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メルケル首相は日本に脱原発を求めていないと解すべき!


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 訪日したドイツのメルケル首相が日本に脱原発を進めるように促したとの報道があり、保守系のまとめサイトではメルケル批判が数多く綴られています。

 ところで、メルケル首相は本当に日本に脱原発を促したのでしょうか。この点を確認しておきたいところです。メルケル首相の発言を和訳して下さっている方がおり、その和訳(一部)を抜粋してここに載せます。日本の原発事故に関する質問を受け、これに応える形でメルケル首相が返答している箇所を全文掲載します。
http://homepage2.nifty.com/itsuro_umemoto/diary_frame.htm

 はい、この恐ろしい事故については、非常にお気の毒なことでした。ドイツでもあの後、重要な決定が下されました。つまり、より急いで原発から離脱しようということです。われわれはいま、非常に再生エネルギーに賭けています。日本も、その道を行くべきだと思いますし、行っていると思います。そして、特にドイツと日本で、この道を一部いっしょに行くべきです。つまり、私は日本で、再生エネルギーの拡大について話をするつもりです。もちろん、私たちは「ベースロード」と呼ぶものも必要です。日本は島(単数)です、いや島(複数)ですね。ですから部分的に資源の問題を抱えています。それゆえ、われわれ(日独)は、原子力に関しては多分、若干違った道を行っています。ただ、私としては福島の経験から言えることは、安全こそが至上命令ということです。ドイツ首相として私はいま、福島の経験を踏まえ、できるだけ早急に原子力エネルギーから離脱することを進めています。

 上記を読めばわかるかと思いますが、メルケル首相が日本に対して脱原発を促したというのは、せいぜいその読み方も可能かもしれないというレベルにとどまるものであって、そのような明確なメッセージを伝えたといえるものではないのではないかと思います。私としては、反原発の世論がドイツでも日本でも無視できないくらい強いことを意識しつつ、その立場を傷つけないようにしながら、現在日本が進めている政策について反対しない姿勢を表したものだと考える方が適切なのではないかと考えます。

 まず、メルケル首相は現在ドイツが脱原発を急ぐために再生エネルギーを重視する方向に動いていて、日本も同じ方向に動いていることを確認しています。ここで述べている「同じ方向」とは、「脱原発を急ぐために再生エネルギーを重視する」という方向だとも読めるし、脱原発に関する態度までは同一だとはみなさない上で「再生エネルギーを重視する」方向だとも読めます。現実には日本は安全性が確認された原発については再稼働させる方針で進んでいますから、日本も同じ方向に動いているということをメルケル首相が話しているのは、単に再生エネルギーを重視する方向だと考える方がつじつまが合うということになります。

 その上で、メルケル首相は慎重に言葉を選ぶ姿勢から、「この道を一部いっしょに行くべき」と述べ、わざわざ「一部」という言葉を付け足しています。つまり、ドイツと全く同じ道を日本が歩む必要はないということを示しており、脱原発方針までドイツと歩調を合わせることまでは求めていないことを暗にほのめかしていると考える方が適切だと思います。実際メルケル首相は、「つまり、私は日本で、再生エネルギーの拡大について話をするつもり」と話しており、再生エネルギーの拡大を進めている日本の現在の姿勢について賛同する立場を示していると考えるべきです。「日本が再生エネルギーの導入に消極的だから改めるべきだ」とか「日本は脱原発に反する行動をとっているから改めるべきだ」との立場ではないわけです。もしそうなら、「日本もその道を・・・行っていると思います。」との発言はしていないでしょう。

 このことがより明確になるのは、その後の部分です。即ち、「もちろん、私たちは「ベースロード」と呼ぶものも必要です。日本は・・・島(複数)ですね。ですから部分的に資源の問題を抱えています。それゆえ、われわれ(日独)は、原子力に関しては多分、若干違った道を行っています。」という部分です。メルケル首相はベースロード電源は必要だということをまず認めています。そして、日本は島国であり、エネルギー安全保障には敏感にならざるをえない立場にあることについて理解を示し、原子力については幾分異なった道をドイツと日本が進んでいることを認めています。日本の地理的条件から、日本がドイツとは完全に同じ道を歩まないことには事情があることを理解しているわけです。

 ただ、「ドイツ首相として」は、「福島の経験を踏まえ、できるだけ早急に原子力エネルギーから離脱することを進めて」いるのが自分の立場だと、メルケル首相は最後に付け加えました。つまり、日本が日本固有の事情で原子力については違う姿勢を示していることについては理解を示しつつ、ただドイツはそのような日本の道とは違う道を進めているのだと言ったととる方が論理的な整合性は取れるわけです。このことから、日本も脱原発すべきだとの結論はメルケル発言から必然的に導かれるものではないし、むしろその読み方だと整合性は取れないと私は考えます。国際的な儀礼からしても、日本国の主権を毀損する内政干渉的な発言をメルケル首相が行ったと捉えるのは、常識に照らしても適切ではないでしょう。

 この程度の読解力をマスコミの関係者は持ち合わせていないのでしょうか。恐らくは読解力以前にイデオロギーとして「脱原発は正しく、脱原発に反対する立場は正しくない」との姿勢を持ち込んで物事を見ており、脱原発に有利に利用したい立場から発言を捉えようという姿勢を持っているからでしょう。マスコミが信用ならないというのは今に始まった話ではありませんが、改めてその意を強くしました。


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コメント

1. こんにちは

日本は国民無視の政治家が多すぎるのでいけないと思います
政治家達が法律を利用して、国民から詐欺を行なうことが多いです

日本は特に多いので、政治家達が逮捕されて行くような情報を流すと良いと私は思います

国債は、銀行に国民のお金を流し、政治家達が銀行から賄賂を受け取るための詐欺だと思います

予算内で行なわなければいけないのが国家や役場などの予算編成のはずです
債権などを発行すると、国民は余分に金利を負担しなければいけなくなりますから、
国民にとっては良いことがないのです

しかし、銀行にとっては、何もしないで、国民から利息として、
何十年も安定してお金を稼ぐことができます

何も買っていない国民からお金を奪い、賄賂を送る銀行や企業に渡すのは、法律を使った政治家達の詐欺のはずです

予算内で治めなければいけないものを、わざと足りなくなるようにして、国債などの債権を発行していますから、
詐欺になるはずです

予算は余っているから年度末には工事があちこちで行なわれています
天下り企業への税金の横流しもとても酷いです

政治家達を詐欺罪に追い込むことができると思いますので、
国債の違法性を皆さんに考えてほしいと思います

2. Re:こんにちは

>はやあきつ姫さん

日本の政治家はむしろ清潔な方だと思いますが。

例えば中国では、「良識派」とみなされていた温家宝でさえ2000億円を超える蓄財をしていることが明らかにされました。周永康は1兆5000億円を超えるようです。政府から補助金が出ていた企業から5万円の献金を受けていたとかが問題にされる日本という国が、そんなに汚い国でしょうか。
小額だからいいというつもりはないですが、相対的に考えた場合に、日本の政治家は世界の中でもかなりましな方だとみなすべきだと思います。

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