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翁長知事の作業停止指示は無理筋だ


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 普天間基地の辺野古移設問題で、沖縄県の翁長知事が移設の作業停止を沖縄防衛局に求めた件では、マスコミの世論調査で過半数の人が賛同しているのだそうです。この結果には大変驚きました。この件について今回は考えたいと思います。

 まず、翁長知事が沖縄防衛局に環境保全を理由として移設の作業停止を指示したことに対して、なぜ総理大臣とか防衛大臣とか環境大臣とかではなく、農水大臣がその指示の効力を停止させることができるのかについて、その関係性がわかりにくいかと思います。この点を考えましょう。

 実は翁長知事が許可を取り消した根拠は水産資源保護法に基づくものです。この法律の第一条には「この法律は、水産資源の保護培養を図り、且つ、その効果を将来にわたつて維持することにより、漁業の発展に寄与することを目的とする。」と書かれています。つまり、辺野古への移設工事が漁業の妨げになる水産資源の保護を損ねる処置になっているので、これを停止せよと翁長知事が求めたことになります。ですので、所轄の農水省が対応することになるわけです。

 ところで、埋め立て作業を行っている辺野古の海域は、こうした水産資源の保護のために重要な地域なのでしょうか。辺野古の工事を開始するにあたっては、地元の漁業協同組合と漁業権の交渉で決着していなければ、当然作業を行うことはできません。そして、地元の名護漁業協同組合は作業海域の漁業権を放棄していますので、この場所において水産資源保護法を持ち出すこと自体が無理筋なのです。移設作業が地元の漁業に影響を与えることはないわけです。そんなことを翁長知事が理解できていないはずがありません。もともと法の精神を逸脱した無理筋であることを100%確信しながら、敢えてそのような処置を取ったというのが、翁長知事の採用した行動の実際です。

 そもそもこの海域におけるブイやコンクリートブロックの設置について特段の手続きや協議が必要かどうかを沖縄防衛局が沖縄県水産課に昨年(平成26年)6月に問い合わせたところ、沖縄県水産課が「手続きや協議などは不要」との返答をしているわけです。知事が変わったからこの回答も変えられるとすれば、法の支配の原則を揺るがす恣意的な運用と言わざるをえません。

 また、翁長知事がそれほど環境問題に重大な関心を寄せているとするならば、沖縄県内のいたるところで行われている埋め立て工事、護岸工事についても停止命令を出すべきでしょう。

 例えば現在、那覇空港第2滑走路建設工事が進められています。こちらの埋め立て予定地はサンゴ礁が連なることで知られている浅瀬ですから、当然サンゴ礁の破壊はどんどんと進んでいます。作業船が接岸できるよう全長約300メートル、幅約30メートルの仮設桟橋を約1年間かけて整備し、そしてこの整備工事の中で最大25メートルにも及ぶ鋼管を海底に刺して周りを囲い、砕石を入れてコンクリートで舗装しているわけです。そして今後は、この桟橋を使って土砂や砕石を運び、埋め立て部分を囲うように護岸を建設する予定になっています。

 南西諸島最大級の干潟と言われる泡瀬干潟での開発工事に対しては、自然保護を求める住民の反対によって訴訟も行われていますが、これに対して翁長知事は「粛々と進める」という立場を崩していません。

 以上でわかることは、翁長知事は辺野古の海域での環境破壊に目に余る行為が見受けられるので、これを停止させるために知事の権限を発令したのではなく、法の精神を逸脱した無理筋のいちゃもんをつけることで、工事の進展を押しとどめたいと考えているにすぎないということです。ここまで恣意的な法の運用は断じて許してはならないのであり、従って個人としてどのような見解を持とうが、翁長知事の今回の停止指示は許してはならないものなのです。

 こうしたことの本質を報じようとしないいつもながらのマスコミの姿勢には、改めて苦言を呈したいと思います。


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コメント

1. 朝香豊さんのブログに遊びに来ました!

記事読みました!
親近感を感じるブログです♪
勉強になりました。またきます!

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