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情報管理の強化には法制度の整備の視点を持つべきだ


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 日本年金機構に対するサイバー攻撃が行われ、情報窃取が発生した事件についてですが、野党側から非常に厳しい政府に対する追及が行われています。厳しい批判がいけないとは思いませんが、しかしながら野党の批判の方向性については率直に言って違和感を覚えます。

 まず、現在の政府による情報管理の甘さを指摘するならば、役人の意識の甘さや対応の杜撰さを指摘するだけでなく、甘い情報管理を許さない制度設計の話とつながらなければならないはずです。そしてそれは当然法制度とも絡む話であるべきなのに、そういった視点での議論がなぜか全くなされていないません。

 この点で我々が留意しなければならないのは、特定秘密保護法と今回の事態との兼ね合いです。国家の情報管理を抜本的に強化する必要から特定秘密保護法が生まれたのはいうまでもありませんが、今回の事態は特定秘密保護法によって防ぎえなかったのでしょうか。

 特定秘密保護法では、特定秘密の取扱いの業務を行うことができる者がたとえ過失であったとしても特定秘密を漏らした場合には、2年以下の禁固もしくは50万円以下の罰金が課されることになっています。つまり過失であったとしても処罰が行われる規定があるわけです。しかし、特定秘密保護法が対象とする特定秘密の範囲は、①防衛、②外交、③外国の利益を図る目的での特定有害活動の防止、④テロ活動の防止の4項目についてのみとされており、日本年金機構が保有する国民の年金に関する情報はその対象とはなっておりません。つまり、特定秘密保護法の網にはかかっていない案件だということになります。

 ここで考えてもらいたいのは、もし特定秘密保護法が年金情報を特定秘密の中に指定していたならば、この情報の漏洩を許さない特段の仕組みが年金情報の取り扱いにおいて構築されていたであろうということです。野党側が政府による情報管理の甘さを指摘するのであれば、特定秘密の範囲を拡大して、今回の年金情報のような事案についても情報漏洩を許さないように法改正を主張するべきでしょう。特定秘密保護法とは別に国家情報保護の立法を行い、そこで年金情報などの情報を扱わせるようにするというのでも構いませんが、いずれにせよ情報管理を厳格化させる立法処置を考えなくてはならないはずです。法制度が社会が求める情報保全を満たしていない点をスルーして、役人の意識や対応の甘さだけを指摘しても、建設的な議論にはならないはずです。国家による情報管理を過度に恐れるあまりに秘匿すべき情報の範囲を厳しく制限しすぎたことが、今回の事件の遠因となっているという視点も持つべきだと思います。

 また、野党の追及において完全にスッポリと抜け落ちている点は、このようなサイバーテロを行う犯人側に対する意識です。役所の側の情報管理が甘いことも当然問題ですが、より大きな問題は強力な組織的な背景を持った犯罪集団が悪意を持って攻撃を行っているという事実です。いくつかの証拠からすると、今回の事態については中国が国家として仕掛けている可能性が高いということは、国会議員であれば当然知っていることでしょう。もちろんこれについてはなりすましの可能性もあるとは言えますが、いずれにせよ強大な外国政府などが悪意を持ってサイバー攻撃を仕掛けてくることは当然あることとしてみなさなければならないわけです。こうした時代の中で、我々が行うべき対策が雲を掴むような理想論ですまされてよいわけがありません。外国政府などによる悪意の可能性を直視し、今回の事態を日本国家に仕掛けられた危機的な事態であるかもしれないとの認識に基づいて論じるならば、議論の方向は明らかに変わるはずです。高度にシステマティックな攻撃に対して防御できるシステマティックな防御をどう築くかということであり、それに合わせた行政機構の改革まで手を付けられるような法的な裏付けが必要になるはずです。そうした方向の議論ではなく、単に公務員の意識の低さや鈍さのみを問題として論じることは、建設的な議論とはいえないでしょう。

 さて、国民世論からして、我が国のサイバー部隊が外国政府を相手としてサイバー攻撃を仕掛けることは許されることではないでしょう。しかし現実にはサイバー攻撃を仕掛けて諸外国の防御の仕組みについての知見を高めていかないと、最先端のサイバー攻撃の実際について日本政府がノウハウを蓄積することには大きな限界があることも率直に指摘せざるをえません。我が国政府にはこうした点で諸外国に比べて非常に高いハンディキャップを負わされているのであり、その前提を認めつつも国民が安心できるレベルでの情報管理を行えというのは、あまりに理想論的にすぎるといわざるをえません。この前提を受け入れた上で我が国で徹底した情報管理を進めようとするのであれば、我が国の国家情報管理のあり方は、少なくとも諸外国と比してさらに厳しいものとなっても仕方がないのが現実だといえるでしょう。この点から考えても、特定秘密の範囲を広げ、国家が真剣に国民の生命と財産に関わる情報を守っていける体制を築いていこうとするのが最低限求められるあり方になるわけで、そのような情報管理の方向性に否を突きつけるのであれば、今回のような事態は起こったとしてもやむをえないと言わざるをえないわけです。厳しい情報管理の制度を整えることに反対しながら、情報漏れが起こったら安直な批判をするというのは合点がいかないということに、私たちは気付くべきです。
 
 このような立場に立って今回の事態を眺めた場合に、野党の追及がいかに現実離れしているかが容易に理解できますし、マスコミの報道も随分とおかしなものになっていることに気付くかと思います。

 政府の側にしても、このような視点からの反論を行っていくべきであり、及び腰の対応を取っていることが却って政権を打倒しようとうごめいている勢力に力を与えていることに気付くべきだと考えます。


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コメント

1. 脱 国民洗脳なら副島隆彦の学問道場


強欲ユダヤ金融による、超高速取引がもたらす官製相場の暴落が始まるぞ! アメりカの洗脳広告代理店、電通による、テレビ、新聞、週刊誌、ラジオ等の、マスコミを使った偏向報道で、見事な国民洗脳をされ続ける日本人は、自分自身の脳、すなわち思考そのものを点検せよ! さらにネット洗脳システムのツイッターやフェイスブック利用者、まとめサイトには注意が必要である。 我々はハッ、と気付いて、常に注意深く、用心して、警戒し、疑いながら生きれば、騙されることはない。 すべてを疑うべきなのだ!

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