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安倍総理の靖国参拝は是か非か


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 安倍総理が昨日靖国神社を参拝されたことに関して、保守派の方々は総じて熱烈な支持を表明されていますが、私は正直言えば、心から喜べる状況とは言いがたい思いを持ちました。

 日本版NSCとも呼ばれる国家安全保障会議の設置、またこれを機能させるのに欠かせない特定秘密保護法の制定といった一連の動きについては、日本国内のみならず海外においても右傾化を象徴するものだという論調がきびしく存在します。こうした「右傾化」は、中国による強烈なプロパガンダによって作り上げられたイメージにすぎないともいえますが、しかしながら、アメリカ人もヨーロッパ人もこうしたイメージに従う形で安倍政権を見ている可能性が高いというのは、無視できない現実ではないでしょうか。米政府首脳のなかにさえ、安倍総理のことを過去の戦争を正当化する国粋主義者だと警戒感を持っている人は、少なからずいるわけです。実際、事前に通告したアメリカ側からは「日米関係を害する」と反対されたことが、報道により明らかにされています。

 だからといって一切参拝するなと単純に主張するつもりはないです。しかしながら、中韓による巧みな情報戦によってこうした懸念が世界的に広がっているということに関して、安倍内閣はその疑念の払拭にどこまでエネルギーをかけてこられたでしょうか。はっきり言って全くやってこなかったと言っても過言ではないでしょう。

 敗戦によってGHQから禁止された靖国神社への参拝が、未だ米軍占領下にあった昭和26年10月18日にすでに許され、当時の吉田茂首相によって行われていたことを、安倍政権は何度説明をされたでしょうか。昭和27年には戦犯赦免要求の国民運動が広がって4000万人にも及ぶ日本国民の署名が集まり、翌昭和28年には「戦犯」とされた者を赦免し、名誉を回復させる「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」が社会党を含めて圧倒的多数で可決されたこと、またこうした運動の高まりを背景に政府が戦犯赦免を各国政府に要請し了解を得たことを、安倍政権は何度説明をされたでしょうか。

 こうした日本国内の動きに対して、当時の中国の毛沢東体制は何も問題にすることはありませんでした。例えば、昭和31年に毛沢東「過去のことは一切忘れよう。将来のこと、現在のことを考えよう。みなさんを友にしなければ不幸だ。日本は大国であるから学びたい。日本が戦後に果たした役割に感謝し、今後もより大きく、大きく果たすよう望んでいる。」と発言しています。周恩来「政府は人民に対して他国を敵視せず恨まないよう、また、日本人民には友好的であるように教育宣伝している。中国は他国を仇敵視せず、中日友好は他国を排斥しない。」と述べています。つまり、当時は靖国神社への首相の参拝にも、「戦犯」への名誉回復にも、中国は一切抗議することさえなく、過去を全て水に流すという立場に立っていたわけです。中国政府が靖国神社への首相の参拝を突然問題視し始めたのは昭和60年になってからのことであり、日中平和友好条約が締結されてから12年も経過してからのことです。平和条約を締結した後でそれ以前から日本では慣行として継続してきたことをことさら重大な問題かのように持ち出すこと自体が非常識で不見識なものですが、こうした話を安倍政権は何度説明されたでしょうか。

 こうした世界に向けてなすべき説明が、いずれにしても皆無なわけです。日本の政治家ですら、こうした歴史的経緯が頭に入っている人がほとんどいない状況にありますから、外国の政治家や文化人でこのような歴史的経緯がわかっている人などいるはずもないでしょう。仮にこのような正しい歴史的事実がしっかりと頭の中に入ってきたとすれば、日本の首相が靖国神社を参拝したところで、余計な反発や心配を引き起こすようなことなど考えなくてもよくなるでしょう。だとすれば、こうした正しい情報が広がるように、安倍政権は最大限の努力を支払うべきだったのではないでしょうか。

 さらに、首相が単独で靖国神社に参拝するのではなく、インドとかフィリピンとかベトナムとかの首脳と一緒に参拝するようなやり方を選択し、靖国参拝においてうるさいことを言っているのはアジアの中でも一部の国に過ぎないことを示していくようなやり方も模索すべきだったのではないかとも思います。仕掛けられている情報戦争に的確な反撃を行わずに、靖国参拝という最終的な形にだけこだわった今回の首相の行動には、私は賛同できません。

 特定秘密保護法にしても、マスコミがどれほどねじ曲げたプロパガンダを仕掛けてくるかは事前に十分想像ができたであろうに、どれだけ必要な説明を行ったでしょうか。明らかに不足していましたよね。南スーダンでのPKO活動での韓国兵への弾丸供与についても、どれだけ真剣に疑念の払拭を行ったでしょうか。これもやっていないに等しいですよね。なぜ我が国の政府は、的確な説明をしっかりと行うということをこれほど軽視するのか、さっぱり理解できません。こういう点では中国政府や韓国政府のやり口からもっともっと学ぶべきだと思います。

 最終的な行動をとる前に、事前の情報戦を手抜かりなく徹底的に進めておくべきだという意見にご賛同頂ける方は、ブログランキングへの投票をお願いいたします。


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コメント

1. まさに“我が意を得たり”

日本のマスメディアは騒ぎ過ぎだし、“あの2国”は言わずもがな。
とは言え、「安倍総理はよくやってくれた!」とも私は思えませんでした。

「(その言動に)正当性があるかどうか」ではなく、「この件に対して、あまり関心の無い日本の人や他の国の多くの人々がどう感じるか」が最も重要で、「正しいことを行うにしても、周到な準備(広報・周知活動)が不可欠だ」と思っていたからです。
その点で、この記事はまさに“我が意を得たり”という感じです。

「他のアジア諸国の首脳と一緒に参拝する」
なるほど!とてもいい案ですね!
この記事を安倍総理と側近の方々に読んで欲しいです。

2. Re:まさに“我が意を得たり”

>みさか明さん
ご評価、ありがとうございます。
中韓はもちろんのこと、米国・欧州からもユダや社会からも非難を受けている現実を、リアリティに即して理解すべきですよね。非難を受けてから「説明していく」って、順番が明らかにおかしいってことに気付いてもらいたいです。
この件では「ドイツの首相がヒットラーの墓参りに行ったら、他の国はどう思うのか」というヨーロッパでは普通に見られている話を紹介した春香クリスティーンさんのブログが炎上しているそうですが、そこまで中国のプロパガンダが進んでいることにさえ気がつかないまま、彼女を批判するのは、相当な筋違いだとも思います。(中国のプロパガンダのせいというよりも、日本が自国を理解してもらうための努力をまったくやってこなかったツケだと考えた方がよいかもしれませんが。)

3. 無題

最近は安倍とマスコミはグルなんじゃないかと思わざる負えません。

しかし、東京裁判の様子がフルでYouTubeに上げられていて驚きました。これは日本国民に見せるべきだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=1vwFXaoYSPQ&sns=em

4. Re:無題

>大国男児さん
東京裁判の動画のご紹介、ありがとうございました。4時間以上の力作ですね。私もおいおい見させていただこうと思います。

5. 無題

毛沢東、周恩来の話はいいですね!対外的に周知に日本政府は努めるべきですね!
中国、韓国のご都合主義ぶりがはっきりしますね。
産経新聞以外の朝日新聞、毎日新聞、読売新聞等の報道ぶりの酷さ加減も今回浮き彫りにされました。
私は基本的には靖国参拝は好意的に評価していますが、安倍信者保守の様な感じにはなれないですね。彼らは単純素朴すぎて異様に恐ろしさを覚えます。
中国、韓国にはいくら広報周知してもおそらく無駄なんでしょうか?
欧米諸国も異様に第二次大戦の戦勝国意識が高過ぎて、日本に理解を示さないのかと思うと暗澹たる気持ちになります。

6. Re:無題

>グラースさん
毛沢東がどう言っていたかといったことを、中国にもしっかりと示し、中国政府がご都合主義としてこの問題を取り上げているだけだということを中国人民に知らせていくことも、意味のあるところです。
欧米含めて諸外国の理解を得るためには、日本独特の死生観についても丁寧に解説することが必要なんだろうと思います。

7. 私も同感です

各国外交官が遊就館を見て中国側に理解を示すようになったと富坂聰が言っていましたが、靖国がそういう誤解を受ける神社であることも問題です。
10人のうち6人の外国人が、ここは軍国主義崇拝の施設だと思うなら、施設側の問題なのです。
(分かりにくい難解な文章を書いておいて、これを理解出来ないほうが悪いというのはただの馬鹿です)
そういう神社に参拝して「平和を願って参拝した」と言っても口だけだと思われても仕方がありません。
海外にとやかく言われない追悼施設を作るべきです。
これも世界の理解と協調を得るための情報戦だと思います。

下記は天皇陛下のお言葉です。
アメリカの反対を押し切り参拝を強行した安倍総理の浅はかさとは大違いです。

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