記事一覧

森友学園の土地取得には、特別大きな問題は存在しない



 森友学園が学校用地として大阪府豊中市の国有地8770平方メートルを購入した際に、その払い下げ価格が近隣の国有地(9492平方メートル)の売却額の10分の1だったとして問題視されています。

 ですが、その内情を冷静に見て行くと、これはそれほど大きく問題視すべきことなのかと思わずに入られません。

 まず問題の土地は伊丹空港の離着陸ルートの下にあり、もともとは住宅地だったのを騒音対策として昭和53年頃、つまり今からざっと40年ほど前に国が買収して緩衝緑地化した場所でした。その際に、この土地は将来にわたって利用されることはない土地であろうと国は判断したようで、上物を取り壊してできた廃棄物をその際に除去せずに、その土地にそのまま埋めるという安直な対応を行ったようです。

 この土地の購入交渉に森友学園が平成27年5月に入りましたが、地価はおよそ9億5000万円となっていて購入資金が不足したので、国との間で10年の定期借地随意契約を結びました。これは最長で10年間にわたって借地として借り受けながら、その間に剰余金を積み立てて購入できるだけの費用が溜まった段階で、その時の時価で土地を購入する契約です。

 森友学園は平成27年の7月から12月にかけて、約1億3000万円をかけて地下3mまでにあるゴミと汚染土を除去しました。この1億3000万円は借地の貸主である国が除去費用を負担すべきものであることから、森友学園の請求に応じて国はこの費用を森友学園側に支払いました。そしてさらに地下3mを超えたところにも汚染があることがわかりました。

 平成28年6月に近畿財務局はこのさらなる深さの汚染物の除去費用を約8億2000万円だと見積もりました。この汚染物は小学校建設の際に一部は除去が必要であるものの、全部を除去せずとも小学校を建設して運営していくことは、法的には問題ないことになります。但し、将来森友学園が小学校を閉鎖して土地の転売をしようとした場合には、汚染物のある瑕疵物件とされ、売買価格には撤去費用分の減額を求められる土地となるわけです。そしてこれをもともとの地価である9億5000万円から算定すると、9億5000万円−8億2000万円=1億3000万円(実際には1億3400万円ほど)で売却されることになったわけです。

 さらなる深さの汚染物の除去費用が8億2000万円も果たしてかかるのかというのは素朴で自然な疑問点だと思います。ここで同じような騒音対策地だったところを豊中市が給食センター用の用地として平成27年に買い上げた土地では、汚染物の除去費用が11億4000万円ほどかかるとの計算が出ていることを知ってもらいたいです。この土地は瑕疵物件だったということで、この汚染物の除去費用は当然国の負担となります。購入費が約7億7000万円でしたから、除去費用の負担の方が重く、国は国有地を売りながらさらに差し引き3億7000万円程の負担をさせられることになります。

 こうした事情を勘案した場合、財務省側の思惑としては、持ち出しにならないのであれば土地を処分しても構わないとの思惑があったのではないかと推察されます。

 なお、豊中市が公園として整備した近隣の土地が約14億2000万円で売却されたと伝えられている件については、7億1,000万円が住宅市街総合整備事業という国庫補助金として、さらに地域活性化公共投資という臨時交付金として6億9,000万円が国から豊中市に支払われています。つまり、豊中市の購入代金である14億2000万円のうち14億円が国からの補助金になっていることから、豊中市の実質的な負担額は2000万円にすぎなかったのが実際です。また、この売買契約が結ばれたのは平成22年3月で、国がこれらの土地に関わる汚染等の調査を行った平成23年11月よりも1年半以上前、つまり土壌汚染の存在を自覚していない段階での売買契約であったという点も公平に見なくてはならないところだと考えます。(より正確に言えば、昔建っていた上物の廃棄物が埋設されていたことは了解していたけれども、それに加えて土壌汚染があることについてはわかっていなかったということになります。)さらに、森友学園に貸付・売却された土地についても、事前に財務省の方から豊中市に対して購入する気はないかとの斡旋がありながら、豊中市がこれを拒んだことによって森友学園との話が進んだという経緯もあります。

 森友学園の系列の幼稚園である塚本幼稚園で「大人の人たちは、日本が他の国に負けぬよう、尖閣列島・竹島・北方領土を守り、日本を悪者として扱っている、中国、韓国が、心改め、歴史で嘘を教えないよう、お願い致します。安倍首相、ガンバレ! 安倍首相、ガンバレ! 安保法制国会通過よかったです!」という選手宣誓を子供たちにやらせているのは教育的にどうなのかというのは当然の疑問で、私もこれには疑問を覚えますが、この話と土地購入に関わる話は切り分けて考えるべきではないでしょうか。

 以上の経緯を丁寧に報道せずに、この問題を何とか巨大な疑惑であるかのようにして安倍政権への打撃に使おうとするマスコミのあり方には、大いに疑問を感じるところです。

 よろしければ、ブログランキングへの投票をお願いたします。(下の画像をクリック!)

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

朝香豊AY

Author:朝香豊AY
FC2ブログへようこそ!