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国家というものの捉え方(2)



 前回、共産主義の考え方では国家は階級支配のための暴力装置(軍隊・警察など)を持った機構だとみなされているということを書きました。彼らからすると、仮に選挙で彼らが多数派を形成したとしても、軍隊や警察は資本家の階級支配のための暴力装置であるから、自分たちに刃を向けてくると考えます。彼らは議会制民主主義を尊重するような言動を日頃行っていたとしても、議会制民主主義の手続きだけで自分たちの理想が達成できると考えることを誤りだと捉えます。彼らからすれば、資本家が押さえている国家権力を打ち砕かないと理想は実現できないわけで、この点を過小評価すべきではないというのが彼らの考えです。従って彼らの邪魔になるはずの軍隊や警察の力はなるべく小さいほうが好ましいということになります。彼らが「反戦」「平和」を謳う背景にはこうした狙いがあることを見落とすべきではありません。「反戦」「平和」を唱えることで「軍拡」=「暴力装置の拡大」をできる限り防ぎ、軍隊が自分たちを抑圧する暴力だと宣伝することで人々の間に軍隊に対する嫌悪感を植え付けることができれば、それだけ革命の可能性が広がるということになります。

 ロシア革命を成功させたレーニンは、「戦争を内戦へ」というスローガンを掲げました。平時では打倒できそうにない強大な国家権力が戦争遂行によって疲弊するため、この戦争を内戦(資本家の政府を倒すための労働者の闘い)に転化させられれば、革命に勝利する可能性が出てくるというのがその理論です。そして実際にロシアにおいてこのやり方で革命を成功させたわけです。即ち、自国が外国と戦っている時に、自国が負けるように自国の政府に対して様々な妨害を行い、自国が敗戦に陥ることを画策するというやり方で革命を果たしたのです。

 こうしたやり方を正しいと考えていると、この点を外国勢力に狙われることになるでしょう。実際、日露戦争の時には日本陸軍の明石元二郎はレーニンなどの左翼勢力に対して多額の資金援助を与え、血の日曜日事件とか戦艦ポチョムキンの反乱などを引き起こさせ、帝政ロシアを揺さぶったとされています。もっともこれを否定する説もあり、歴史家として丹念に事実を追っているわけではない私には真相がどうであったかはわかりません。ただ、こうした考え方には外国勢力につけこまれやすい弱点がもともとあるということは間違いなく言えます。

 実際、第一次世界大戦の時に東部戦線でロシアと、西部戦線で西欧諸国と戦っていたドイツは、ロシアの弱体化を狙ってスイスにいたレーニンをロシアに帰国させることを画策しました。敵国ロシアを弱体化させることはそれ自体でも大きな価値がありますし、さらにロシアとの戦闘が止まれば、東部戦線と西部戦線の両戦線に分断されていた軍を西部戦線のみに集中させることができるようになり、戦争遂行上の利益は非常に大きかったのです。レーニンをスイスからロシアに帰国させるためにはドイツ領内を通行させなければなりませんが、敵国ロシアの人間であるレーニンをドイツ領内に入れることは法的にできませんでした。そこでドイツ人の軍や警察が列車内の検問などができない「封印列車」を用意し、そこにレーニンを乗せてドイツ領を通過させる案を提起し、レーニンの了解を取りました。つまり、レーニンはこのことが敵国ドイツを大いに利することを重々承知しながら、その提案に乗ったわけです。

 共産主義者の頭の中は、どうすれば国家権力を弱体化させられるのかでいっぱいだと思ったほうがよいでしょう。そのためには自国政府と敵対している外国に利用されることも厭わないわけです。事実に基づかないような批判がどれほど多くても、それに耐えている安倍総理のことを、彼らはヒトラー並の独裁者であるかのように扱いながら、ヒトラードイツ顔負けの独裁国家ぶりを発揮している習近平中国に対しては腰が引けたような批判しかしない背景には、こうした考え方が根底にあることに気付いておきたいところです。彼らの唱える「反戦」「平和」の意味付けが、この国家権力の弱体化という意図と結びついているものだということを、正確に捉えておく必要があります。

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