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日産ゴーン逮捕に関して



 日産のゴーン会長が逮捕された。会社のお金の様々な経路での私的流用などが指摘されているが、話をそこだけに限定するとスケールの小さな話になってしまうのではないかと思う。

 まず注目したいのは、本来ゴーンが負担しなければならない私的費用を日産側に付け回すために、子会社などを経由した特殊な資金経路があったことだ。つまりこれは、マネーロンダリングの案件に該当する話である。他の取締役に対してあてられていた役員報酬の一部がゴーン氏の役員報酬となっていた件についても、同様に特殊なマネーロンダリングが行われていたであろうことは想像に難くない。

 このマネーロンダリングには恐らくフランスの金融機関が絡んでいたのは間違いないところだ。フランスの金融機関といえば、BNPパリバが約1兆円、ソシエテ・ジェネラルが約1600億円の罰金をアメリカ政府に支払うことになったように、巨大なマネーロンダリング違反が指摘されて信用を落としているところであり、今回のこの事件の発覚によって受ける打撃もありうるのではないかと思う。フランスに限らず、外国の金融機関は日本政府の対応を甘く見ているところがあったから、恐らく相当に慌てているであろう。

 日産の株式の43.4%を持つフランスの自動車会社ルノーは元々はフランスの公社だったところが民営化された会社で、今も全株式の15%はフランス政府が所有している。そして「フロランジュ法」と呼ばれているフランスの法律により、フランス政府のルノーに対する議決権は2倍となり、フランス政府はルノーの経営に関する重要事項について事実上拒否権を持つようになっている。 

 ゴーンはフランス政府の経営介入に以前は強硬に反対していたが、マクロン大統領が誕生してからは手打ちがあった模様で、今年6月に開かれたルノーの株主総会でゴーンはルノーのCEO職の4年延長が認められることになった。そしてフランス政府の意向に従って、ルノーが完全に日産(と三菱自動車)を飲み込む構想が進められていた。ルノーの経営が思わしくないのを、日産を飲み込むことで立て直したい(つまり、日産の資金を使ってルノーの支援をしたい)というのがフランス政府の思惑であったわけだが、この話は頓挫する可能性が高いであろう。

 というよりも、このルノーによる日産呑み込みに対して危機感を持った日本側経営陣がゴーンに対して叛旗を翻したというのが今回の事件である。そしてここには恐らく日本政府との緊密な連携もあったのであろう。

 ルノーは緊急取締役会でゴーンCEOの解任を見送った。推定無罪の原則に従ったとも言えるが、フランス政府の悪あがきのようにも見える。本年9月26日に発表された日米共同声明には、国有企業による歪曲化に対処することがうたわれている。この部分は主として中国の横暴に対する警戒感から出たものであるが、今回のルノーの件にも関わってくる話であり、日米は連携してこの問題に対処することになるだろう。

 日産が中国に2022年までに1兆円を投資するという方針を打ち出してきたが、これは米中戦争の流れとは明らかに矛盾する流れだ。こういう観点からアメリカは日産に対して警戒感を持ってきたと思われる。こうしたアメリカの思惑が今回の逮捕劇に絡んでいるかどうかはわからないが、今後の日産の出方にはアメリカは影響力を行使してくる可能性は高いのではないかと思う。

 こうした背景を理解した上で、今回のゴーン逮捕について考えたいものである。

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