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シーレーン防衛を軽視してはならない


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Yahooニュースに、以下の記事が出ました。

2012年10月9日、香港紙・「信報」は中国と日本が開戦した場合の日本の弱点について報道した。報道では、日本の陸地は中国広東省の約2.1個分で、 陸地における戦略に長けていない国だと評価した。また、水産物や農産物以外はこれといって重要な資源を保有しておらず、石油や石炭、銅に鉄、餃子に至るま で輸入に頼っている。そのため、仮に中国が日本と開戦した場合、中国は日本の主要な海上交通路を絶つことで、日本に砲撃を行うことなく飢え死に追い込むことができると報道した。
  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121010-00000011-rcdc-cn

これに対するネットの反応を見ていると、一様に楽観的にすぎる感じがし、私としてはかえって懸念を覚えました。

確かに現在の中国海軍の力で海上封鎖ができるのかといえば、それはまだまだ無理だというのが実際でしょう。世界最大の軍事大国アメリカが近年中国の台頭に対して警戒感を強めており、あのベトナムとも今や強い関係を築いているのもよく知られるようになりました。アメリカなどに対しての中国の力はまだまだ脆弱であるのは確かです。

ですが、こうした力関係が数十年後でも変化していないものなのでしょうか。40年前に日中が国交回復をした時に、中国の経済力がここまで上がると予測した人は殆どいなかったと思います。数十年という変化を軽視しないで考えておく必要があります。

ストックホルム国際平和研究所のデータに基づくと、今なおアメリカの軍事費は世界中で突出しており、世界の軍事費の4割をアメリカ1国で占めています。しかしながら、世界銀行のデータに基づくと、アメリカのGDPの世界シェアは既に20%を切ってきています。つまり、本来の経済力を大幅に上回る軍事支出をアメリカが行っていることがわかります。軍のメンツもあり、いろいろと揺れ戻しも働くことはあるでしょうが、アメリカが世界中に軍隊を展開している状態というのは、長続きしない必然性があるということを、私たちは理解しておくべきではないかと思います。

アメリカのロッキー山脈一帯には、サウジアラビアの3倍に相当する石油が見つかったとの話もあり、シェールガス革命で天然ガスも十分自給できるようになりました。つまり、エネルギー政策を考えた場合に、アメリカが外に積極的に進出する必要性は薄れてきたのです。こうした変化も考えた時に、今まで通りのアメリカが続くかのように考えているのは、現実的とはいえないわけです。

そして、アメリカのプレゼンスが後退した時に、東アジア内での軍事バランスが崩れ、相対的に中国のプレゼンスが大きくなることも、私たちは見据えておかないといけません。そして例えば、大きくなった中国のプレゼンスに台湾が屈服するということも、当然起こりうる話です。

中国は、アメリカが退潮した後の東アジアを既に構想しており、それに向けての布石を着々と打ってきています。例えば中国はカンボジアとの関係を特別に強めることにより、ASEANを分断する工作を進めています。
  リンク先は「議長国カンボジアを融資漬け 中国のASEAN分断工作」という、産経新聞の記事

このような状態の中で、我が国としてもこれにしっかりと対応する必要性が高いのではないかと思います。

世界は悪の論理で動いているという現実を見据え、何もしなくても安全で平和でいられるという幻想から脱却し、我が国が自国の国益を守りながら世界の平和と安定に寄与していける方策を、積極的に考えて打ち出していくべき時に来ていると思われる方は、クリックをお願いいたします。


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