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電力会社の社員議員は全く問題にならない


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 電力会社の社員が会社に籍を置いたまま地方議会の議員になっているということが、急に問題にされました。この問題を今回は考えてみたいと思います。

 この問題に腹を立てている人は、電力会社の社員が、会社の意を受けて、地方議会において電力会社に有利になるような働きを行うとは、言語道断だと考えているのではないかと思います。そのような考えも一理あるかもしれませんが、それならば、特定の団体や会社を代表し、その団体なり会社なりの代弁者となりそうな人が議員になるのはすべて認めるべきではないということになるはずです。であれば、労働組合などの特定の団体の推薦を受けた議員も同様に断罪されるべきです。電力会社の後ろ盾をうけた議員だけはダメというのでは、明らかに異常だとはいえないでしょうか。

 そもそも社員議員は珍しいものではありません。決して電力会社に限った話ではなく、大企業ならばよくある話です。しかも、会社が地方自治体に対する影響力を強めようという意図のもとで積極的に社員を送り出しているというよりは、地元の自治体からの要請に基づいて企業側が送り出すようになったという性質が強いものです。企業の側からすれば、工場などが置かれている自治体と不要なトラブルは起こしたくないですし、なるべく協力的な姿勢を見せて長期的に安定した関係を築きたいと考えるのは自然なことではないでしょうか。企業と地元自治体とのパイプ役となり、企業に対する地元自治体の要請を受けたり、企業が地元行事に積極的に絡んでいく際に、大きな役割を果たしたりしているのが、社員議員です。

 給料の二重払いについてあしざまに言われていますが、社員としての地位を残してやらないと議員の成り手がいなくなってしまうことから、やむなく行っているというのが実際のところでしょう。これについて批判を受けるのは、社員議員を派遣している企業の方からしたら、まさに心外でしょう。

 「電力料金は総括原価方式で決まるため、こうした社員の給料も電力料金に上乗せされている」と言われますが、では、こうした社員の給料を削ったら、電力料金はいったいいくら下がるのでしょうか。例えば東京電力の従業員数は連結ベースで51,120人、単独ベースでも37,376人だそうですが、20人の社員議員の給料を払っているかいないかで、果たして電力料金が変わるものなのでしょうか。変わるはずもありません。

 そもそも東電全体でわずか20人しかいない地方議員が、どうやって脱原発阻止の政治的な動きなどを作り出せるというのでしょうか。日本の電力会社全部あわせても、社員議員の数は100人もいないのです。5万人以上いる地方議員の中で大した影響力を持ち得ないのは明らかではないでしょうか。

 こうして見ると、「脱原発こそ進むべき道」だと信じているマスコミが、不当な電力会社たたきを行っているにすぎないと判断すべきだと思います。現在の「空気」のもとでは、電力会社を悪者にしやすいので、その流れに乗った針小棒大なキャンペーンが行われているわけです。本来なら「空気」に対して抵抗して、「空気」とは違うものの見方を提供すべき立場にあるマスコミが、その役割を全く果たしていないのには、本当に落胆します。

 ついでに言えば、脱原発を実際に行うと、どういうことが起こるのかについて、政府部内で出ている基礎資料すら、マスコミは全くと言ってよい程報道しません。経済産業大臣名で出されている『エネルギー・環境戦略策定に当たっての検討事項について』という資料には、現在15兆円の総電気代コストが、「再生可能エネルギー」なるものの推進によって38.1兆円にまで高まる可能性が指摘されています。これに伴い、家計の電気料金は2倍以上になり、雇用は1000万人以上減少するという恐れがあることも指摘されています。

 国家戦略室にも、脱原発を行った時にどのような影響が出るのかを4つの研究機関に託した結果が出ています。いずれもがGDPの莫大な毀損を懸念しており、特に地球環境産業技術研究機構のモデルでは、GDPを46兆円も押し下げるとの試算まで出ています。これは電力料金が跳ね上がることで、国内の製造業が厳しい状況に陥ることから、産業空洞化が進展すること、つまり大量の失業者が出ることを計算に入れているためです。

 こうしたマイナスの見通しをしっかりと伝えた上で、国民がそれでも脱原発を選ぶというのであれば、それも1つの選択だろうと思います。しかし、こうした肝心な情報は流さないで、ムードだけで脱原発に向かうのが当然という空気だけが作られているのは、実に危険な動きではないでしょうか。

 マスコミには、多様な見解を提供して、多様な議論を提供するという使命がありますが、これを完全に放棄し、マスコミが正しいと信じる一面的な見方のみを押し通すのは、マスコミの自殺行為だと考えます。このようなマスコミのあり方が許せないと考える方は、クリックをお願いいたします。


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