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日米地位協定の実質的な改訂



オバマ大統領はベトナムを経由して翌日の伊勢志摩サミットのために訪日したその夜に休む間もなく安倍総理と首脳会談を行いました。日米には懸案事項がいろいろとある中で、議論の大半はうるま市の女性会社員の強姦・殺人事件について割かれ、首脳会談後の記者会見でもこの話題が中心となりました。

マスコミ報道では日本側が日米地位協定の見直しに言及することがなかったと、安倍総理を暗に批判するようなことが行われていましたが、これはあまりに表層的なものの見方であるように思います。

日米地位協定をめぐっては、日本の法律を破った米軍人・軍属に対する治外法権のあり方に対する非難がこれまであったわけですが、この件についてオバマ大統領が記者会見で「日米地位協定ですけど、これが存在するからといって、このような犯罪を犯した者が日本の司法制度におきまして、しかるべき裁判を受ける、訴追を受けることを妨害するというようなことはない」、「このような恐ろしい犯罪はしかるべく司法制度の下で裁かれるべきです。家族に対しても、そのような正義を実施できるような形で行うべきであると思います」と発言したことは、言うならば「解釈改憲」に近いレベルでの日米地位協定の「運用改善」がなされたことを意味するとはいえないでしょうか。凶悪犯罪を犯した者が日本の司法制度のもとで裁判を受け、訴追を受け、家族に対しても正義が実施できるような形で処罰を行うというのであれば、これはこうした件では米側の治外法権を認めなくていいと言っているに等しいわけです。

安倍総理も「日米地位協定については、一つ一つの問題について、目に見える改善を着実に具体化し、しっかりと結果を積み上げます。そうした中で、日米双方が努力を重ね、地位協定のあるべき姿を不断に追求していきたい」と述べました。米側の顔に配慮して、確かに「地位協定の改訂」といった言葉は使っておりませんが、その「あるべき姿を不断に追求」していくとしているのは、文言の実際の改訂にまで結果として踏み込むことになることを排除しているものではないはずです。そして今回の首脳会談においても安倍総理の側からの提起によって、「解釈改憲」的な運用改善が実現したともいえるわけです。

こうした側面を素直に報じない日本のマスコミは歪んでいると私には感じられます。

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