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市場原理主義か「ふるさと」か


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 皆さん、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 さて、昨晩 NHKの紅白歌合戦を見ましたが、番組の中で嵐のメンバーが南大東島を訪れ、島の子供たちの話を聞く場面が出てきました。その場面では、「何かお祝いごとがあると、島全体でお祝いをする」といった話が出てきました。また、島には高校がないから、中学を卒業すると一旦は島を出なければならなくなるけれども、それでもまた島に戻ってきたい、それは島がふるさとだからだというようなことも語られていました。

 そんな純朴な子供たちの言葉を聞いて、共感する気持ちを持った方々もたくさんいたかと思いますが、私たちがここで思い返すべきは、純粋な市場原理に基づこうとした場合に、こうした子供たちの思いは果たして守られていくものなのだろうかということです。

 市場の競争で勝利する側が正しいという論理に基づけば、人やものや情報が効率的に連結されている大都会こそが生き残るのにふさわしい仕組みであり、こういう面で非効率な田舎は廃れていくのはやむをえないということになります。既に「限界集落」と呼ばれるほどに人口流出と高齢化が進んだ田舎においては、援助の手を抜本的に強化しないと、その地域コミュニティーは崩壊することが目に見えています。こうして見た場合に、このままでは廃れていくばかりのふるさとを守っていきたいというのは、市場原理こそが大切であるという考えとは親和性が非常に低いことがわかるはずです。

 南大東島の子供たちが大切にしているふるさとへの思いというものは、所詮が厳しい現実を知らない子供たちの単なる感傷にすぎないのでしょうか。その結果、現実としては切り捨てられるのもやむを得ないものなのでしょうか。それとも、彼らの純朴な思いを大切にしてその思いを実現できるような条件を、市場原理に反してでも用意していくべきものなのでしょうか。実際、南大東島の主要産業はサトウキビ栽培ですが、TPPによって国内のサトウキビ栽培の優遇策が失われるとしたら、島の将来は失われることになるとも言えるでしょう。

 市場原理が活躍すべき領域もあり、反市場原理がすべて正しいわけではありません。ただ、どこまで市場原理に委ねるかによって社会のあり方が大きく変わるということについて、政策当局者は敏感であるべきではないでしょうか。どんな問題であっても、とにかく市場に任せさえすれば最適な解にたどり着けるかのような安直な考えに堕さないでいただきたいなと思いました。


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コメント

1. 無題

いますね、

いたるところに、市場原理主義ブロガーがいます。

彼らに言わせると、田舎にお金を使うのは無駄だそうです。田舎の人間は「死ね」・・・と言ってるように聞こえましたね。

ちょっと今日の記事は、それらに対する答えになっていそうで、胸がスカッとしましたよ。

2. 無題

私も同様の想いで紅白歌合戦見ていました。ただ、そのような想いで見ている国民はほとんどいないという諦念もありましたが、貴blogで問題を取り上げてくださり、新年早々心強く感じております。本年も、貴blogで勉強させていただきます。

3. Re:無題

>まささん
わたしはあまり他の方のブログを読まない人なんですが、市場原理主義的なブロガーも多いですか。
高知県議の方に教えていただきましたが、高知県で特別な地域振興策が必要となる中山間地域は、県全体の免責の93%に達するそうです。こういう地方の実態について、そこで暮らす人たちの立場ではどのように見えるものなのかという視点を、多くの人に考えてもらいたいものですね。

4. Re:無題

>とみのひかりさん
同じようなお気持ちでご覧いただいていた方からコメントを頂き、心強く思いました。ありがとうございます。

5. 無題

GHQは占領政策で日本人に拝金主義をねじ込み、かつ愛国心も歴史的民族観も剥奪し、「金のために生きることを生き甲斐にする」ことを日本人に強制したそうですが、そんな中でこの大島の子供たちの思いは希少価値のあるものだと思います。

6. 無題

連投申し訳ありません。

GHQによって進められた「日本人人間獣化計画」をどこかで止めないと、日本民族の永続は厳しいと感じます。ナチスがユダヤ人を迫害していたのにはしっかりとした理由があった訳ですね。
http://ikb.blog11.fc2.com/blog-entry-4.html

7. Re:無題

>EXILEさん
人生における「成功」という日本社会に本来なじまない妙な概念が浸透し、それに毒された方が増えているというのは、憂慮すべき事態ですね。石門心学などの日本的な思想の見直しを進め、くだらない「成功」概念を吹き飛ばすことも大切だと思います。

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