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建設業の衰退について、政府は正直に国民に訴えよ!


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「外国人労働者、入国緩和 建設人材不足 「単純」解禁も浮上」とのニュースが、今朝の産経新聞朝刊に載りました。記事本文は以下です。

 政府は30日までに外国人労働者の国内への受け入れを大幅に規制緩和する方針を固めた。技能労働者の入国要件を緩和するほか、現在認めていない、特定の専門・技術分野を持たない単純労働者の入国も条件付きで可能とする方向。実現すれば外国人労働者の受け入れの大きな転換点となる。2020年の東京五輪の開催に向けた準備を視野に、まずは建設業界の人材不足に対応する措置について今年度中に結論を出す。(以下略)
産経新聞の記事

 確かに国内の建設現場では人材不足が深刻であるのは事実でしょう。東日本大震災の復興事業がなかなか進まないのも、建設業界の供給能力が足りなくなっている事態に陥っている側面も非常に大きいはずです。知り合いの建設業者に尋ねてみても、東北に人手や資材をとられてなかなか思ったように工事を受注できないという話が返ってきます。消費税増税前の駆け込み需要は一時的なものかもしれませんが、このため現在は特に業界としての逼迫感が強いようです。

 東北の復興がまだまだ続くことに加えて、東京オリンピックが控えていることを考えると、安閑とはしていられないということなのでしょう。

 しかしながら、政府は大型の自然災害に対処できないレベルにまで日本の建設業が縮小してしまったということについて、正面切って国民に訴えたことはあるでしょうか。今の建設の供給能力だと、メンテナンスを行うだけの力さえ不足する状態に陥っていることを、国民にしっかりと広報するという姿勢を見せたことはあるでしょうか。そういう姿勢を打ち出すと「土建政治家」のような的外れの非難を浴びるんじゃないかという恐れを抱いて、正直なことをきちんと語らないままにし、その辻褄合わせのために外国人労働力の受け入れを拡大させればいいという安直な流れができているように感じます。

 特に問題なのが、特別な技能を持たない単純建設労働者が日本にやってくる道を開くということの意味です。何らの技能を獲得することもしてこなかった人と、確かな技能を身につけてきた人との間には、一般的にモラルの観点でも大きな差があるのは当然です。個々人についていえば、そのような決めつけははなはだ失礼であるとは思いますが、集団としてみた場合には、その格差は意識すべきでしょう。外国の未熟練建設労働者が大量に入ってきて、犯罪などが何も起きないと考える方が不適切です。

 日本ではどこでどのような自然災害が発生するかはわからず、常にある程度以上の規模の建設業がそれぞれの地域に存在することが望ましいこと、現在はその水準よりもかなり小さいレベルにまで建設業界が小さくなってしまったこと、ましてや大規模な自然災害がひとたび発生した時に、それに対応することが実際に困難になっており、そのせいで東北の復興も遅れていることなどを、政府が正面切って国民に伝えるべきだと考えます。

 そうしたことを徹底的にやらないから、くだらない土建政治批判がなくならないのではないでしょうか。中田宏元横浜市長が国土強靭化法のことを「建設業者に仕事をいっぱい発注していくために、建設族の議員が政府に予算要求をしていくための根拠になる法律」だと揶揄するようなブログを書いていますが、同じような意識の方は政治家の中にも多いでしょうし、国民の中にも根強いものがあると思います。
中田宏氏のブログ記事

 こうした国民に広がった意識を変えて行くのに、「自然に任せる」というのは何の役にも立たないはずです。正面切って戦うことから逃げるべきではないですし、徹底的に戦えば必ず理解してもらえるものです。またこうした政府の姿勢の転換があれば建設業も長期的な見通しが立てられる状況となり、正社員の採用に本腰を入れてくれるでしょう。また、建設業の有望性を理解すれば、新卒の高校生や大学生の中にも建設業界を目指す人たちも増えるでしょう。外国人の受け入れについてはその後の話ではないでしょうか。少なくとも未熟練建設労働者の受け入れなどは言語道断だと思います。

 外国人労働者の受け入れを安易に拡大することを考える前に、政府は公共事業減らしが招いた現実について正直に国民に語るべきだという意見にご賛同いただける方は、ブログランキングへの投票をお願いいたします。


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 今年はこの記事で最後とさせていただきます。皆様もよい年をお迎え下さい。来年もまた、よろしくお願いいたします。


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コメント

1. 無題

今の日本をマクロで見ると需要(仕事)が無いと見れますが、土木関連は長年のマスゴミの影響もあり?供給が少ない状態ですね

国土強靭化で折角、安定的長期に日本の内需からのお仕事が出来るチャンスがあるのに、外国人を利用する方に行くとは・・・

自民党であり、安倍政権、アナウンスの不足にも当然不満はありますが、根本的な思想に問題があると私は見ており懸念しております

所謂リフレ派の意見として、ある程度仕方無い、というのを散見しましたが、施平蔵的と言いますかw日本人の大きな問題ですよね

・・・

今年も終わりますね

朝香さんのブログは私鼻毛がポチッとする数少ないブログでございます(三橋さん所はしないw)

来年もままならない事が多いと思いますが、日本の問題を突いた記事を期待しております

来年もまたよろしくお願いいたします<m(__)m>

2. Re:無題

>鼻毛《アク禁上等》さん
いろいろとお世話になり、ありがとうございました。
安倍政権は評価できるところもかなりあるのですが、おっしゃる通り「施平蔵」的なところが気になりますね。
とにかくマスコミを巻き込んで正しく議論が行われる状態に近づけるのが、今もっとも大切なところであるのに、そこに切り込んでくる政治家や官僚がなかなかいないところが実に残念です。
正しい結論に近づくよりも正常な議論が行われる日本になってもらいたいです。そのために、今後も動いていきたいと思っています。

3. 大変お世話になりました

本年最後まで、わが国の今後の行方を左右する重要問題に関する鋭いご指摘、勉強になります。
100%賛同いたします。

来年も宜しくお願いいたします。

4. Re:大変お世話になりました

>憂国の一国民(財政危機はウソ)さん
こちらこそ、大変お世話になりました。来年も厳しい年になりそうですが、午年ということもあり、手綱を緩めずに注視していきたいと思っております。

5. 今年も宜しくお願いいたします

朝香豊 様


あけましておめでとうございます。

昨年もお世話になりました。有難うございました。
朝香様のブログを<安倍総理、菅義偉官房長官、磯崎陽輔議員、萩生田光一議員>にオススメしました。産経新聞社にもメールを送りました。
是非読んでいただきたいです。そして活かして欲しいです。

今年も宜しくお願いいたします。

6. Re:今年も宜しくお願いいたします

>みさか明さん
ありがとうございます。みさかさんのブログもユニークな視点を持った素晴らしいものですから、政策担当者にはぜひ見てもらいたいと私は思います。
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。

7. まったくその通りだと思います

「政府は公共事業減らしが招いた現実について正直に国民に語るべき」 
まったくその通りだと思います。これまでずっと公共事業を縮小してきて、その結果として国内建設業を衰退させたにもかかわらず、そのことを反省もせず、外国人労働者の受け入れを進めるなんて絶対に許せませんね。
今やるべきは、政府が長期的に公共事業を継続することを約束し、日本の建設業が将来に向けて積極的に投資(設備投資と人材の育成の両方を含む)できるようにすることだと思います。

8. Re:まったくその通りだと思います

>てらりんさん
まさにおっしゃるとおりですね!
政府が反省を込めつつ、長期的な公共事業計画を指し示すことは、公共事業不要論に明確に一石を投じることにもなります。そのようにして宣伝戦における失地を取り返そうとする発想も、政権は持つべきだと思います。

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