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日本円は破綻するのか?


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 国家財政の破綻の危機は迫っており、円の信認が失われるのも時間の問題だという意見が世の中には広く行き渡っています。この見解は正しいかどうか、少し考えてみましょう。

 まず、日本円の信認が失われる場合というのは、一体どういう場合でしょうか。日本円を持つことはリスクが高いと判断して、誰もが手放そうとする場合だと考えればよいでしょう。つまり、「日本円なんか持っていたらやばい!」と、誰もが投げ売りしたくなるような状態が、日本円の信認がなくなった状態だというわけです。逆に言えば、いくら声の大きな人が「日本円なんか持っていたらやばい」と叫んで日本円を売りまくっていても、その日本円の買い手がきちんと出てくる限りにおいては、日本円の信認は失われることはないということを意味します。

 ところで、経常収支の黒字がずっと続いていて、世界一の債権国となっているこの日本において、このような事態は本当に発生するものなのでしょうか。経常収支が黒字だというのは、日本が外国から稼ぐお金の方が、外国が日本から稼ぐお金よりも多いという状態です。そうした「稼げる国」の通貨が「稼げない国」の通貨よりも信認が低くなるということは、なかなか考えにくい事態だということはおわかり頂けるのではないかと思います。

 ところで、日本円の破綻が心配で心配で仕方のない人たちが、日本円よりも米ドルの破綻の可能性の方がずっと高いとは、なぜ考えないのか不思議です。世界最大の対外債務国はアメリカで、その累積債務残高は2011年末の段階で4兆303億ドルにも達しています。おまけに、2011年9月末段階での米国政府の資産残高が2兆7073億ドルであるのに対して、米国政府の負債残高は17兆4927億ドルです。資産よりも負債の方が6倍以上多いのです。

 私は「だから米ドルは破綻の危機にある」などと言っているわけではありません。実際そんなに簡単には破綻しないとも思っています。基軸通貨である米ドルに対する需要はそう簡単になくなるものではなく、「誰もが米ドルを投げ売りしたくなる状態」は容易には出現しないと考えているからです。

 ただ、比較の上で考えれば、日本円を取り巻く状況と米ドルを取り巻く状況のどちらの方が安定しているかは明らかではないでしょうか。

 ちなみに、アメリカ政府の資産残高と負債残高を書きましたので、日本政府の資産残高と負債残高についても一応見ておきましょう。2010年12月末段階では、資産残高が1073兆円であるのに対して、負債残高は1037兆円です。

 恐らく現時点では負債残高の方が大きくなっているとは思いますが、それが国家財政の破綻に直結するものではありません。それは米政府の状況を見てもわかることだと思います。

 今回はこの問題の一側面のみしか扱っておりません。今後はこの問題をもう少し深めていこうと思っています。

 日本円が破綻するというのは、そうそう簡単なことではないということについて、ご理解頂けた方は、クリックをお願いいたします。


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