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食の安全は科学的視点を前提にして語ろう!


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 皆さんはタマネギからどんなことを連想されるでしょうか。「血液がサラサラになり、高血圧にいい」なんて話を聞いたことがあるかもしれません。あるいは疲労回復によいとか精神衛生によいとかという話を聞いたことがある方もいるといると思いますし、糖尿病によいという話も一般には流布しているようです。

 このようにタマネギという食材からは様々な点で健康によいというイメージばかりが一般には伝えられていて、あまり悪いイメージは持たれていないのではないかと思います。では、もしタマネギがこれまで未知の植物であって、人間が食べても大丈夫な量を動物実験の結果によって確定しようとした場合にはどうなるのかというのを、今回考察してみようと思います。

 クウェートの研究者がタマネギに関する動物実験を行った記録があります。この結果は Journal of Ethnopharmacology という雑誌に1998年に掲載されました。日本語で言えば「民族薬理学ジャーナル」とでもいえばよいでしょうか。ラットを使った実験結果によると、ラットにおける無毒性容量は体重1キロあたり50mgでした。人間とラットのタマネギの毒性に対する感度が仮に同一だとすると、一日につき体重1キロあたり50mgまでの摂取であるならば、毎日同量食べても問題は生じないが、それよりも多いとタマネギの毒素が原因で病気になる可能性があるということになります。

 実際にはそれぞれの毒素に対する感度は動物の種類によって大きく違いますので、未知の植物である場合には人間に対する感度はラットよりも遥かに高いということも考えられるわけです。そこで、ラットに対して人間はひょっとしたらその100倍高い感度を持っているかもしれないではないかと考えるわけです。つまり、ラットの場合には一日につき体重1キロあたり50mgが許容限界量だということになりますと、人間の場合にはその1/100の0.5mgが許容限界量だと考えるということになります。一日につき体重1キロあたり0.5mgまで厳しくすれば、人間に健康被害が生じることはなさそうだと考えるわけです。

 こうした場合、仮に体重60kgの人が摂取できるタマネギの一日の許容限界量は60×0.5=30(mg)となります。勘違いしないでいただきたいのですが、30gではなく、30mgです。

 実際には、タマネギは私たちの食品として日々摂取していても大きな問題が生じていないことから、私たちの感度がラットに対して100倍高いということは全くないようです。恐らくはタマネギについてはその毒性に対する私たち人間の感度はラットよりもずっと鈍感なんでしょう。ただ、私たちがなぜタマネギを食べているかと言えば、タマネギは普通の食品であって、どれだけ食べたとしても毒性があるとは考えないという前提を、私たちが勝手に作っているに過ぎないわけです。仮に大量に摂取した場合には健康を害する事態が実際には発生するのかもしれないのですが、そういうことがあったとしても、その原因はタマネギにあるとは考えないようにした上で、無制限の流通を認めているわけです。

 私はタマネギが未知の植物であった場合に、体重60kgの人が摂取できるタマネギの一日の許容限界量は30mgにしかならないと書きました。そしてこの厳しい基準値の求め方は、実は食品添加物とか農薬などがどのくらいの摂取まで認められるのかというデータの求め方と同じです。

 すべての実験動物に毎日同じ量を与え続けても有害な影響が全く見られなかった上限量を基本として、さらにその1/100を人間の一日の許容摂取量として設定しているわけです。そして、流通が許可されている食料の中には、私たちが普通の食事をした時にこの一日の許容摂取量を超えるだけの食品添加物や農薬が含まれていることは考えられないのが実際です。ぶっちゃけて言えば、仮にこの許容摂取量をわずかながら超えるような日がたまたまあったところで、健康への影響など実質的には考えられるわけもないのが実際なのです。

 それよりもむしろ、私たちが毒性があるとは一般に大して感じていない普通の食品の方が、実は限度を考えずに摂取しているゆえに、実は知らず知らずのうちに体を傷つけている可能性の方が高いとすらいえるでしょう。

 健康によさそうだというイメージだけで、特定の食べ物ばかりを特に多く食べるということをする方がいますが、こういう方は特定の成分を多く摂ってしまうことにつながり、それは健康から却って外れるということに、むしろつながりやすいのが実際です。

 こうして見た場合に、食品添加物であるとか農薬といったものの安全性が、いかに高いレベルで確保されているのかということに気がつくのではないかと思います。普通に食べてもこのように厳しく定められた一日の許容摂取量を超えることはないだろうというレベルを満たしたものしか、市場には流通していないわけです。

 「食品添加物は絶対嫌だ」とか「農薬は絶対嫌だ」というのはもちろん自由ですが、こうした前提を理解した上で「それでもどうしても嫌だ」と言ってもらいたいものです。


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