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トルコクーデター未遂事件の背後に米露対立がある



トルコのクーデーター未遂については、イスラム回帰色を強めるエルドアンと、これに反発する軍との対立という図式で報道されるのが一般的ですが、真相は随分違っているように感じられます。

クーデーター未遂が発生した当初の段階で、トルコのスレイマン・ソイルズ労働・社会保障担当大臣は、"The instigator of this coup is United States.”(今回のクーデターの扇動者はアメリカだ)と述べ、チャヴシオール外相も、トルコ南部のインジルリク米空軍基地の軍人らが関与したと発表し、トルコ政府は同基地への電力の供給も停止しています。日を置いてエルドアン大統領も「このクーデターの後ろには他の政府がいる可能性がある。ギュレン派は高い知能を持っており、これら全てを計画できた。時が来れば、全てのつながりは暴かれる」と述べました。トルコ政府は今回のクーデター未遂の背後にアメリカがいることを名指してしているわけです。

トルコの諜報組織MITは今回の未遂事件が起こる数時間前にクーデターが準備されていることを把握し、軍に対して警告していたという報道もありましたが、これより前にロシアの諜報機関がクーデター参加者らの会話を傍受し、この情報がロシアからトルコに伝えられていたとイランの新聞FARSが報じています。

トルコとロシアは2015年11月のロシア軍機の撃墜事件以降険悪な状態になっておりましたが、本年(2016年)6月27日にエルドアン大統領が正式にロシアに対して謝罪し、これを受けて7月1日にプーチン大統領がトルコに対する制裁を廃止する大統領令に署名しました。つまり、エルドアン政権はアメリカとは距離を置くようにしながらロシアに急激に接近する姿勢に転じていたわけで、これに対するアメリカ側の反撃がクーデター未遂につながったと考えられます。トルコはクーデター未遂後にロシア軍機を撃墜した犯人を逮捕しました。撃墜事件によって中止となったロシアの石油パイプライン建設計画の「トルコストリーム」の再開についての議論も始まり、8月9日にはエルドアン大統領とプーチン大統領の首脳会談も予定されています。

エルドアン大統領はクーデター未遂事件の失敗直後に、軍人のみならず司法関係者、警察官、地方の知事などの大量拘束に迅速に動いたことから、今回のクーデーター未遂事件を事件の数時間前まで全く知らなかったというのは怪しいとは思います。恐らく、ロシア接近策によって国内の親米派との対立が深まっていたと思われます。親米派のリスト作りを進め、親米派の追い落としの機会を狙っていた可能性は十分にあります。クーデター計画があるのを察知した段階で、準備が十分に整わないうちに暴発を仕掛けたのかもしれません。

真相は藪の中ですが、米露のどちらにつくことがトルコの今後の国益に資するのかという点での路線対立において、親露派が勝利し、親米派が敗北したのが今回の事件であるというのは、間違いないと思います。

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コメント

エルドアンという独裁者

確か、本来トルコ国は、偉大なケマルアタチュルクの業績により、オスマントルコの崩壊を、見事にたち直し、世俗派としてトルコ近代化を成し遂げたのに、ちなみに明治維新を参考にしたようです、しかしエルドアンという独裁者は、ケマルアタチュルクの史跡を破壊し、ISILの資金源、本人はロシアとアメリカを手玉に取っているつもりでしょうが、そのうち国際刑事裁判所の被告となると私は思います。

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