一は、助教の任期満了が迫っていることや持続的にロボットをつくり続けるための研究資金を得るのが難しいことから、ロボットを開発するためのヴェンチャー企業を立ち上げようとかねてより考えていた。そんなときに競技会の開催を知り、参加するために助教を辞任、中西が最高経営責任者(CEO)、浦田が最高技術責任者(CTO)となり12年5月にSCHAFTを設立した。
 ただ、競技会には参加するものの技術流出の懸念から、当初は開発資金をDARPAから得ずに、自ら資金を調達してロボット本体とソフトウェアをつくるコースに参加しようと考えていた。ところが、資金調達は思うようにいかなかった。

「Wired News」の記事

 この記事の中で「助教」と書かれているのは、「助教授」ではなく、一昔前の「助手」のことです。助教=助手としての任期が満了してしまうと収入を失うことになることから、彼らは新たな進路を模索しなければならなくなっていたのでしょう。もちろん、任期満了とともに従来自分たちが進めてきた研究も途絶することになります。これもまた、彼らには重い問題だったと思います。DARPAの競技会で優秀な成績を収めれば研究費にできる賞金をもらえることに期待をかけて、彼らは大学から離脱してSCHAFTを立ち上げたということなのでしょう。ところが実際にSCHAFTを立ち上げてみると、日本のベンチャーキャピタルからはどこからも資金を得られず、米国への技術流出のことなど気にしていられなくなり、DARPAから資金提供を受ける道に変更し、さらにはグーグルに身売りするようなことにもなってしまったわけです。

 世界的なコンテストにおいてぶっちぎりの第一位となったことからわかるように、彼らは世界の中でも超一流の頭脳です。しかしながら、日本国内においては、身分不安定な助教から安定した准教授などになれるかもわからない立場にあり、研究費自体も不足していました。そうした環境の中で大学の研究者としてやっていくことの限界を感じ、ベンチャーを立ち上げたものの、独立したベンチャーとしてやっていくことも社会的にはきわめて難しい現実が立ちはだかっていたのでしょう。

 私たちが忘れてはならないのは、今回明らかになったのはまさに氷山の一角なのであって、同じような境遇の中でその才能を活かしきれずに終わってしまっている優秀な日本人研究者・元研究者は無数にいるであろうということです。

 財政赤字に対する過度の恐怖心から、これ以上削れないほどにまで研究費が削減され、研究者がとても安心して研究ができるとはいえない環境を作り出してしまいました。そしてこれは、長期的には間違いなく日本の科学技術力と国際競争力の大幅な低下につながっているはずです。

 外国人研究者・留学生に対する優遇処置を見るにつけ、なぜ日本という国は外国人に対してここまでやさしく、日本人に対してここまで冷たくなれるのかと感じます。留学生に授業料全額免除+生活費の支給+渡航費用の負担まで行うなら、日本の学生に対してもそのくらいの制度は最低用意すべきでしょう。

 日本政府は日本人研究者・学生への冷遇処置をやめるべきだという意見にご賛同頂ける方は、ブログランキングへの投票をお願いいたします。


政治 ブログランキングへ
スポンサーサイト

コメント

1. 無題

Google、apple等アメリカ多国籍企業が最先端技術を開発出来てしまう背景が伺い知れます。
今回指摘の通り、日本の研究者を保護、援助したりする仕組みはデフレに苦しむ日本だからこそ、なおさら努めるべきだと思いました。たしかに留学生支援、外国から優秀な技術者を招聘する話ばかり出ているので、今回エントリーに賛同致します。
また安倍政権は外国から日本に投資を呼び込みたいと言いますが、供給過剰にするだけで、需要創出に努めるべきだと思います!
経済産業省なのか、財界なのか、未だにインフレ、デフレと需要、供給がごちゃごちゃになっている様な気がしてなりません。
政治問題には皆さんコメントしてますが、経済問題にはコメントしないのは、不思議な感じがします。

2. Re:無題

>グラースさん
日本のまじめで優秀な研究者が安心して研究できる環境を整えることがものすごく大切だということが、なんでわからないのかって思います。需要が創出されることで経済成長が促され、政府債務の対GDP比は確実に低下するのに、需要創出を禁じ手にしている政策は、ばかばかしい限りです。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

朝香豊AY

Author:朝香豊AY
FC2ブログへようこそ!

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。