記事一覧

朝日新聞は吉田調書を穿った目で見ていた疑いが濃厚


人気ブログランキングへ

 朝日新聞が独自入手した吉田調書をもとにして5月20日に「福島第一の原発所員、命令違反し撤退 吉田調書で判明」との見出しの「スクープ」記事を掲載しました。この記事の中で朝日新聞は「東日本大震災4日後の11年3月15日朝、第一原発にいた所員の9割にあたる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ南の福島第二原発へ撤退していた。その後、放射線量は急上昇しており、事故対応が不十分になった可能性がある。東電はこの命令違反による現場離脱を3年以上伏せてきた。」「その中には事故対応を指揮するはずのGM(グループマネジャー)と呼ばれる部課長級の社員もいた。過酷事故発生時に原子炉の運転や制御を支援するGMらの役割を定めた東電の内規に違反する可能性がある。」「第一原発にとどまったのは吉田氏ら69人。第二原発から所員が戻り始めたのは同日昼ごろだ。この間、第一原発では2号機で白い湯気状のものが噴出し、4号機で火災が発生。放射線量は正門付近で最高値を記録した。」のように書きました。

 朝日新聞が伝えているところから推察されるのは、自己保身のために吉田所長の命令を意図的に曲解した原発所員がいて、9割の所員が吉田所長命令に反して撤退し、原発事故を収束させる人数が足りなくなり、次々と事故が拡大していったという流れです。

 このような報道がなされた結果として、事故当初は最後まで福島第一原発に残った人を「フクシマ・フィフティーズ」と称して極めて高く評価していた外国メディアが、「日本人も現場から逃げていた」とか「第二のセウォル号事件」だというように、この事故に関連した原発所員をこき下ろす評価に切り替えました。実に残念な出来事でした。

 ところで朝日新聞に遅れること3ヶ月ほどした8月18日に産経新聞も同じ吉田調書を入手し、吉田調書の一部を新聞記事として公開しました。果たして、「所員の9割が所長命令に違反して撤退した」との「スクープ」記事は本当だったのでしょうか。産経新聞の記事(吉田調書の抜粋)を実際に見てみましょう。

 〈菅氏は3月15日午前5時半ごろ東電本店の非常災害対策室に入った〉

 --何をしに来られていたんですか

 吉田氏「何か知らないですけれどもえらい怒ってらしたということです」

 〈菅氏は「撤退したら東電は百パーセント潰れる」と発言〉

 吉田氏「ほとんどわからないですけども、気分悪かったことだけ覚えていますから、そういうモードでしゃべっていらしたんでしょう。そのうちに、こんな大人数で話をするために来たんじゃない、場所変えろとか何か喚(わめ)いていらっしゃるうちに、この事象になってしまった」

 〈事象とは2号機の格納容器の圧力抑制室の圧力計が下がり、4号機の原子炉建屋が爆発したこと〉

 --テレビ会議の向こうでやっているうちに

 吉田氏「そうそう。ですから本店とのやりとりで退避させますよと。放射能が出てくる可能性が高いので一回、2F(福島第2原発)まで退避させようとバスを手配させたんです」

 --細野(豪志首相補佐官)さんなりに、危険な状態で撤退ということも(伝えてあったのか)

 吉田氏「全員撤退して身を引くということは言っていませんよ。私は残りますし、当然操作する人間は残すけども、関係ない人間はさせますからといっただけです」

 --15日午前に2Fに退避した人たちが帰ってくる

 吉田氏「本当は私、2Fに行けとは言ってないんですよ。車を用意しておけという話をしたら、伝言した人間は運転手に福島第2に行けという指示をしたんです。私は福島第1の近辺で線量の低いようなところに一回退避して次の指示を待てと言ったつもりなんですが、2Fにいってしまったというんでしようがないなと。2Fに着いたあと、まずGM(グループマネジャー)クラスは帰ってきてということになったわけです」


 吉田調書から浮かび上がってくる現実はどんなものでしょうか。

 まず、吉田氏は放射能が出てくる可能性が高いので、原発操作と関係ない職員は待避させる方針でいたということがわかります。

 次に、吉田氏は一旦は福島第一原発近辺の線量の低いところに待避をしてもらい、次の指示を待ってもらうつもりでいたことがわかります。ただ線量が高くなった場合には福島第二まで待避することまで吉田氏が検討していたために、吉田氏の指示を混同して福島第二まで待避してしまうことになったようだということがわかります。

 もちろん、吉田氏の指示を聞き間違いをしたふりをして、福島第二まで逃げるという選択を行った可能性も考えられなくはありません。しかしそれは「そのような解釈も行おうとすれば可能かもしれない」というレベルのものにとどまり、そのような解釈しかできないというものではないでしょう。

 その上で朝日新聞の報道の分が明らかに悪いと考えられるのは、吉田氏の「全員撤退して身を引くということは言っていませんよ。私は残りますし、当然操作する人間は残すけども、関係ない人間はさせますからといっただけです」というセリフです。つまり、福島第一原発の事故の収束に必要な人材は残した上で、その任務とは直接関わらない業務の人間まで無駄な被爆をさせる必要はないとの判断で待避させているということがわかるのです。つまり、朝日新聞によって「命令違反し撤退」と書かれた人たちがそのまま福島第一原発にいたとしても、その人たちには事故収束のために直接関われる仕事がない状態にあり、彼らが撤退したから原発事故を収束させる人数が足りなくなり、次々と事故が拡大していったかのように描写するのは、相当にねじ曲がったものの見方をしているのではないかと疑われるからです。

 そもそも福島第一原発と福島第二原発は、地図で見るかぎり直線距離で10キロ程度しか離れていません。MapFanでルート検索してみましたら、道のりでも16.2キロしか離れていませんでした。つまり、福島第二原発というのは福島第一原発事故後の避難区域となった20キロ圏内に完全にすっぽりと入っているところです。朝日新聞が使う「撤退」という言葉がふさわしい場所だとは、この点からしても考えにくいのです。


 私自身が吉田調書の原文を見たわけではありませんから断言はできませんが、上記のような推論も重ねながら産経の報道を見る限りでは、朝日新聞は相当に穿ったものの見方をしているのではないかと感じられます。そしてこの穿ったものの見方というのは朝日新聞の報道にはよくつきまとっているものであり、先頃ようやく撤回した慰安婦を巡る報道においても発揮されていたものであることは、皆さんもよくご存知のところだろうと思います。そしてこのような穿った見方は朝日新聞においては特に強く見られるということがあるとしても、他のマスコミにも広く存在するものであることは、今さら言うまでもないでしょう。

 そしてこのような穿ったものの見方自体を展開していくことが文字通りマスメディアの自殺行為になることを、マスコミにわからせてやる必要があります。朝日新聞購読のとりやめが広がり、まさに朝日新聞の息の根が止まるところまで追い込むことができれば、日本の歪んだ言論空間を正していくのに大きな力になるでしょう。

 朝日新聞には知人・友人が多くいますので、その点では個人的には辛い気持ちもありますが、そうした個人的な感情を乗り越えて、朝日新聞をなお一層窮地に追い込んでいくような運動が広がることを期待しています。


人気ブログランキングへ
スポンサーサイト

コメント

1. 初コメ失礼致します♡えりと申します♪

おじゃまします♡色んなブログ巡回していたらたどり着きました(´・ω・`)♡私はヨーロッパを旅しながら書いているので、よかったら遊びにきてください♪では~(o*・ω・)ノ

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

朝香豊AY

Author:朝香豊AY
FC2ブログへようこそ!