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沖縄での米兵等による犯罪は、正確な数字に基づいて冷静に議論しよう



沖縄県うるま市の女性会社員が行方不明になっていた事件で、元アメリカ海兵隊員で、軍属のシンザト・ケネス・フランクリンが死体遺棄の疑いで逮捕されました。取り調べの結果、強姦する女性を物色した後に起こした計画的な犯罪だということも明らかになってきており、罪のない日本女性がこうした鬼畜の犠牲になったことには、ただただ許せない思いを抱くのみです。

しかしながら、この件に関して沖縄県の翁長知事の発言には違和感を禁じえません。翁長知事は「綱紀粛正とか徹底した再発防止などというのは、この数十年間何百回も聞かされました。しかしながら、現状は全く何も変わらない。米軍基地があるがゆえの犯罪であり、大きな怒りと悲しみを禁じえない。」と述べられました。

返還前の沖縄においては米兵等の傍若無人ぶりはかなり目立ちましたし、返還直後の沖縄においても米兵による凶悪犯罪(殺人、砲火、強盗、強姦)はひっきりなしに起こっていたといえるでしょう。沖縄県が出している「米軍構成員等による犯罪検挙状況」という資料によれば、返還から5年後の昭和52年に米軍構成員等(米軍人、軍属、家族)が引き起こした凶悪犯罪は年間で69件にも上ります。これは週に1件以上の凶悪犯罪が発生していた計算になります。これが平成24年には年間で2件、平成25年には年間で0件、平成26年には年間で1件にまで激減しています。(なお、平成27年は確認できませんでした。)つまりこの40年ほどの間に、米兵等による凶悪犯罪は激減しているわけです。

刑法犯全体で見ても、平成24年で年間54件、平成25年で年間38件、平成26年で年間27件となっており、沖縄県で年間に発生する刑法犯の件数(3500件ほど)と比べて、ほぼ1%程度に収まっています。昭和52年に10%を超えていたことからすると、隔世の感があります。翁長知事は「現状は全く何も変わらない」と述べましたが、実際には劇的に良くなっているわけです。

今回の事件を受けて沖縄タイムスは「沖縄県警のまとめによると、1972年の本土復帰から2014年までの米軍人・軍属とその家族による刑法犯罪の検挙件数は5862件だった。うち、殺人、強盗、放火、強姦(ごうかん)の凶悪事件は571件で737人が検挙された」と書きました。私が見た資料と数字は一致しており、挙げられている数字に間違いはないのですが、刑法犯全体にしても凶悪犯罪にしても、米兵等による犯罪が近年激減している事実に全く触れないのは、アンフェアであると言わざるをえません。

つまり、翁長知事にしても沖縄タイムスにしても、今回の事件を心から憤っているわけではないように感じられます。むしろ今回の事件を歪んだイデオロギーに利用できる絶好の機会として捉えている様が透けて見えるわけです。

今回の事件を受けて、在沖縄米軍のトップであるローレンス・ ニコルソン沖縄地域調整官とジョエル・エレンライク在沖米総領事が沖縄県庁を訪れ、安慶田(あげだ)光男副知事に直接面会して謝罪し、綱紀粛正を誓われました。両氏は深々と安慶田副知事に頭を下げ、特にニコルソン調整官は腰を90度に曲げる最敬礼で安慶田副知事に応対されました。このことは、米軍が沖縄の人々を何とも思っていないわけではなく、むしろ極めて神経質に気にかけていることを如実に示すものです。

深々と謝罪するニコルソン沖縄地域調整官とエレンライク総領事

米軍には道理に基づいてきちんとものを言うべきですし、卑屈になる必要は何もないとは思います。しかしながら、米軍が綱紀粛正のために多大な努力を払い、実際に犯罪を激減させている事実については正当に評価すべきだと考えます。ニコルソン調整官の見せた最敬礼を単なるポーズに過ぎないかのように扱うのは、あまりに歪んだものの見方だと言わざるをえません。

なお、「米軍構成員等による犯罪検挙状況」は以下の資料の105ページをご覧下さい。
http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/documents/05ennsyuukunnrennoyobijikennjikonojyoukyou2jikennjiko.pdf

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