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STAP細胞について否定するのは時期尚早だ


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 理研がこれまでSTAP細胞の再現実験を22回繰り返して、いずれにおいても再現には至らなかったことが、8月27日に報じられました。これをもってSTAP細胞の捏造疑惑はほぼ黒に近い状態になったと思われている方が多いのではないかと思いますが、私はこの推測は正しくないのではないかと思っています。

 まず、故意か過失かはともかくとして、STAP細胞とES細胞を取り違えているのではないかという指摘がありますが、そんな取り違えはありえないという点をまず明らかにしたいと思います。

 そもそもES細胞とSTAP細胞との間には明らかな違いがあります。ES細胞に比べてSTAP細胞は格段に小さく、ES細胞が高い増殖能力を持つのに対してSTAP細胞は増殖能力をほとんど持っていません。ですので、専門の研究者がこの2つを取り違えたまま気付かないで研究をし続けるというのはありえない話です。

 また、STAP細胞(正式にはSTAP幹細胞と言った方がよい)にもES細胞にも万能性(体を構成するどの細胞にも分化する能力)はありますが、この「万能性」においても両者には違いがあるようなのです。ES細胞だとキメラマウス(遺伝系統の違う2種類の細胞を融合して作り出したマウス)を作ることはできても、胎盤形成にまで関わることがないのに対して、STAP幹細胞の場合にはキメラマウスを作り出せるだけでなく、胎盤形成にも関与しているからです。


ブログ「世界の真実を求めて!」(http://oujyujyu.blog114.fc2.com/blog-entry-2536.html)より画像引用

 つまり、小保方博士が意図的にES細胞を混入させてこれをSTAP細胞だとしたのだという話には、全く論拠がないということになります。

 これに対してES細胞にさらにTS細胞(胎盤に存在する幹細胞)まで混入させれば、ES細胞からキメラマウスが、TS細胞からは胎盤が作り出されるから説明がつくという説が出てきましたが、そんなことは本当に可能なのでしょうか。

 この件について記者会見において記者から質問を受けた理研の丹羽仁史氏は、誠実な科学者らしく「お互い均一に密着して、かつ均質に混ざり合った細胞塊をこの両者で作ることは、少なくとも私の経験からは極めて困難である」と述べられています。以下の動画(といっても実は音声のみ)を見ると、より詳しく理解できると思います。



 ES細胞にTS細胞を混ぜ合わせたんだと簡単に語られる方は、ES細胞とTS細胞を均一に密着させかつ均質に混ざり合った細胞塊をぜひ作っていただきたいと思います。それは恐らくはSTAP細胞を作り出すことよりも困難なのではないかと思います。丹羽氏自身がこの手の実験を何度も行ってうまくいかなかった話を、上記の動画においても語られています。

 さらにNature論文にはSTAP細胞の特別な動きを記録した4本のビデオが同時に提出されています。このビデオについて亡くなった笹井氏は次のように語っています。

 ライブ・セル・イメージは複数人が関わる上、自動で撮影されるため人為的な操作をすることは無理です。また撮った写真については一コマ一コマに、時間などのプロパティが入ってますので改ざんすればすぐ分かる。だからこそ確度の高いデータだと言えます。

 10以上の視野を同時に観察できる顕微鏡ムービーであり、人為的なデータ操作は事実上不可能です。


 だが、理研が22回も検証実験を行っても成功していないのだから、やはり偽造だった疑いは濃いのではないかと思われている方も多いのではないかと思います。

 この件については、カリフォルニア大学医学部准教授の Paul S. Knoepfler 氏がこのSTAP細胞の件で山梨大学の若山教授をインタビューした記事で若山氏がどのような発言をされているかを、参考例で見ておいてください。
http://www.ipscell.com/2014/02/interview-with-dr-teru-wakayama-on-stap-stem-cells/

Do you know when we moved to a different lab in the past, how difficult it was then to reproduce even my own techniques? When I moved from Hawaii to Rockefeller, I spent half a year to reproduce cloned mice. This is my technique, but I still needed a lot of time. However, the method of STAP generation is not my technique, therefore, different lab and not my discovered techniques, so this is understandably more difficult to reproduce again.
(過去に研究室を移った時に自分で磨いた技術であっても再現を行うのはどんなに大変かはあなたはご存知ではないですか。ハワイからロックフェラーに移った時に、クローンマウスを再現するのに半年かかりました。自分の技術なのにそれでも膨大な時間が必要だった。STAP細胞を生み出す技術は私の技術ではありません。研究室が変わった上で自分の技術でないなら、再び再現に成功するのは疑いなくもっと時間がかかるものです。)

 研究場所が変わるだけで再現実験がなかなかうまくいかなくなるような世界にあって、小保方博士以外の方が再現実験を成功させるというのは途方もなく難しいということになるのではないかと思います。

 若山教授は次のようにも語っています。

the first cloned animal, Dolly, wasn’t reproduced for one and half years after it was published. Human cloned ES cell paper has still not yet been reproduced. Therefore, please wait at least one year. I believe that during this period someone or myself will success to reproduce it.
(最初のクローン動物であるドリーは、ドリーのことが明らかになってから1年半にわたって再現されなかった。人クローンのES細胞の論文は、発表後未だに再現に成功してない。ですので、少なくともあと1年待ってください。この1年という期間で私になるのか誰になるのかわかりませんが、再現に成功するものと信じています。)

 なお、このインタビュー記事には、他にも興味深いことがいろいろと書かれています。

 若山教授は以下の発言もなさっています。

I established STAP-SC several times from STAP. It is unlikely that contamination would always have happened. In addition, we established STAP-SC from 129B6GFP mice. At that time, we did not have this strain ES cell.
(私はSTAP細胞からSTAP幹細胞を数回作ったことがあります。毎回(ES細胞やiPS細胞の)混入が発生したということは考えにくいです。さらに、私たちがSTAP幹細胞を作ったのは129B6GFPのマウスからです。作成当時にはこの系統のES細胞を私たちは持っていませんでした。)

In addition, whole mRNA expression data suggest that STAP-SC are not ES cell.
(さらに、メッセンジャーRNAの発現データを全体として見れば、STAP幹細胞はES細胞とは違っていることが伺えます。)

(STAP細胞の作成に関して)
I did 100% by myself, but each step was looked by Dr. Obokata. Much the same, one of my PhD student also succeeded to establish STAP-SC. In those early stages of the experiment, we did not culture ES cell nor iPS cell at same time.
(100%私の手で行って成功しましたが、全工程を小保方博士に見てもらっていました。同じような感じで(つまり、全工程を小保方博士に見てもらう形で)博士課程の学生1人もSTAP幹細胞の確立に成功しました。)

 上記のことからしても、STAP細胞が何らかの手段ででっち上げられたものにすぎないと考えるのは、極めて困難だと私には感じられるのです。


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コメント

1. それでも・・・

こんばんは♫

STAP幹細胞が本当はあるのか!?ないのか!?を別として

今回のことは、どちらにしても人としてキナ臭いです。

2. 笹井氏の事がより一層残念に思えます

なるほど。
<再現実験>というのは、とても難しいものなのですね。
この若山教授の発言も知りませんでした。

では、今の「結論を急がずに検証を続ける」という方針は妥当だ、と。無駄では無いということですね。


ただそうなると、笹井氏の事がより一層残念に思えます。

3. Re:それでも・・・

>アクアさん
私も記者会見での小保方博士の姿に違和感を感じたところもありましたので、お気持ちはよく理解できるつもりです。ただその一方で、彼女の研究者としての集中力や粘り腰は我々の想像を遥かに超えるものがあったようです。このことについても若山氏が述べている話もあります。そんなものもご紹介したいと思っています。

4. Re:笹井氏の事がより一層残念に思えます

>みさか明さん
本当に惜しい方を亡くしました。私が笹井氏の会見を見ていて特に印象に残っているのは、終始緊張気味だった笹井氏がSTAP細胞の不思議さについて語る時に、本当にこんな不思議なことがあるんだと、科学者として心の底から感動している様子をありありと表に出したところです。
ノーベル賞に最も近いところにいるとされた学者の言い分をまじめに追いかけることをしなかった日本のマスコミのあり方に、疑問を感じています。
それと同時に、この問題にはもっと大きな背景があるような気がしていてところもあります。それが何かはわからないのですが、そのことについても書いてみようと思います。

5. 無題

朝香様
おっしゃるとうり小保方さんは捏造していないと思います。
画像の切り貼りなどの小さなミスはありましたが、これらは論文取り下げの理由にはならないと思います。
共同執筆者はなぜ早々と論文の取り下げを主張したのでしょうか。実験のミスでも発見されたのでしょうか。
論文の主張にどこに誤りがあったのでしょうか。
また、だいぶ経ってから小保方さんが取り下げに同意したのはなぜでしょうか。
STAP問題の本質がわかりません。

6. Re:無題

>sekisinさん
悪意がどうであったかどうかは別として、電気泳動の画像と免疫染色の画像については加工があったのは事実ですし、特に電気泳動については一線を越えている感は私も持っていて、そういう点で論文に傷がついたという考えは成り立つのかなと思っています。

7. Re:Re:無題

>朝香豊さん
両画像ともに加工せずに掲載すると、論文の主張目的が達成できないということですか。
画像を改ざんした論文の主張目的は達成されて
いるのですか。.

8. Re:Re:Re:無題

>sekisinさん
文系出身でにわか勉強の私などより、はるかに詳しいことを実はご理解されているようですね。
電気泳動の画像は真性の画像で全く問題なかったわけですから、結果的には切り貼りする必要はなかったと思います。ただ、これについては小保方博士が何らかの勘違いをして、元の画像ではあまりよくないと考えた上で、敢えて加工を行ってドレスアップしたと考えないと合理的な説明はつかないのではないかと思います。結果的にはむしろ真性画像の方でないと合理的な説明ができなかったわけですから、このこと自体がSTAP細胞の存否に影響を与えるものではないとしても、常に事実を何よりも優先するという科学者のあるべき姿を小保方博士が保持していたかどうかという点では、問題があったと考えるべきではないでしょうか。
またTCRの再構成については、小保方博士が若山先生に8ライン中2ラインで組み替えが起きていたと報告していたのが、実際には組み替えがゼロだったということが後に明らかになったという問題もありますよね。このTCRの再構成が見られていないという話とライブビデオイメージが示す存在証明がどう成立するのかという点は、私の限られた能力では理解の範疇を超えていますが、よく考えてみるべきものではないかと思います。

9. Re:Re:Re:Re:無題

>朝香豊さん
何回もすみません。
若山教授の発言に一貫性がなく、疑問に思っています。
これは朝香様が指摘している何らかの背景と関係があるからでしょうか。

10. Re:Re:Re:Re:Re:無題

>sekisinさん

すっかり返信が遅くなり、失礼しました。

TCRの再構成が見られなかったということがどの程度の意味を持つものなのかが、実は素人ゆえによくわからないんですよね。もしこれが本当に決定的な意味を持つものだとしたら、若山教授がTCRの再構成が実際には見られなかったことに対しては、小保方博士に裏切られた思いを持つこともありえるのではないかと思うところもあります。

ただ、「TCRの再構成が見られなかった」=「STAPは捏造だ」説の、よく語られているわかりやすい説明は理解できますが、笹井氏の会見を見ますと、笹井氏はどうもそのあたりのことをさほど問題にされていないように思います。その上で笹井氏はSTAPの存在を否定するあらゆる仮説では合理的に説明がつかないことを挙げ、STAPが存在するという仮説が最も合理性が高いことを話されています。ES細胞やTS細胞の混入では説明がつかないことがSTAPでは起きているということを話されていましたね。

そうなると、「TCRの再構成が見られなかった」=「STAPは捏造だ」説を、笹井氏はまともに相手にしていないのではないかと思われ、そこについては私の理解では追いつかないところですので、自分ではここには深入りすべきではないのではないかと思っているところがあります。

また、電気泳動の画像のドレスアップにも若山教授は不愉快さを感じて、距離を置かないと自分の科学者としての信頼に傷がつくと思ったところもあるかもしれませんね。

11. Re:Re:Re:Re:Re:Re:無題

>朝香豊さん

返信ありがとうございます。

12. 巡り巡ってたどり着きました♪

幾つか記事を読ませて頂いて、自然にコメントしたい!って感じちゃいました♪
ハマっているバイナリーとかオススメのお店とかレシピとか書いてます(*^^*)
ブログから繋がりとか出来たら私も凄く嬉しいので見に来て下さいね♪

13. 無題

http://sankei.jp.msn.com/smp/science/news/140919/scn14091919560003-s.htm

同じようなことをして、小保方氏だけを不正と決めたのはなぜですか。
両者の論文はどこが違うのですか。

14. Re:無題

>sekisinさん
文系の私では理解できる範囲を超えている話ですね。こんな見解もあるということだけ、ご紹介しておきます。
stapcells.blogspot.jp/2014/05/stap.html

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