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震災復興が進まない意外な理由


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「東日本大震災(地震、津波)被害状況専門サイト」というサイトがあります。福島県、宮城県、岩手県の地震、津波による沿岸部の被害と復旧・復興状況をまとめてくれている、復興についての状況を知るには大変ありがたいサイトです。

 ここに、「復興の遅れ:復旧・復興工事を阻む入札不調」という記事が出ています。

 ここには、復旧・復興工事の需要が大幅に増加するなかで、工事が遅れる大きな要因となっているのは「入札不調」だと書かれています。(他にもいろいろと理由が挙げられていますので、よろしければリンク先でご確認下さい。)

 「入札不調」とは、入札を行っても入札者がいないとか、予定価格以下の入札がなく、入札が成立しないことをいいます。つまり、復興の需要はあっても、供給側の体制が整っていないということです。

 国土交通省が岩手、宮城、福島の被災3県と仙台市が4~8月に発注した公共工事の入札を調査した結果、入札不調の割合は、仙台市が47%(96件)、宮城県34%(87件)、福島県20%(99件)、岩手県7%(19件)だそうです。

 その原因はどこにあるのでしょうか。

 河北新報によれば、「専門的な技術者や労働者の不足、人件費や原材料の単価の上昇」であり、福島民報によれば、「震災前まで長年続いてきた公共工事の縮減により、業者数、就業者数ともに減少傾向が続き、突然の需要拡大に対応できていない」ことだそうです。要するに、建設業界の人員が不足しており、その結果対応が難しくなっているということです。

 都内の建設業界の役員をやっている友人に聞いてみたところ、東北に建設資材も人員も取られてしまい、都内でも工事を受注したくてもなかなか受注できない状況だと言っていました。 
 
 では業者が積極的に人材の採用や重機などの設備投資の拡充に努めているかといえば、それも残念ながら進んでいません。福島民報には、「3~5年で仕事が減る。新たな設備投資や人員確保はリスクが大きい」と会津地方の建設業者が話しているという記事が載っていました。要するに業者からすれば、復旧・復興工事は一時的なものにすぎず、近年の公共工事の減少傾向を考えれば、人員増加、設備投資にためらうのが普通だからです。

 また、読売新聞には次のような記事が出ていました。

 「震災で大きな被害を受けた東北、関東の7県の58市町村で、昨年度の復興予算執行率が5割弱にとどまることが会計検査院の調査で分かった。工事の発注を担当する職員不足が主な原因とみられる。検査院は25日、市町村の予算執行体制の支援などを求める報告書を国会に提出した。」

 要するに、職員が足りず、工事の発注が迅速にはいかないという事態が発生しているわけです。被災地の市町村の方では「国が主導し、経験豊富な技師らを派遣してほしい」と訴えているようです。

 復興予算が変な使われ方をしているという点ばかりが報じられていますが、実は被災地に充てられている予算自体が十分に機能していないわけです。そしてその原因が、長年にわたる公共事業費の削減に基づく建設業界の衰退と、公務員の削減に基づく公務員の絶対数の不足にあるわけです。

 公共事業費がどのくらい削減されてきたか、以下のグラフでご確認下さい。驚くべきことに、震災復興の補正予算が組まれた2011年度でさえ、前年度比でマイナスになっています。(縦軸の単位は兆円 2012年に内閣府がまとめた資料)





 また、以下のグラフから、日本の公務員数が世界的に見ても非常に少ないことを確認してみて下さい。(2011年に総務省統計局がまとめた資料)





 日本の公務員に支払われている給料の対GDP比がどのくらいかも、見てみて下さい。(2005年に大和証券研究所がまとめた資料)



 「公共事業費が多すぎるからもっと削るべきだ」とか、「公務員数が多すぎるからもっと削るべきだ」とよく言われてきましたが、実態は震災に対応できないレベルまで建設業も公務員数も削られてしまっていたというわけです。

 このような状況下で、公共事業費や公務員数を今以上に削るのはおかしいのではないかという意見にご賛同いただける方は、クリックをお願いいたします。


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コメント

1. 地方の建設業の減少は深刻です

私は被災地近くの某市の議会議事録を作成する仕事を請け負っていますが、台風などの災害復旧工事は地元建設業者の仕事なのに、建設業は減少の一途で、復旧工事もまなならないと市役所は危機感を抱いています。市長は公共工事の予算は以前の半分と嘆いていますし。

一方で、震災の被災地から遠いところでは、東北に人手がとられ、公共工事の予算が減らされ、これまた苦境に陥っているそうです。

公共工事=橋や道路、箱物=すべて悪といったイメージですが、マスコミが報じない地方の声に接し、「コンクリートから人へ」という民主党の政策は、本当は私たちの暮らしを根本から危うくしていると痛感しています。


2. Re:地方の建設業の減少は深刻です

>violetさん
violet さんがお書きになられたような生々しい話については、私自身がもっと知りたいですし、何よりも国会議員のような立場にいる方々が十分な認識を持っているのかも疑わしいですね。マスコミにおいてもっと取り上げられるべき話だと思いますが、日本のマスコミは先に結論が決まっていて、そのストーリーに沿ったことをしか言わないので、困ったものです。

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