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集団的自衛権をめぐる新たな3要件は不十分だ!


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 集団的自衛権の行使を認める新たな「武力行使の3要件」を、自民党の高村副総裁が示しました。新たな3要件は以下です。

(1)我が国に対する武力攻撃が発生したこと、または他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあること
(2)これを排除し、国民の権利を守るために他に適当な手段がないこと
(3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと


 この3要件を皆さんはどう思われるでしょうか。私はこんなレベルにとどまってくれては困ると感じました。

 まだ1年ちょっとしか経っておりませんが、アルジェリアの天然ガスプラントをイスラーム系武装集団が襲撃し、日本のプラントメーカーの日揮の社員も人質として拘束されるという事件が起きました。日本人10名を含む多くの方々の命が奪われた、あの事件です。あの事件で人質に取られたのは日本人だけではなく、アメリカ人、フランス人、イギリス人、アイルランド人、ノルウェー人なども人質にされました。

 このような事件が起こった場合に、日本は自国民救出のために、他国政府との協力のもとで自衛隊を展開することが必要になるということは当然考えられます。しかしながら、これは他国政府との協力が求められる点で明らかに集団的自衛権の行使になるでしょうが、残念ながら(1)の要件を満たすとはいえないでしょう。単なる1つのプラントに対するテロ攻撃があったぐらいでは、我が国の存立が脅かされる事態とは当然みなすことはできないからです。したがって類似の事件が発生し、日本の自衛隊も協力して活動して欲しいと要請されたとしても、我が国としてはそれを拒絶するしかありません。相手国政府の承認のもとに自衛隊を派遣するとしても、あくまでも単独で行動するしかないわけです。

 この種の事件は現在の国際関係を見回した時に、それほど特殊な事件だとは思えません。類似の事件が起こる可能性はかなり高いと考えるべきです。しかしながら、こうした場合の邦人救出ができる手立ては、目下の集団的安全保障の議論の中で取り上げられることはありませんでした

 軍事に関することについてはヒステリー的な症状を呈する我が国のマスコミ状況と照らし合わせると、このようなレベルで議論されることは国内事情的にはやむを得ないのかもしれませんが、同様の事件が起こった際の日本に対する各国の不信は、前回の比ではないでしょう。類似の事件を1年以上も前に経験しているのに、それに対する対応策が今なお十分にはとれていないわけですから。

 確かに自衛隊法はこの事件の後に改正され、航空機と船舶に限られていた輸送手段に車両も加えられ、港湾や飛行場から離れたところまで邦人救出に向かえる条件は広がりました。しかし携行できる武器は未だに拳銃や小銃に限られ、相手となるテロリストよりも圧倒的に劣った状況となるであろうことは、想像に難くありません。しかも、自衛隊の保護下に入るまでは邦人の保護はできない規定になっています。つまり、テロリストが邦人を人質として捕らえていても、テロリストが自衛隊に対して発砲しない限り、自衛隊は邦人救出のために武力を用いることができないわけです。現地政府軍が邦人を守るためにテロリストと交戦している場面に遭遇しても、テロリストが自衛隊に発砲してこなければやはり自衛隊はそもそも応戦することはできませんし、仮に自衛隊に対する攻撃があって応戦したら応戦したで、現地政府軍との集団的自衛権が、今回示された3要件を超えるものとして、問題にされることになります。

 今回の集団的自衛権をめぐる議論の中で、政府や自民党がこのアルジェリアの人質事件を取り上げなかったのは残念です。公明党への配慮や揚げ足取りのマスコミ対策のためだと思われますが、このようなばかばかしい状況から脱却できる日本に早くなってもらいたいものです。


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