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シリアに関して手打ちがあったと考えるべき


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 世界においては実に不可解な動きがいろいろと起こっています。

 ロシアによるISISやシリアの反体制派に対する攻撃に対して、アメリカは激怒するような顔を見せながら、一方でこのタイミングで空母セオドア ・ルーズベルトをペルシャ湾から撤退させました。表向きは2ヶ月前に発表した定期的なメンテナンスのためということになりますが、事態が急変している中で単なる定期的なメンテナンスの予定を動かさないのはあまりに不自然です。しかもアメリカはISIS掃討のために行ってきたシリアの反政府勢力に対する訓練を大幅縮小させることも発表しました。
http://www.nbcnews.com/news/world/russia-bombs-syria-u-s-pulls-aircraft-carrier-out-persian-n440731
http://mainichi.jp/select/news/20151010k0000m030123000c.html

 さらに不思議なのは、イスラエルの反応です。イスラエルとシリアは民族・宗教の対立を抱えているだけでなく、ゴラン高原の領有問題でも対立している上、シリアはイスラエルの天敵ともいえるイランとも盟友関係にある国です。それなのに、アサド政権支援の立場からシリア介入を強めたロシアを、イスラエルのネタニヤフ首相は批判することを行いませんでした。それどころか、アメリカやNATOのロシア批判の姿勢には加わらないことを表明し、事実上ロシアのシリア介入を容認しました。
http://www.reuters.com/article/2015/10/03/us-mideast-crisis-syria-netanyahu-idUSKCN0RX0N520151003

 同様にアサド退陣がシリア和平の前提だとの立場に立っていたサウジアラビアも、アサド政権の当面の存続を容認する意思をロシアに対して明らかにしました。
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-10-11/putin-says-russia-s-campaign-in-syria-more-effective-than-u-s-

 さらに10月2日に閉幕したウクライナ問題を協議する4カ国のトップ会議(ドイツ、フランス、ウクライナ、ロシア)について、ドイツのメルケル首相はウクライナ東部からの重火器を撤去させる手続きについて合意したことを高く評価しながら、クリミアがウクライナに戻ることはないと発言し、事実上クリミアがロシア領であることを認めたと、ロシア系の通信社のスプートニクが発表しました。
http://sputniknews.com/politics/20151003/1027980523/merkel-admits-crimea-is-part-of-russia.html

 こうした一連の流れについて完全な説明を加えることは甚だ困難だと言わざるをえません。しかしながら、米露の間ではクリミア半島、黒海、さらには地中海のラタキア軍港(シリア領内)に至るまでのロシアの権益を認める一方、イスラエルやサウジアラビアの要求にも応じる妥協的処置をロシア側に約束させるような合意がなされたと考えるのが合理的であるように思います。その妥協的処置が何であるかは完全な憶測にしかなりませんが、平和的な手段でアサドを退陣させて新たな政体に移行するということかもしれません。実は2012年に同様の提案がロシア側からあったのを欧米が拒絶したとの話を、フィンランドの大統領だったマルッティ・アハティサーリ氏が1ヶ月ほど前に明らかにしています。サウジアラビア側の話からもどうもそういうニュアンスが感じ取れるところがあります。
http://www.theguardian.com/world/2015/sep/15/west-ignored-russian-offer-in-2012-to-have-syrias-assad-step-aside?CMP=share_btn_tw

 どういう手打ちがあったかはわからないですが、とにかくロシアが中東に影響力をある程度行使できることをアメリカは容認したということではないかと思います。メルケルもそうした米露の流れを理解した上で動いているのではないかと思われます。

 表面的な対立は今後もおそらく演出されるでしょうが、その内実は出来レースであると考えた方がよいかもしれません。


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