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安倍談話について


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 今回の安倍談話について、マスコミの中には相変わらず否定的な論調が多いのには閉口します。

 反省はなにゆえにすべきなのかといえば、それは将来を誤らないためでしょう。その点で、どのような将来を作ろうとしているのかというメッセージが最も大切なことだと言えます。

 安倍談話が今後あるべき姿として描いているのは、「自らの行き詰まりを力によって打開しよう」とすることを否定し、「いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべき」との原則をこれからも固く守り、世界の国々にも働きかけていくということでした。

 日本の主要テレビ局や朝日新聞、毎日新聞などは、こうした将来へのメッセージを明確に示していることをどう考えているのでしょうか。彼らはこうした将来へのメッセージに対して十分な肯定的評価を与えることを全くしていません。

 こうしたあり方からすると、彼らはどうもこうした将来メッセージが必要なものだとは考えておらず、とにかく「戦前の日本=悪」との論調をより明確に位置づけるべきという立場に立っているように見えます。そこにあるのは謝罪のための謝罪であり、決して将来に活かすことを前提とした反省ではありません。

 このように見た時に、彼らがこのようにあるべき将来像について明確なビジョンを示した安倍談話を肯定的に評価しないことの陰に中国を感じざるをえないのです。突出した軍事力を背景に、どの国のものか確定していない海域を埋め立てて自国領化を押し進めるような行為を今まさに平然と行っている中国。力による打開を現に行っている中国の問題は、まさに現代の課題でしょう。こうした中国を牽制するような側面を持つ談話には、彼らは無条件に抵抗を感じるようですが、現代的な問題の拡大を防ぎ、今後の世界に平和をもたらしていこうという立場に立つならば、むしろ今回の安倍談話のような将来メッセージこそが求められていたと言うべきでしょう。

 今回の談話に対しては、私心としては積極的に肯定できないところもありますが、民主政治のもとで多くの声を反映させねばならない立場にある首相の談話としては、よくできたものだと評価したいと思います。戦前・戦中に対するお詫びをすべての出発点にする戦後のあり方に一区切りを付けようとした総理の見識にも高い評価を与えたいと思います。

 ただ、それでも私が将来のことを考えて懸念しているのは、「いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない」との文言を入れてしまったことです。憲法9条の改正を目指すに際して、この文言の削除に待ったをかけてしまったことが正しかったとは私は思えないのです。

 外交において理性的な話し合いのみで解決を見いだせるのは、極めて限られた話にすぎません。北朝鮮との拉致被害者の返還交渉が難航しているのは、日本の外務省が誠実な話し合いを行おうとしていないからではないでしょう。武力の威嚇が時に必要になる現実の否定は、拉致問題においても、東シナ海、南シナ海をめぐる中国の強権的な動きの抑止においても、いい効果を持つことはないでしょう。この点だけは決定的に残念に思いました。


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コメント

1. おっしゃる通りですね

「いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない」との文言
これは要らなかった…
私もそう思います
なぜなら、核保有国がすぐ側にあるということ、そしてそれらの国は道徳、法等など通用しないということ。
いつ投下されてもおかしくありませんからねー
危機感の欠如なんてものではないですね
「いかなる」とまで書いてありますものね
はっきりいって、今の日本は狙い目ですよ
だって、核保有してないんですから
同等でない

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