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福島第一原発での「待避」の真相について


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 現場にいた人たちへの丹念な聞き取り調査に基づいて福島第一原発の事故の丁寧な取材を重ねてこられた方に、門田隆将氏がおられます。朝日新聞の吉田調書の「スクープ」記事が登場した時に、真っ先に朝日新聞の歪曲だと声を上げられた方です。

 この門田隆将氏が、会員制の情報サイトのリアルインサイトに登場し、この件に関する裏話を語っておられます。私はリアルインサイトの会員ではありませんので、無料公開されている18分ほどの映像しか見ておりませんが、なるほどそういう裏話があったのかと、大いに納得しました。この映像が公開されているのは9月30日までとのことですから、もうすぐ公開が打ち切りになりますが、見られる方はぜひご覧いただきたいと思います。



 門田氏が語っている中で、特に朝日新聞の歪曲記事と直接関係しそうな部分を取り上げますと、以下のような感じになるかと思います。

 第一原発の中で唯一安全性が高い場所である免震重要棟には700名ほどの職員が集まっており、食料の確保もままならず、さらには下水が壊れ汚物処理にさえ苦労している状態にありました。原発対応を最も効率的に行うためには、原発対応に直接関係しない職員(例えば事務系の職員など)に福島第二原発の方に待避してもらうというのは、最も合理的な判断だったといえます。この判断を吉田所長は東電本店に話し、吉田所長と東電本店との間では既定路線になっていました。そしてその旨は福島第一原発の職員にも伝達されていました。

 しかし、菅直人総理(当時)が東電本店に乗り込んで、「逃げたら100%東電は潰れる。逃げてみたって逃げ切れないぞ。」という脅しがなされたために、福島第二原発に大量の職員を待避させるということが政治的に難しくなってしまったわけです。

 2号機の圧力容器の圧力がゼロになる、つまり大量の放射性物質の漏洩が始まったと思われる事態が発生し、政治的判断を優先させるわけにはいかなくなった中で、職員の待避を吉田所長は命じました。その待避先は福島第二原発であることは、既定路線から当然の対応だったわけです。

 しかし、吉田所長は官邸との政治的な問題を抱えていますから、650名もの職員を福島第二原発に待避させたとは公式には言えない立場にありました。そこで、官邸もチェックできる東電本店との電話会議においては、第一原発の中の線量の低いところにいったん待避せよとの命令を下したかのようなひと芝居を打ったというわけです。

 そしてそのひと芝居は、吉田調書の中にも受け継がれていました。それが、「私は福島第1の近辺で線量の低いようなところに一回退避して次の指示を待てと言ったつもりなんですが、2Fにいってしまったというんでしようがないなと。」という、吉田所長のセリフになっているわけです。

 この中から浮かび上がるのは、例の朝日新聞の「スクープ」記事が、一切の裏取りの作業も行わないままになされたということです。それどころか、少なくとも福島第一原発に関しては、現場職員などへの聞き取り調査といった地道な取材活動をほぼ行わないままに記事にしてきたということです。そしてそれが福島第一原発に関してのみ当てはまることで、他の取材についてはすべて地道な取材がなされていると考えるのは、あまりに合理性に欠けている判断ではないかということです。

 そしてこれが日本の「クオリティーペーパー」だとされてきた朝日新聞の実際です。さらに言えば、さらに浮かび上がってくるのは、そんな杜撰でいい加減なものであっても「報道の自由」の名の下に許してきたのが日本という国家であるという事実です。

 私は当然朝日新聞を叩くべきだと思っていますが、朝日新聞叩きのみ行えばよいとは全く思っていません。大事なことは、「報道の自由」を認めるばかりでなく「報道の責任」を確立することであり、今回の問題をきっかけとしてマスコミ人が報道のあるべき姿を明確にルール化し、世間に公表することではないかと思います。世間の批判に耐えられるだけのルール作りを行わせていくように政治が動いていくということもまた実に大事なことですが、そういう声が政界の誰からもなかなか上がってこない状況は、実に残念だなと思っている次第です。


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