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オバマ大統領とTPP

 オバマ大統領がどんなことを話して大統領になっっていったのかを、民主党の大統領候補を受諾したときの演説の一部を振り返りながら、見てみましょう。

 彼はこの演説の中で、アメリカ人の生活がどのようなものになっているのかについて、共和党の大統領候補のマケイン氏は知らないのだとしながら、次のような批判を続けています。

 For over two decades -- for over two decades, he's subscribed to that old, discredited Republican philosophy: Give more and more to those with the most and hope that prosperity trickles down to everyone else.

(20年以上に渡って、古くて疑わしい共和党の哲学にマケイン氏は同意してきた。「一番金持ちの人たちにもっともっと多くのものを与えよう、そして他の人たちにも繁栄が滴り落ちてくるのを期待しよう」という哲学だ。)

 In Washington, they call this the "Ownership Society," but what it really means is that you're on your own. Out of work? Tough luck, you're on your own. No health care? The market will fix it. You're on your own. Born into poverty? Pull yourself up by your own bootstraps, even if you don't have boots. You are on your own.

(ワシントン(当時の共和党政府内)ではこれを「所有者責任の社会」と呼んでいるが、これが実際に意味しているのは自分の責任は自分で取るものだということだ。失業しているって?お気の毒だが、自己責任だよ。医療保険がないって?市場が解決してくれるよ。自己責任だ。生まれつき貧乏だって?靴は自分で履くものだよ。たとえ靴を持っていなくてもね。自己責任だよ。)

 Well, it's time for them to own their failure. It's time for us to change America. And that's why I'm running for president of the United States.

(さあ、彼らに自分たちの誤りを認めてもらう時がきた。我々がアメリカを変える時がきた。だからこそ、私が大統領に立候補するのだ。)

 このように述べて、一部の多国籍大企業や金融業界のための政治を行うことから脱却し、弱者にやさしい政治への転換を目指そうと訴えたわけです。そして、このような新しい政治への転換への期待が "CHANGE" というかけ声となり、この転換が本当にできるのかという疑問に対して、"YES, WE CAN" と答えていたわけです。

 こうした点から、一般国民を豊かにしないとして NAFTA(北米自由貿易協定)にも反対の姿勢を示していました。彼は以下のような発言を別の機会に行っています。

 I would immediately call the president of Mexico, the president of Canada to try to amend NAFTA because I think that we can get labor agreements in that agreement right now. And it should reflect the basic principle that our trade agreements should not just be good for Wall Street, it should also be good for Main Street.

(私は直ちにメキシコ大統領とカナダ大統領(首相?)に話をつけ、北米自由貿易協定を改訂しようと思います。この協定には労働協定も盛り込めると考えるからです。アメリカが結ぶ貿易協定はウォールストリートだけでなく国民各層にも利益があるべきだという基本原則が反映されるべきです。)

 I voted against CAFTA, never supported NAFTA, and will not support NAFTA-style trade agreements in the future. NAFTA’s shortcomings were evident when signed and we must now amend the agreement to fix them.

(私は中米自由貿易連合に対して反対票を投じましたし、北米自由貿易協定を支持したことは一度もありません。そして将来も北米自由貿易協定タイプの貿易協定を支持することはありません。北米自由貿易協定の持つ様々な欠点は調印時から明らかでした。こうした欠点を正すために、今や協定の改定を行わなくてはなりません。)


While NAFTA gave broad rights to investors, it paid only lip service to the rights of labor and the importance of environmental protection.

(北米自由貿易協定は投資家には幅広い権利を認めながらも、労働者の権利とか環境保護の重要性にはリップサービスしかしていないのです。)

 こうした発言を見ていくと、オバマ大統領が TPP の推進を行っているのは、大統領選挙時の公約に違反することであり、アメリカ国民の多数派の意思にむしろ背くものだということがわかりますね。一般のアメリカ国民にしてみれば、TPP のような貿易協定は一部の多国籍企業と金融機関の利益になるだけであり、自分たちの利益になるとは感じられないものなのです。

 恐らく野田総理はアメリカの意向に従う方が日本にとって無難だと考えて、TPP の推進を図っているのだろうと思いますが、アメリカが一枚岩ではないことむしろアメリカの多数派は従来の一部の者だけを利する政治からの根本的な転換を求めていること、したがって TPP のような貿易協定にも反対であることを、我々は理解しておく必要があります。

 「日米関係は大切だ。だから TPP も推進しなければならない。」との見解は、以上から考えてミスリーディングなものではないでしょうか。オバマ政権の側ではなく、アメリカ国民の側を向き、直接アメリカ国民に向けて日本の立場や考えを語りかけることが、日本の国益にも適い、また健全な日米関係の発展のためにも極めて重要ではないかと思う次第です。
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