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ようやく浮上してきた電力自由化の問題点


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 今朝(平成27年4月7日)のSankeiBizに面白い記事(緊急時の余剰電源確保を検討 政府、自由化後の設備廃棄懸念)が出ていました。
http://news.goo.ne.jp/article/businessi/business/communications/fbi20150406005.html

 要約すると、以下のような感じです。

 電力自由化によって事業者のコスト競争が激しくなると、老朽設備の廃棄が進む可能性が高い。ホルムズ海峡封鎖などで石油や液化天然ガスが輸入できなくなる事態も考えられる。こういう問題が生じないように対策が必要で、政府はその検討を開始した。

 遅ればせながら、政府がその検討を開始したのは歓迎すべきことですが、他方で電力自由化によって最も懸念されるこの件について、これまでろくに検討せずに自由化が推し進められてきたことには驚きを禁じ得ません。まず電力自由化という結論が先にあったということを、政府自ら認めたという話でもあります。

 ただ、この検討によって問題は解決されるのかといえば、道のりはかなり厳しいことが予想されます。

 まず第一に、老朽施設を維持するための補償を電力会社に対して行うとすれば、電力自由化によって新規参入しようとする企業との間で競争上の平等の確保の点で問題が生じることになります。この点について新規参入をしようとする企業、とりわけ外資からの強い抗議が生まれることが予想されます。

 第二に、老朽施設を維持させれば問題が解決するわけではなく、老朽設備を適切に新施設に更新させることの方が大切なはずですが、これが電力自由化によってできにくくなるという側面があることです。余剰電力のために設備更新を行うということは、自由化後の電力会社にとっては自殺行為です。適切な設備更新を促すために何らかの補助を与えるとすれば、それこそ新規参入企業の怒りを買うことになるでしょう。

 知恵を集めて何らかの合理的な落としどころを見つけてくれることを期待していますが、今頃になって慌てて対策を考えようとするのであれば、電力自由化なんてもともとやらなければよかったのではとの皮肉も言いたくなります。

 電力のことを考える際に、①安定供給、②電気料金、③安全対策、④電力の品質の4つについてはしっかりと考える必要がありますが、このいずれについても十分な検討を行わずに自由化を押し進めてしまったツケを、私たちは今後払う必要があることを覚悟しておかなくてはならないでしょう。


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コメント

1. コメントありがとうございました

なんでも自由化されてきましたが、何一ついい事なかったような…
気がしますよ

2. Re:コメントありがとうございました

>初護ちゃまさん

コスト削減で安全性が損なわれてきている感じがあります。山手線の支柱が倒れたのも、点検費用の削減と関係あるでしょう。今回は倒れかかっているのがわかっていて放置した事故ですが、実はグラグラなのに放置されている支柱が他にどれだけあるのか、結構恐ろしい話です。今、巨大地震が襲ったらどうなるのか、笑えない話です。

3. Re:Re:コメントありがとうございました

>朝香豊さんへ
ホントですよね~
JALの墜落事故だって、結局は利益主義に走った結果のようですし
削減するにしても、できるところを慎重に判断しないと取り返しがつきませんよね

4. 無題

最近、こんなニュースをみかけました。

関電、千葉に火力発電所建設へ…自由化見据え
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150413-00050032-yom-bus_all

・・・仮に自由化を良しとするにしても、旧来の電力会社どうしでシェアを奪い合う状態は、
電力自由化のあるべき姿だとは思えません。


↓また、間接的には関係ありそうな記事なので、あわせてご紹介します。

再稼働差し止め決定文「曲解引用された」 地震動の専門家が困惑
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150415-00010001-fukui-l18

5. Re:無題

>ハチさん
素晴らしい記事を2つご紹介いただき、ありがとうございました。
「理念」と「現実」の中で、「現実」が軽視されがちである状態の問題点を、国民の間で共有できるようにしたいものです。

6. コメント返しありがとうございます。

> 朝香豊様

コメント返しありがとうございます。

↓次のニュースは、最新エントリーの方にコメントしようか思ったのですが、関連性が高そうなので、こちらで御紹介します。

東電無謀「サポート切れOS更新しない」節約、無駄遣い監視の会計検査院が異例の「お金使え」
ttp://www.sankei.com/premium/news/150420/prm1504200006-n1.html

原発停止による燃料コスト増や賠償等でそのお金が無いからでしょうに…。
それよりも、送電線のメンテナンスが滞っていないか心配です。

本文中でもあるように、東電は既に前倒しして更新したというのに、このタイミングでニュースになるのがよくわかりません。
また、インターネットと繋がっていないシステムは、極めて特殊な運用下にあり、直接攻撃されることはあり得ないこと、そして、実際に同様な理由で現在でもWindowsXPを継続して使っているケースは、公共・民間問わずいくらでもあるということを会計検査院は知らないのでしょうか?

この話題とは少し話がそれますが、
「エネルギー政策を原子力に舵を切った理由の一つにオイルショックがあるというのに、
『火力で十分足りている』と言うのは無責任だ」
という言説もあります。
どうか、一時の感情論に流されることなく、エネルギー政策の将来について真面目に考えてほしいと切に願います。

最後に余談ですが、↓WindowsXPを使い続ける方法はいくらでもあるようですね。
(そもそも、マイクロソフト社の都合でサポート終了→即「危険!」という理屈も変ですよね。
そういえば、WindowsXPの継続使用が原因でウィルス感染等の被害に遭ったという話、聞かないですね。
だからと言って安全だというわけではありませんが、セキュリティーリスクはOSの新旧に関係なく潜んでいると考えるべきでしょう。)

サポート終了以降のWindowsXPサポート対応について調べてみた。
ttp://d.hatena.ne.jp/Kango/20140406/1396780248

GoogleがWindows XP向けChromeのサポートを2015年いっぱいまで延長
ttp://gigazine.net/news/20150420-google-chrome-windows-xp-2015/

7. Re:コメント返しありがとうございます。

>ハチさん
前回に加えて、貴重な情報ありがとうございます。
まあ、何らかの機会で記事に利用させて頂きたいと思います。

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