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GPIFの運用の好調には逆に危機感を持とう!


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 厚生年金と国民年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、平成26年度の運用利回りが12.27%で、が15兆2922億円の黒字だったと発表しました。ちなみに、平成26年度末(平成27年3月末)での資産構成割合は国内債券39.39%、国内株式22.0%、外国株式20.89%、外国債券12.63%、短期資産5.08%だと公表されました。この報道を喜ばしいと思われた方は多いかと思いますが、私は逆に背筋が寒くなる思いがしました。

 GPIFの運用比率の改訂は平成26年の11月頃の話で、国内債券を60%→35%、国内株式を12%→25%、外国株式を12%→25%、外国債券を11%→15%にするとしていましたので、このわずかな期間のうちに「目指すべき」資産構成割合を目指して急速なシフトが実際に進んだことがわかります。それが円安と株高を背景に、一見極めて順調な運用実績になった理由です。

 しかしながら、円安と株高といった特殊要因は当然永続的なものではありません。むしろ目下、ギリシャ危機に端を発するユーロ金融危機や中国株のバブル崩壊がどこまで広がるかが見通せない中で、運用資産の過半がリスク資産となっていることの恐ろしさを実感してもらいたいのです。

 理論上はリスクがここまで顕在化してきた状況下ではリスク資産の保有割合を思い切って引き下げることが求められますが、例えばすでに22%にまで達している国内株式を10%以下にまで引き下げることは極めて難しいでしょう。年金基金が保有する資産はそれほどまでに大きいということを、私たちは忘れるべきではありません。一般に株価が上昇する時には売買は活発になっていきますが、株価が下降する時には売買は低調になります。売買が低調な市場で20兆円ほどの売り圧力をかけることは極めて困難です。

 そもそも資産価格の上昇に伴う資産効果によって景気を浮揚させようという政権側の意向に従ってなされた資産構成比率の変更ですから、売り圧力をかけて価格の引き下げに貢献するような処置がどこまで認められるのかについては、かなりの疑問符がつきます。

 これ以上円安がどんどん進むとは思えないでしょう。また国際金融危機の広がりに対して危機感を持たなければならない環境下にも間違いなくあるでしょう。この状況下で運用比率の変更がしにくいとすれば、今後の年金運用は、現状維持どころか大幅なマイナス利回りになる可能性すらはらんでいるといえるわけです。年金という長期間の安定運用を図るべき資産を将来の運用成果が読めないところへ多額に投資する危険性を、私たちはよく認識しておくべきだと思います。


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