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アメリカは覇権国から転落しつつある!


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 覇権国が覇権国として君臨し続けることは可能なのでしょうか。この問題を、現在のアメリカの状況を念頭に置きながら、考えてみましょう。

 まず第一に経済成長の観点からです。世界経済が年々大きくなっていくと言っても、各国の経済が均等に大きくなっていくわけでは当然ありません。世界各国はそれぞれの異なった条件のもとに置かれており、不均等に発展していくことは避けられません。この中で覇権国といわれる地位を確立した国は既にそれまでの歴史的な過程において高い成長を達成してしまった国であって、今後はむしろ成長は鈍化していくと考えるべきでしょう。これに対して新興国は、すでに現覇権国が確立した技術を利用するだけでその力を簡単に伸ばしていくことができます。人件費も覇権国と比べて安上がりで、そういう利点も活用できますつまり、世界の中で新興勢力は必ず生まれ、覇権国にキャッチアップしてくるのは必然ともいえるわけです。しかも交通・通信網がどんどん整備されている状況の中で、覇権国の交代のスピードは歴史的にどんどんと速まる傾向があると考えるべきだとも思います。

 アメリカのGDPは第二次世界大戦直後は全世界の50%~60%に達していたと見られていますが、既に全世界の20%程度にまで下がってきています。今後も傾向的には低下方向だと考えるべきでしょう。この点から見ても、アメリカの覇権が今後も世界の中で圧倒的な力を持ち続けると考えるのは不可能でしょう。

 また、勢力圏を拡大しようとすればするほど、あるいは勢力圏内においての支配をより強化しようとすればするほど、そこで必要となるコストはどんどんと大きくならざるをえません。その経費の増大は単純比例ではなく、より拡大しようとするにつれて追加コストはどんどん大きくなっていくものです。当然支配をより強めよう、拡大しようとすれば、それに対する反発がそれだけ強くならざるをえません。支配の拡大に成功すれば、確かに一面では自国の利益を拡大していることにもなりますが、そのために必要なコストがどんどんと大きくなってコストの方が上回ってしまうことがありえるわけです。さらに新興国がどんどんと経済力を付けていけば、新興国の軍備もまたどんどんと性能が上がっていきます。覇権国が覇権を維持しようとすれば、これへの対抗を余儀なくされるわけですから、当初の想定以上に覇権コストが膨らんでいくのも避けられません。覇権国が覇権国として君臨し続けたいと願い、そのために無理を重ねてしまうのはある意味では必然なのでしょうが、その努力は結果としては無に帰することになるのだろうと考えます。この点から見ても、アメリカの覇権が今後も維持されると考えるのは無理があるでしょう。

 実際アメリカは巨額の経常収支の赤字と財政赤字を積み重ねながら、世界の覇権を維持・拡大しようと努めてきました。ここ20年ほどはITバブルだの住宅バブルだのという形で、米国への投資が「儲かる」バブル環境を作り出すことによって、ドルの米国内への還流を実現して経常収支の赤字が問題にならない状況を作り出してきました。しかし、こうした手法が長続きするものでないことは、すでにリーマンショックによって示されたともいえるでしょう。アメリカが純債務国に転落してもう40年になりますが、アメリカの対外純債務残高は5.5兆ドルにも達しています。

 こうして見た場合に、アメリカの現在の覇権維持構造自体がすでに国家規模からして過大なものになっていることがわかります。そしてこの負担が最終的にはアメリカの衰亡を加速させることにつながるわけです。実際オバマ政権になってからはこれを政府自身が認める方向に転換し、軍事予算の削減に動くようになりました。

 さらに、アメリカでは2011年以降ベビーブーマーの大量退職が始まりました。今後アメリカの年金財政などの高齢者福祉予算は急激に伸びていくことは避けられません。既に世界最大の債務国であり、国内の貯蓄も過少なアメリカにおいて、いつまでも国力に比して過大な国防予算を維持していくことなどできるわけはないのです。

 私たちはアメリカにすがって生き延びる道を選択するのではなく、徐々にアメリカから独立していく道を選択すべきではないでしょうか。


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