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全く信頼できないアメリカの外交・安全保障



 香港の雨傘運動中共による強圧に押しつぶされようとしています。これに対する日本のマスメディアのみならず政界の反応の鈍さにも不愉快さを禁じえませんが、本来は自由主義陣営の盟主であるべきアメリカの反応の鈍さにも、我々は気付いておくべきだと思います。

 APECにおける米中首脳会談においても、オバマ大統領は「首脳会談は、米国の(アジアに軸足を置く)ピボット政策が中国を封じ込めるためのものであるという考えが事実誤認だと証明する機会になった」との見解を表明し、中共が東シナ海や南シナ海での領有権を主張していることに対しても「米国として立場は取らない」と明言しました。中共による香港での大規模デモへの対応については一応の懸念を表明したとはいえますが、そのことよりも全く茶番としか言いようのない温室効果ガスの削減目標値の設定や偶発的な軍事衝突を避ける相互連絡システムの構築などの「一致点」に、むしろ力点は置かれていました。オバマ大統領は台湾についても「『一つの中国』政策に強く関与していることを再確認する」と強調し、「チベットは中華人民共和国の一部である」ということも明確に認めました。

 APECが終了して以降、中共は香港の民主化運動を力でもって抑え込むことを選択してきました。この動きに香港返還に際して返還後50年に渡る「高度な自治」を定めた英中共同宣言に違反するのではないかとのイギリス側からの疑問に対して、在英中国大使館の次席大使が「道義的責任や義務といったものはない」との立場から「今は無効」との見解を平然と示していたことが明らかになりました。英下院外交委員会は香港に議員を派遣して、共同宣言と基本法の実施状況および香港の普通選挙、政治改革などに関して調査を行う予定でしたが、中共側は議員団の入国をも拒否しました。

 これらの動きがあってもなお、米オバマ政権は中共に対する強い姿勢を未だに見せていません。これはつまり、香港の民主化運動をオバマ政権が見捨てているということを意味します。香港についてはアメリカは香港政策法を制定して、その人権状況などについて毎年レポート作成することさえ行うほど特別扱いをしてきたにも関わらずです。

 こうしたアメリカの姿勢の背後には、オバマ氏や国務長官のケリー氏が親中派であるという特別な事情も関わっている側面もあるとはいえるでしょう。しかしながら、そのような親中派の人たちが政権の中枢に普通に入り込んでしまえるまでに、中共によるアメリカコントロールが進んでいるという点についても、私たちは見落とすべきではないと思います。すなわち、民主党のみならず共和党の中にも中共はマネー・人脈を含めて多様な搦め手を用いて浸透し、影響力を行使できる力を持ち出していると考えるべきではないかということです。

 中共による影響力というのは、日本の政界・財界・マスコミにおいての方がより強力なものがあるのはよくご承知だとは思いますが、アメリカも似たような状況になってきているからこそ、オバマ政権が香港を見捨てるような姿勢を見せたとしても、それが大きな問題としてアメリカ国内で論じられることすらなくなっているという現実も忘れるべきではないでしょう。


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コメント

1. ★こんにちは★

初コメ失礼致します!記事読ませて頂きました!ブログの書き方がシンプルでお上手です♪私も色々と勉強になりましたぁ!次も楽しみにしてますね☆これからお互いに仲良くできたら嬉しいです☆

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