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ギリシャがユーロ離脱したら

 ギリシャがユーロから離脱したらどうなるのかについて、産經新聞がわかりやすい Q&A を載せていました。こちらの記事を紹介したいと思います。

 Q ギリシャがユーロ圏から離脱するとどうなる

 A かつてのギリシャ通貨「ドラクマ」が復活するが、通貨を売買する為替市場で、ドラクマの相場の暴落は避けられない。通貨の価値はそれを使う国の実力を反映する。ユーロはドイツやフランスの経済力、信用力を反映して高い値段で取引されているが、ドラクマはギリシャの経済力が弱いうえに、債務危機の震源地として信用力もなく、低い評価は避けられない。

 Q ドラクマ暴落で何が起こるか

 A 通貨安が進むと、輸入品の価格が上昇する。それにつられてものの値段が上がり、急激な物価上昇(インフレ)が起きてしまう。ギリシャの場合、前年比50%程度の超インフレを招くとの試算もあり、国民が生活必需品を買うのにも困るようになるなど、経済の混乱は必至だ。通貨安は輸出には有利だが、ギリシャはそもそも輸出産業が乏しく、メリットが少ない。

 Q 影響はギリシャだけか

 A ドラクマ暴落で、ギリシャ政府、企業、国民がみな、ユーロで借りたお金を返せなくなる恐れがある。借金の金額そのものは変わらなくても、ユーロをドラクマに換算すると借金が実質的に膨らむためだ。その結果、欧州各国の政府、銀行は、ギリシャ政府、企業に貸しているお金が焦げ付き、巨額の損失が発生する可能性がある。ちなみに、欧州の主要行が昨年末時点で保有するギリシャ向け債権は904億ドル(約7・2兆円)に上り、影響は大きい。

 Q どんな心配が

 A 同様に債務不安を抱えるスペインやイタリアなど、南欧諸国にも金融不安が飛び火する。ドイツやフランスなどの政府、銀行が、ギリシャと同様に借金を踏み倒されるのではないかと警戒して融資を避ければ、南欧諸国の資金繰りが悪化してギリシャの二の舞いになりかねない。

 Q 欧州はどうなる

 A ギリシャよりもはるかに経済規模の大きいスペインやイタリアの政府、企業が借金を返せなくなれば、欧州の銀行が経営破綻の危機にさらされる。そうなれば、日本の金融危機のように貸し渋り・貸しはがしが横行し、欧州全体が資金の目詰まりを起こして沈没してしまうだろう。

 Q 世界経済への打撃は

 A 欧州の金融収縮や景気悪化は世界経済の牽引役である中国も直撃する。中国では欧州から流入していた大量の資金が引き揚げられ、欧州向け輸出も落ち込むためだ。中国の失速は世界経済の成長の原動力が弱まることにつながる。

 Q 日本にも影響するか

 A 欧州の危機は国際金融市場を動揺させ、投機マネーが相対的に安全とされる日本の円の購入に回り、企業業績にマイナスな円高が進む。中国など新興国経済の失速で、日本の輸出にさらにブレーキがかかるなど、深刻な打撃が避けられない。

 産經新聞が書いているのは大げさなんではないかという意見もあるかもしれません。そこで、日本では報道されていないのではないかと思いますが、専門家のなかの専門家である、イングランド銀行のキング総裁がどのように述べているかを、ここに引用してみます。

 We have been through a big global financial crisis, the biggest downturn in world output since the 1930s, the biggest banking crisis in this country's history, the biggest fiscal deficit in our peacetime history and our biggest trading partner is the euro area. (我々がこれまで経験しているのは、巨大なグローバルな金融危機であり、1930年代以来最大の世界生産の落ち込みであり、我が国に置ける歴史上最大の銀行制度の危機であり、非戦時における歴史上最大の財政赤字である。そして我が国の最大の貿易相手がユーロ圏なのである。)

 まさに100年に1度の危機だという認識なのだろうと思います。

 The failure in Greece to form a government has stoked fears of a disorderly Greek exit from the common currency that could trigger meltdown of the global banking system. (ギリシャにおいて組閣が出来なかったために、ギリシャが無秩序にユーロから離脱し、国際的な銀行制度のメルトダウンの引き金を引きかねないという恐怖を焚きつけることになった。)

 「国際的な銀行制度のメルトダウン」とは、穏やかではないですね。ユーロに対しても影響力の大きなイギリスの中央銀行の総裁が、ここまで大胆な発言をしているところに注目したいところです。

 中国のバブル崩壊などとも連動して、現在の危機はまさに100年に1度の大危機になる可能性が高いわけです。この中で目先の財政悪化に対処療法的に対応しようとして、緊縮財政と増税の路線に突っ走ると、まさに1930年代の再来となるのではないか、そんな懸念を抱いています。

 少なくとも日本は、この影響をできるかぎり小さいものにしなくてはなりません。そして幸いに日本はGDPで見る限り、輸出立国ではなく、内需立国です。(2010年でGDPの86%を内需が支えている。)国内需要の減退でデフレ不況に陥っている状況ですから、適切な需要喚起策を実行し、それを支える金融政策と併せて実行すれば、世界不況の影響を軽微に留めておくことができるというところに、日本の可能性を見いだしたいと思っています。
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